「当社と弊社」「貴社と御社」の正しい使い分け方・メール例文
当社・弊社の正しい使い分け方
ビジネスを扱ったテレビドラマや小説は、大変多くあります。ビジネスジャンルは今、作も多いです。その中で、「当社」や「弊社」という言葉を聞いたり、読んだりしたことがあると思います。どちらも自分の会社を表していることはおわかりですね。
では、みなさんはこの2つの言葉の違いはおわかりになりますでしょうか。「当社」と「弊社」は、どのような場面で使い分けるのでしょうか。みなさんに挑戦していただくために、ここに、選択肢を用意してみました。複数選択も可です。さて、考えてみてください。
みなさんは、何を選びましたか。では、「当社」と「弊社」の正しい使い方をご説明します。
1:「当社」が使われるケース
当社というのは丁寧語に当たります。「当社」は、主に社内での文書や会話に用います。「わが社」や「うちの会社」という言い方と同じと考えるとわかりやすいですね。
2:「弊社」が使われるケース
弊は漢字の意味からもおわかりのように、へりくだった表現、いわゆる謙譲語です。ですから、主に外部に対して、相手の立場を立てつつ話を進める場合に用います。相手を尊重する気持ちを表すために用いる表現ですので、立場や会社の規模が下の相手に用いても問題はありません。
ですから、先ほどの選択肢の問題は、(3)を原則とするのが正解です。
しかし、「当社」と「弊社」の使い方には、いくつかの例外があります。例えばみなさんは広告で「当社比」という言葉を見たことがあると思います。「弊社比」ではないですね。「当社アンケートによる」などという表現も見られます。
このように、へりくだることがふさわしくない、広告やカタログ、報告書などには、「当社」を用います。また、取引先とのトラブル、クレームやマスコミ対応の際などに、強い態度で臨む場合には、へりくだった「弊社」ではなく、あえて「当社」を使う場合が多いです。
3:メールでの使い方例
「当社」と「弊社」の使い方の違いをご理解いただけたと思います。では、実際にはどのように使うのか、メールでの例を紹介いたします。
- 社 内) 当社でのフレックスタイム制導入につきまして…
- 取引先) 弊社で見積もり内容を検討させていただきましたところ…
- 顧 客) 弊社の商品をご愛用していただき…
- 取引先) 先日の製品トラブルにつきまして、当社といたしましては…
「当社」と「弊社」の使い分けには、実は、絶対という明確なルールはありません。ですから、原則、「当社」は社内で用いる、「弊社」は、相手の立場を尊重するため社外で用いる、と考えるのがよいでしょう。
貴社・御社の正しい使い分け方
ここまでで、「当社」と「弊社」の違いや使い分けについては、おわかりになったと思います。では、今度は、相手の会社を表す「貴社」と「御社」の違いはいかがでしょうか。先ほどと同じように選択肢を用意しました。
1:「貴社」が使われるケース
「貴社」についている「貴」は相手を敬うときに用いる表現です。「貴社」の他にも、貴園(幼稚園)、貴校(学校)、貴行(銀行)などの使い方があります。主に、文書内で用いられます。なお、次の文の中には使い方の間違いがあります。探してみてください。
「貴社様にご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。」