「お支払い」の敬語表現・お支払いの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年07月05日
「お支払い」という言葉がすでに「御(お)」という尊敬語による敬語表現を含めており、ビジネス上のやり取りでも一般的に使われる敬語表現として成り立っています。この「お支払い」という言葉に付随する形でさまざまな別の敬語表現が使われ、その表現全体を「誰に対しても失礼のない敬語表現」とすることが重要になります。
お願いします
「お支払いをお願いします」という言い方は非常によく聞く表現ですが、たいてい金額の入金を相手に催促する場合は、この「お支払いください」や「お支払いお願いします」という表現が一般的に使われます。
・先日にお送りさせていただきました商品の代金につきまして、○月○日までのお支払いをお願いします。
・ご提示させていただきました金額のご入金(お支払い)をお願いします。
・明細に記させていただきました金額のご入金(お支払い)を、どうぞよろしくお願いいたします。
・○月○日までの、ぜひ全額のお支払いをお願い申し上げます。
このように「お支払いお願いします」という表現をする場合は、ほとんど「○月○日までに」などの納期日が設けられている場合や、「商品代金をお支払いください」とした代金引換の連絡が多く見られます。この際でも金銭上の取引となるため、必ず低調な敬語表現をすることが大切です。
ありがとう
「お支払いいただきましてありがとうございます」などの表現は言葉のとおり、すでに金銭上の取引を終了した場合に使われる言葉となり、取引を最後まできちんと終わらせる律儀なスタンスが問われる場面となります。
・この度は商品をご購入くださり、また商品代金の方も早期にお支払いくださったことを誠に感謝申し上げます。
・ただいまご入金(お支払い)をご確認させていただきました。ありがとうございました。
・早期のご入金(お支払い)を確認させていただき、誠にありがとうございます。
このように、ある程度取引が進むにつれて金銭上の取引も終え、最後までスムースに取引を終えることを念頭に置いたスタンスとなります。
「お支払い」の別の敬語表現例
ビジネス上のやり取りでもプライベートでの連絡交換時においても、金銭上の取引をするときには非常に神経を使い、相手への誠心誠意を込めた対応がなされます。その場合でも「お支払い」という言葉に代わる別の敬語表現例がいくつかあり、これは金銭上の取引において「入金を確認する・入金を催促する場合」の定形文句の形で認められます。
金銭上の取引では、微々たる配慮の不足やぞんざいな対応によって「相手からの信頼」を失うことも多々あるため、必ず「正しい敬語表現」を覚えておくとともに、1つの言葉にしてもさまざまな用途で使い分けられる「いろいろな敬語表現」を知っておくことが大切です。
ご入金
「お支払い」という言葉を用いる際に、特に使われる表現が「ご入金いただきまして」という言葉であり、これは多くの金融機関でも専門用語としてもっぱら多くの状況・場面において多用されています。
・この度は迅速なご入金(お支払い)をご確認させていただき、誠に感謝申し上げます。
・さっそくのご入金(お支払い)を、誠にありがとうございます。
・○月○日までに、ぜひご入金(お支払い)していただけると幸いです。
・ただいまご入金(お支払い)をご確認させていただきました。
・表示金額をご入金(お支払い)ください。
・一度ご入金(お支払い)されました金額の返金は行なっておりません。ご注意ください。
このように実に多くの場面で「ご入金(お支払い)」という言葉が使われており、場面・状況によって尊敬語・謙譲語・丁寧語による敬語表現が使い分けられています。
ご確認させていただきました
これは(先でも少しご紹介しました)ヤフオクなどの通販サイトでも頻繁に使われている表現で、たとえば商品代金が購入者から入金された場合に、「ご入金をご確認させていただきました」という支払い確認の連絡をした後、商品を発送するという発送後連絡へとつながります。
・商品代金○○円のご入金(お支払い)をご確認させていただきましたので、本日、商品を発送させていただきました。
・ご入金(お支払い)されました金額をご確認させていただきましたが、○○円の不足がございました。
・ご入金(お支払い)いただきました金額をご確認させていただきましたが、○○円の超過がございましたので、超過分につきましてはご返金させていただきます。
「お支払い」の謙譲語
「お支払い」という言葉はもともと「話者がする行動」になるため、その「お支払い」という言葉を敬語表現に置き換える際には必ず「謙譲語による敬語表現」となります。尊敬語というのは先述でご紹介しましたように「目上の人に対して敬意を示す敬語表現」となるため、主に「相手の行動に敬意を示して言う敬語表現」となります。
この「話者と相手の立場の差異」において、謙譲語と尊敬語による敬語表現の違いが認められ、この場合の「お支払い」の接頭辞として付いている「御(お)」というのは「相手に対する敬語表現」のうちに含まれます。
上記を踏まえて、「お支払い」という言葉は「話者が自分の行動をへりくだった言い方で表した敬語表現」となり、接頭辞の「御(お)」という言葉も「相手に対する敬語表現」の形として認め、「ぜひお支払いさせていただく」といった話者の低姿勢・丁寧な口調による敬語表現だけを伝える形となります。
「お支払い」と「お支払」の使い方や敬語の違い
「お支払い」も「お支払」も基本的に意味は同じですが、見た目どおりに表記上の違いがあり、これは「表記の用途」によって分かれるニュアンスの違いだけになります。たとえば「取引」という言葉にしても「取り引き」という表記と「取引」という表記とがあり、また「取次」という言葉でも「取次」と「取り次ぎ」という表記に分かれる場合があります。
いずれにしても基本的な意味は同じですが、不特定多数の人々に公示する際の都合(用途)によってそれぞれの表記法が分かれてきます。表記するスペースがない場合、一度使った表記に合わせる場合、端的に意図だけを伝える場合などには「お支払い」という表記も「お支払」と表記されることがあります。
そしてそれぞれの敬語表現については、これは先述でご紹介しました敬語の表現法でかまいません。表現全体を敬語表現に置き換えておき、相手に失礼のないよう配慮した表現にします。
「お支払い」の英語表記と意味
初回公開日:2018年04月10日
記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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