「知らなかった」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年07月05日
敬語表現「知らなかった」の種類とは?
多くの人は、毎日どこかで「敬語表現」を使っているのではないでしょうか。しかし、「敬語」を毎日使っていても「敬語表現の種類」を聞かれると忘れてしまっている人も少なくありません。
そこで敬語表現「知らなかった」について紹介する前に、「敬語にはどのような種類があるのか」を少し再確認しておきましょう。
敬語は大きく分けると
・【丁寧語】「です」「ます」「ございます」などの丁寧な言い方
・【謙譲語】自分をへりくだてる言い方
・【尊敬語】目上の人を立てる言い方
この3つの種類があります。
では次に、この3つの敬語表現を使って「知らなかった」をどのように表すのかを、詳しく見ていきましょう。
丁寧語の「知らなかった」とは?
先ほど紹介したように、丁寧語とは「です」「ます」「ございます」をつけた丁寧な言い方のことを言います。したがって「知らなかった」は、丁寧語に言い換えると「知りませんでした」と言うことができます。
「知らなかったです」というフレーズを耳にすることも多いですが、「知らなかったです」は現代語の1つで、「本来の日本語として正しくない」と言われることもあります。「知らなかったです」と使っていた人は、「知りませんでした」を使えるように日頃から意識できると良いでしょう。
また「知らない」も同じように「知らないです」は間違えだという意見も多いので、正しい言い方である「知りません」を使うように意識していきましょう。
尊敬語の「知らなかった」とは?
先ほど紹介したように、尊敬語とは「目上の人を立てる言い方」のことを言います。また「知っている」の尊敬語は「ご存知」となり「知らない」の尊敬語は「ご存知ない」と言い換えることができます。
「ご存知」の使い方は?
それでは「ご存知」の使い方を、例文で少し見ていきましょう。
・○○さんが結婚されたのは、ご存知ですか?
・A社の○○さんをご存知ですか?
・社長は、わたしがお伝えするまで、田中くんが怪我をしたことをご存知ありませんでした。
この使い方は、使い慣れている人も多いのではないでしょうか。
謙譲語の「知らなかった」とは?
先ほど紹介したように「謙譲語」とは、「自分をへりくだてた言い方」のことを言います。
「知っている」を謙譲語に言い換えると「存じる」「存じ上げる」と言うことができます。したがって「知らなかった」の謙譲語は、「存じませんでした」「存じ上げませんでした」となります。
「存じる」「存じ上げる」の違いは?
「謙譲語」は、細かく分けると「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ(丁重語)」の2つの種類に分けられます。この2つはどちらも「自分をへりくだてた言い方」に変わりはないのですが、使い方に違いがあります。ではこの2つは、どのように違うのでしょうか。
「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ(丁重語)」の違いを簡単に言うと
・謙譲語Ⅰは、対象の人に対して自分をへりくだてた言い方
・謙譲語Ⅱ(丁重語)は、伝える相手に対して、自分をへりくだてた言い方
という点が違います。また「存じ上げる」が謙譲語Ⅰにあたり、「存じる」が謙譲語Ⅱにあたります。
では、具合的な使い方を例文と一緒に確認していきましょう。
謙譲語Ⅰ「存じる」の使い方は?
はじめに、謙譲語Ⅰ「存じる」の使い方を例文といっしょに見てみましょう。以下の場面を想像してみてください。
あなたのお客さんにA社の斉藤部長と田中さん(部長の部下)という人がいるとします。(あなたと斉藤部長が、田中さんの話をしていたとします。)
斉藤部長:「この前、うちの田中が転んで、骨折しちゃったんだよ。」
あなた:「田中さんが怪我をされたのは、存じませんでした。」
これは、話し相手である斉藤部長に対して、あなたがへりくだった言い方です。この場面で「田中さんが怪我をされたのは、存じ上げませんでした。」と使ってしまうと、斉藤部長より、部下である田中さんを立ててしまう言い方になります。
謙譲語Ⅱ「存じ上げる」の使い方は?
つぎに、謙譲語Ⅱ「存じ上げる」の使い方を例文といっしょに見ていきましょう。
あなたのお客さんにA社の斉藤部長と田中さん(部長の部下)という人がいるとします。(あなたと田中さんが、斉藤部長の話しをしています。)
田中さん:「この前、うちの部長が転んで、骨折しちゃったんですよ。」
あなた:「斉藤部長が怪我をされたのは、存じ上げませんでした。」
先ほども少し触れましたが、この会話では、田中さんの上司である斉藤部長(対象の人)に対して、あなたがへりくだった言い方です。
「謙譲語Ⅰ・Ⅱ」の使い分けは、とても細かいので、誤って使ってしまったとしても気づかない人もいるでしょう。しかし、これを機会に正しい使い方を例文といっしょに覚えておくでしょう。
初回公開日:2018年02月20日
記載されている内容は2018年02月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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