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「お読みください」は正しい敬語なのか・類語・尊敬語・丁寧語

更新日:2024年04月04日

ビジネスシーンでよく使われる「こちらの資料をお読みください。」という言葉。会議や取引先でのメールで相手に資料を読んで欲しい時、あなたはどのように言いますか。今回は「お読みください」をテーマに、正しい敬語の使い方をご説明します。

「お読みください」は間違った敬語なの?

あなたは会社の先輩や上司から「お読みくださいでは相手に失礼だ」と指摘されたことはないでしょうか。「お読みください」は間違った敬語であると言うのを耳にします。しかし、文法的に見ると「お読みください」は正しい敬語です。

敬語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。主に、相手側の行為について述べる時は尊敬語、自分側の行為について述べる時は謙譲語、丁寧語はその名のとおり丁寧に述べる時に使用します。

「お読みください」は「読む(正しくは、読め)」の丁寧語に分類されるため、正しい敬語となります。では、なぜ間違った敬語と言われるのでしょう。

詳しい説明の前に、まずは「読む」の敬語について確認しましょう。

「読む」の尊敬語は「お読みになる」

尊敬語は、相手側の行為について述べる時に使用し、「お〜になる」という定型パターンがあります。したがって「読む」の尊敬語は「お読みになる」です。

今回のテーマは、相手に読んで欲しい時です。「読む」という行為をお願いすることになるので、「お読みになってください」となります。

「読む」の謙譲語は「拝読する」

謙譲語は、自分側の行為について述べる時に使用します。「読む」の謙譲語「拝読する」のように「拝+〜する」の定型パターンもありますが、決まった言い回しも多いです。

ここで注意していただきたいのが「ご拝読ください」です。丁寧な敬語のように見えますが、これは誤った使い方となります。「読む」行為をするのは相手なので、謙譲語ではなく、尊敬語や丁寧語を使用しなければなりません。

相手の「拝読しました」に対して「ご拝読いただき」と返してしまいやすいので、気をつけましょう。

「読む」の丁寧語は「読みます」

丁寧語は、相手側にも自分側についても使用することができます。特徴は、語尾に「です・ます・ございます」を用いることです。「読む」の場合は「読みます」となります。

そして、今回のテーマである「お読みください」は、動詞の接頭語として「お」や「ご」をつけた丁寧語です。「お読みになってください」とよく似ていますが、「〜になって(~なさる)」という言葉をつけることでより丁寧な尊敬語となります。

「お読みください」が間違った敬語と言われる理由

正しい敬語の使い方は、社会人になると一度はぶつかる壁でしょう。実は、今回のテーマである「お読みください」が間違った敬語と言われるようになったのも、ビジネスシーンにおける敬語の使い方が大きく関係しています。

それでは「お読みください」が間違った敬語と言われるようになった理由を見てみましょう。

理由1:ビジネスシーンでは尊敬語・謙譲語を使用しよう

ビジネスに限らず、初対面の人には敬語を使う人が多いでしょう。それは、相手との関係が構築されていないため、失礼のない対応として敬語を用いるからです。敬語は日本のマナーでもあります。

ビジネスにおいてお客様や取引先の人は、自分たちの仕事に関わる大切な相手となります。ビジネス相手として敬う気持ちはもちろん、まだ自分たちのことをよく知らない相手となるので失礼のない対応が求められます。

つまり、社会人はマナーとして、敬語を使って話すことが当たり前となります。そして、大切な相手であることを示すために、丁寧語よりもさらに相手への敬意が高いとされる尊敬語や謙譲語を使用することが一般的とされています。

そのため、丁寧語である「お読みください」を使用するのはふさわしくない、すなわち間違った敬語と言われるようになったのでしょう。

理由2:正しい敬語は意味も考えて使用しよう

また、正しい敬語の使い方という視点から見ても「お読みください」が間違った敬語とされる理由があります。

それは「お〜ください」は、

1、相手の動作を促す
2、懇願

という意味が含まれた敬語だからです。ビジネスシーンで最も多く使われる「こちらの資料をお読みください」を例に考えてみましょう。

会議や商談・メールなどで相手に資料を読んでもらう際に使用しますが、相手へお願いをする立場ですので「相手の動作を促す」意味を持つ敬語を使用するのは少々厚かましい印象です。しかし「懇願」のように、どうか読んでくださいというほどの強いお願いも違うでしょう。

このように特定の相手に対して資料などを読んでもらう場合では、「お読みください」は適した敬語ではないと言われています。

ビジネスシーンでの「お読みください」の使い方

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初回公開日:2018年02月09日

記載されている内容は2018年02月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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