「なるべく早く」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年06月27日
「なるべく早く」の敬語表現
ビジネスシーンの中で、「なるべく早く」対応してほしいと思う時があります。では、実際にこのことを相手に伝える場合、「なるべく早く」という使い方は適切なのでしょうか。
仮にあなたが上司だとします。部下から「この件の対応ですが、なるべく早くお願いします」と言われたら、どのように感じますか。おそらく、あまり良い気分にはならないという人も多いのではないでしょうか。
目下の人から上司など目上の人に対して「なるべく早く」という表現は適切ではありません。では、目上の人や上司に対して「なるべく早く」対応してほしい場合、どのように伝えるのが正しいのでしょうか。
「なるべく早く」には敬語はない?
「なるべく早く」を、相手に失礼のない言葉に変換する場合、どのようにしたら良いのでしょうか。
「なるべく早く」を失礼のない内容で伝える方法とは?
では、具体的に「なるべく早く」という言葉を失礼のないように伝える方法についてご紹介します。
言葉を分解し、失礼のない言葉に置き換える
「行く」という敬語は、「伺う」です。相手が来る場合は、「おいでになる」または「いらっしゃる」になります。敬語には、1つの言葉に対して、相手の行動を敬語にする「尊敬語」と自分の行動をへりくだった表現にする「謙譲語」があります。
はじめに、「なるべく早く」という言葉を「なるべく」と「早く」という2つの言葉に分解します。「なるべく」には、可能なかぎり、できるだけといった意味があります。「なるべく」という言葉を可能なかぎりという言葉に置き換えてみましょう。
「早く」は、急いでという意味があるため、目上の人や取引先に対して急がせるような言葉は、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。このような場合は、クッション言葉を利用しましょう。
「クッション言葉」とは?
「クッション言葉」とは、会話を始める前に相手を気遣う意味のある言葉をつけることを言います。たとえば、「なるべく早く」といったお願いの言葉を言う前に、「お忙しいところ恐れ入りますが」「お手数をおかけいたしますが」といった言葉を先につけると、「申し訳ございません」「恐縮です」という気持ちを伝えた上で、お願いすることができます。
いきなりお願いされると不快感を感じてしまう人もいますので、お願いや依頼をする場合は、このような「クッション言葉」をうまく利用してみましょう。
「なるべく早く」のような場合も、クッション言葉を利用することで、相手に失礼のない言葉に変えることができるので、おすすめです。
クッション言葉をうまく利用して柔らかい印象の言葉と組み合わせる
「クッション言葉」をうまく利用して、「早く」という言葉をできる限りでかまわないのでといった言葉に変換して使うと、印象が柔らかくなるのでおすすめです。
たとえば、なるべく早く回答がほしい場合は、「お忙しいところ大変恐縮ですが、できる限りでかまいませんので早めのご回答をお願いします」といった形に変えてみましょう。
「クッション言葉」を入れることで、急がせるという意味を柔らかい表現に変えることができますし、「できる限りでかまわない」という言葉を付け加えることで、強制的な印象からお願いする形の印象に変えることができます。
「なるべく早く」の敬語での使い方
なるべく早く対応をお願いしたい場合、相手に不快感を感じさせないように伝えることは大切なのですが、丁寧な表現にし過ぎてしまいますと、二重敬語となり、マナー違反になってしまうことがあるので注意が必要です。
なるべく早くしてほしいが、不快感を与えないようにしなければならないため、言葉選びが難しいと考えてしまう人もいるでしょう。そのような場合は、「○月○日が締め切りのため」のように理由や期限があるという内容を伝える方法がおすすめです。
前にご紹介したクッション言葉と理由や期限があるということを伝えることで、相手に不快感を与えずに、なるべく早くしてほしい、急いでほしいということを伝えるようにしてみましょう。
敬語の種類
敬語とは、使う相手に対して敬意を表す表現の言葉のことを言います。
前の項目でも少しご紹介しましたが、敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの種類があります。相手の行動について敬語にする場合は、「尊敬語」を使います。自分の行動をへりくだった表現にする場合は「謙譲語」を使います。
「会う」「行く」といった言葉を「会いました」「行きます」といったように「~しました」「~です」のように丁寧な言葉にすることを「丁寧語」といいます。「です」「ます」といった表現も丁寧語になります。
初回公開日:2018年03月09日
記載されている内容は2018年03月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。