「とのことです」の敬語表現・とのことですの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年07月09日
「らしい」も「みたい」に近い言葉です。「らしい」には、事情や相手の気持ちなどを推測して、遠回しに伝えるという意味があります。そのため、「折り返しお電話がほしいらしいです」という一文は、「折り返しお電話をほしがっていると思います」に近いニュアンスになってしまいます。敬語「とのことです」と同じようには使えないので注意してください。
ようです
「ようだ」という言葉も、不確かなことがらを伝える意味があります。ただし、「みたいです」や「らしいです」よりは比較的ビジネス向きな言葉なので、どうしても不確かなことがらを伝えなければいけない場合は、「ようです」という敬語表現を使用するのが無難です。
「とのことです」の過去の敬語表現
たとえば、加藤工業の加藤様から営業の竹内さんに、「次回の打ち合わせ日時を確認したい」という内容の電話があった場合、伝言メモでの文章は次のようになります。
「竹内さんへ 加藤工業の加藤様からお電話がありました。次回の打ち合わせ日時について確認したいとのことです。」
過去に聞いた内容を伝えるのに、どうして「です」で終わる敬語表現をするのかというと、「とのこと」という言葉自体に、過去のできごとを表す意味が含まれているためです。そのため、伝聞をそのまま伝えるときの伝言メモには、「とのことです」という敬語表現を使用します。
とのことでした
過去のニュアンスが含まれる「とのことです」とい言葉ですが、「とのことでした」と過去形にして使用する場合もあります。それは、伝聞の内容に、その後動きや変更があった場合です。
たとえば、「竹内さんへ 加藤工業の加藤様からお電話がありました。次回の打ち合わせ日時を確認したいとのことでしたので、3月12日13:00と回答しました。」この文章では、加藤様から問い合わせの電話があったあとに、回答をしています。このような場合、伝聞は「とのことです」よりも「とのことでした」という敬語表現で伝える方が適切です。
「とのことでした」の使用例
とのことでしたが
「~という話を聞いたが、~した。」という意味の敬語表現です。
・電話では、宅急便は10時に来るとのことでしたが、実際には30分早く来ました。
・昨日の電話では、10時に駅前で待ち合わせとのことでしたが、10時半になっても彼は現れませんでした。
・田中課長 10時に、XX銀行の田中様が来社されました。担当者が変わったのであいさつ回りをしているとのことでしたが、アポなしだったため今日はすぐ帰られました。また改めて来社されるとのことです。
・田中部長から連絡があり、今日の懇親会に参加できなくなってしまったとのことでしたが、田中部長の希望もあり、懇親会は予定どおりおこなうことに決まりました。
・XX商品の価格について、A商事に問合せたところ税抜き500円とのことでしたが、購入個数によっては値引きも可能とのことです。
とのことでしたので
「~という話を聞いたので、~した。」という意味の敬語表現です。
・在庫の問い合わせをしていたクローゼットは在庫切れとのことでしたので、他の家具屋で似た商品を探すことにしました。
・天気予報によると、明日はくもりとのことでしたので、バーベキューは予定どおりおこないましょう。
・田中課長から連絡があり、今日の懇親会に参加できなくなったとのことでしたので、懇親会の日時を2週間後に変更しました。
・加藤工業の加藤様からお電話がありました。田中さんの連絡先が知りたいとのことでしたので、田中さんの携帯番号をお教えしました。
・加藤工業の加藤様からお電話がありました。急用ができ、本日の打ち合わせに参加できなくなったとのことでしたので、XX亭の予約はキャンセルしました。
「とのことです」でスマートに伝言を伝えよう
「とのことです」という敬語を使えば、伝言を簡潔に人に伝えることができます。「とのことです」は、伝言メモはもちろん、口頭やメールでも使うことができる言葉なので、意味をしっかり覚えておいてください。「とのことです」を使いこなして、スマートに伝言を伝えましょう。
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初回公開日:2018年02月23日
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