「ご意見」の使い方と例文・敬語の種類・ご意見の別の敬語表現
更新日:2024年07月05日
「意見」は「考え、知識から導き出した見識」のことを意味しています。「ご意見を伺いたい」は相手の考えや相手の持っている知識から導き出される見識を聞きたい、という意味になります。相手の気持ちを聞きたい時や感想を聞きたい時には「お気持ちを聞かせて欲しい」「所感を伺いたい」などの言葉を使います。
「意見」を聞くことが好ましいのは「改善案を求める場面」「相手の独自の考えを聞きたい場面」などです。
改善案を求める場面
「現行のシステムよりも良い方法があるのではないか。何か考えがある人はいないか」などの場合は「ご意見はありませんか」という形で質問するのが好ましいです。
相手の独自の考えを聞きたい場面
相手を見て「何か考えがありそうだ」と感じて、その考えを聞き出したいという場合も「ご意見を聞かせていただけませんか」などの言葉を使います。
使ってみてどう思ったかを聞きたい場合は「感想」
何かの商品を使ってみてもらって、「改善点はあると思ったか」「以前の製品と比べて使いやすいか」など、相手の知識や経験に照らしたその商品に対する考えを聞きたい、という場合は「ご意見」を聞くのが正しいです。
「楽しめたか」「美味しかったか」「綺麗だと思ったか」など「どう感じたか」を聞きたい場合は「ご感想」を聞きます。
「ご意見」の類語の敬語表現例
「ご意見」は相手に考えを聞こうとする場面で使います。「ご意見」に意味が近い言葉は「ご指摘」「ご質問」「お話し」などです。どれも尊敬語の形の敬語表現で、ご意見と意味は近いですが、それぞれ「ご意見」とは少しずつニュアンスが違います。
ご指摘
「意見」は知識や普段からの思考に基づいた考えのことを意味します。「指摘」は、「指さす」という意味です。「気づいた」というニュアンスの言葉になります。
「もう少し体のラインが綺麗に見えるように布をカットした方が良い」「この資料は数値をグラフに直したほうが分かりやすい。詳しい人が使う資料ではないから説明文も増やしたほうがいい」などのことを言われた場合は「意見」をもらった形になるので「ご意見ありがとうございます」などの返答が適切です。
「これで問題ないけれど、裾がほつれているから直しておくように」「全体としては問題ないけれど、日付が入っていない」などのことを言われた場合は「意見」というよりも「指摘」にあたります。この場合は「ご指摘ありがとうございます」「ご指摘いただきまして恐れ入ります」などの返答をします。
ご質問
「何か聞きたいことはありますか」という意味で「ご意見はございますか」という場合もあります。何かを相手に教えた後などに「聞きたいことはあるか」ということだけを相手に尋ねる場合は「ご質問はございますか」と言った方が意味が伝わりやすいです。
お話し
意見、感想などを含めて相手と話し合う時間を取りたい、という場合は「ご意見をお伺いしたい」ではなく、「お話しさせていただきたい」というような敬語を使うことが多いです。
「新しいシステムについて、一度お話しさせていただけたらと思っています」「今お任せいただいている仕事について、一度お話しする時間をとっていただけないでしょうか」などの使い方をします。
「ご意見」と「お気持ち」の違い
「ご意見」と「お気持ち」はどちらも尊敬語の形の敬語です。「ご意見をいただきたい」と「お気持ちを聞かせていただきたい」は相手に聞きたいことがある時によく使う敬語表現です。しかし、ニュアンスは大きく違います。
「ご意見」は相手の考えを聞くときに使う言葉です。「お気持ち」はそのまま相手の気持ちを聞くときに使います。
エンジニアに「今のシステムについてご意見を伺いたい」と聞いた場合は、前のシステムからどのように改善されたのか、や、今のシステムの良い部分、脆弱性などについてエンジニアとしての知識に基づいた意見を聞いていることになります。「今のシステムについてお気持ちを聞かせて欲しい」と聞いた場合は、頑張って作ったものだから気に入っている、などの感想を聞いていることになります。
初回公開日:2018年02月15日
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