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「貸す」の敬語表現・貸すの使い方と例文・別の敬語表現

更新日:2024年04月03日

ビジネスシーンに限らず、何かとよく使う「貸す」という言葉ですが、これの正しい敬語の使い方をご存知でしょうか。この記事では「貸す」の敬語表現だけでなく、使い方のポイントなど詳しくご説明しています。社会人なら知っておくべき内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

「貸す」を目上の人に述べる際、敬語表現で伝える場合、以下の3つのタイプに分類されます。

①目上の人の動作
②「貸す行為をした人」が目上の人で、「話をしている人(伝え先)」が行為をした人より下
③「話をしている相手(伝え先が)」が目上の人で、「貸す行為をした人」がその人より下

ポイントは、「貸す行為をした人」と「伝え先」のどちらを一番に立てるのかという点です。

「行為をした人」を一番に立てるなら尊敬語を用い、「伝え先」を一番に立てるなら謙譲語で表します。これさえ押さえておけば、正しい使い分けができるので、誰を一番に立てなくてはならないのかをはっきりさせて適切な敬語表現をしましょう。

「行為した人」を一番に立てたいなら!

「伝え先」と「貸す行為をした人」を比べてみた時に、「貸す行為をした人」の方が立場が上だった場合は尊敬語の「お貸しになる」を用います。たとえば、社長の行為を先輩などに伝える場合などがこれに当たります。

以下、例文を挙げてみます。

「部長、先週社長が○○をお貸しくださいました」
「お客さまが先輩にお貸しになった○○を、お返しに伺おうと思います」
「明日○○さまが資料をお貸しくださる予定です」

自分の行為や「伝え先」を一番に立てるなら謙譲語!

自分や身内が「貸す」行為をした時に、目上の人に向かって話をする場合は謙譲語の「お貸しする」を用います。「する」の部分を「いたします」にすると、より丁寧な表現になります。

「先生に父の本をお貸ししました」
「部長にペンをお貸しいたします」
「課長、次の会議に必要な○○のデータが私のパソコンに入っているので、お貸ししましょうか」

また、「話を伝えてる相手」の方が立場が上の場合も謙譲語で表現しましょう。以下、例文です。

「社長、只今○○さんに資料をお貸ししております」
「課長にデータをお貸ししようと思いますので、本社○○さんのファイルを開いてもよろしいでしょうか」

目下(同等)の人に述べる場合は丁寧語で!

上述しましたが、部下や同僚など、目下の人や自分と同等の人に対してはへりくだる必要はありません。なので、謙譲語で表現しないようにしてください。

尊敬語は目上の方の行動を表すものなので、目下(同等)の人には尊敬語も使えません。目下の人に対して話をする際には丁寧語を使いましょう。

「○○くん、良かったら私の資料貸しましょうか」
「ペンがないなら貸しますよ」
「昨日○○さんにCDを貸しました」

「貸す」の別の敬語表現例

「貸す」の別の言葉で表すなら「貸し出し」や「貸与」などが類語として挙げられます。これらを敬語で表現する場合も、上述した敬語の「型」に当てはめてみると分かりやすいです。

「貸し出し」の尊敬語は「貸し出しなさる」です。「なさる」は「する」の尊敬語なので「貸し出しする」を尊敬語表現して「貸し出しなさる」になります。

謙譲語だと、「する」の謙譲語が「いたす」になるので、「貸し出しいたす(いたします)」と表現することができます。丁寧語は「貸し出しします」です。

「貸与」の敬語表現も同じように「貸与する」で考えて、尊敬語は「貸与なさる」、謙譲語は「貸与いたす(いたします)」、丁寧語は「貸与します」です。

このように、「貸す」の敬語表現は「貸し出し」や「貸与」などの類語を使って別の敬語表現をすることが可能です。

「貸す」と「渡す」の敬語の違いは?

「貸す」も「渡す」も、人から人へ物が移っているので、似たような言葉だと感じるでしょう。しかし、根本的に意味が異なりますので、混同しないよう注意してください。

「貸す」は、返却されることを前提として、相手に物が渡ってる状態です。なので、所有権は自分にあるということです。

一方、「渡す」は、物が自分から他方へ移り渡るという意味です。返ってきても返ってこなくてもどちらでも構わない状態の時に使われます。したがって所有権は自分でも相手でも問題ありません。

このように、「貸す」はいずれは自分の元へ返ってくる場合に使われる言葉で、「渡す」は返却されようがされまいが、相手に物が移った場合に使われる言葉になります。この違いをしっかり認識しておきましょう。

正しい敬語を正しく使い分けよう!

この記事の内容をまとめますと、目上の方の動作だと「お貸しになる」、目上の人に対して自分の行動を述べる場合は「お貸しする」、目下の人に対して述べるなら「貸します」になります。

使い方のポイントとしては、「伝え先の人」と「貸す行為した人」を比べてみて、「伝え先の人」を一番に立てる場合には謙譲語の「お貸しする」、「貸す行為をした人」を一番に立てる場合は尊敬語の「お貸しになる」を用います。

正しい敬語が使える人は、周りからの印象も良くなり、仕事や人付き合いが円滑に回ります。普段から正しい敬語を意識して使い、ぜひスキルアップを目指してください。

初回公開日:2018年04月12日

記載されている内容は2018年04月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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