「お電話番号」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年09月30日
敬語「お電話番号」の意味
「電話番号」と「お電話番号」は同じ意味の言葉に見えますが、実は意味が違う言葉です。「電話番号」は、自分・相手・第三者、どの人の電話番号にも当然使える言葉ですが、「お電話番号」となると使える相手が限定されます。
「お電話番号」の「お」は、漢字で書くと漢字で書くと「御」です。「御」には、相手の所有物やおこないに対して敬意を払う意味があります。つまり「お電話番号」とは、「相手の」電話番号を敬意をもって表現した敬語表現です。
敬語「お電話番号」の使い方
敬語の種類
「お電話番号」の敬語の種類は、尊敬語です。尊敬語には、相手の所有物やおこないに対して敬意を払う意味があります。
そのため、「相手の」電話番号に対しては「お電話番号」という敬語表現を使うことができますが、「自分の」電話番号については、「お電話番号」という敬語表現を使うことができません。
使い方
「お電話番号」という敬語表現は、ビジネスのさまざまな場面で使う機会があります。特に営業職やデスクワーカーは、日頃意識せずに「お電話番号」という敬語表現を使うこともあるでしょう。
「お電話番号」は、口頭でも文書でも使うことのできる敬語表現です。字面のとおり、電話番号を指す言葉ですが、尊敬語である「お電話番号」は「相手の電話番号」を表現するときにしか使えません。「私のお電話番号は~」のように、自分の電話番号に対しては使うことができないため注意してください。
敬語「お電話番号」の使い方のOK例・NG例
「お電話番号」は、ビジネスシーンで頻繁に登場する敬語表現です。しかし、日常的によく使われる「お電話番号」という敬語表現にも、間違えやすい言葉遣いがあります。
これから、「お電話番号」という敬語表現を使った例文を、OK例・NG例別にご紹介します。例文を参考に、自分の敬語表現が合っているかを確認してみてください。
NG例
お電話番号を「頂戴いただけますか」
「お電話番号を頂戴いただけますか」という文章は、とていねいな敬語表現のようにも見えます。しかし、「頂戴いただけますか」は、敬語表現以前に文章として間違っているため、決して使ってはいけません。
「頂戴いただく」の「頂戴」と「いただく」は、どちらも「もらう」という意味の謙譲語(へりくだった敬語表現)です。つまり、平たく言うと「もらうもらう」という意味になってしまい、「頭痛が痛い」のように同じ意味の言葉が2度続く表現になっています。
お電話番号を「頂戴できますか」
「お電話番号を頂戴できますか」という敬語表現には、「もらう」という意味の謙譲語はひとつしか入っていません。そのため、文法上は正しい敬語表現といえます。
しかし、「お電話番号を頂戴できますか」の敬語表現をやめると、「お電話番号をもらえますか」になってしまいます。電話番号はあげたりもらったりするものではないので、「お電話番号を頂戴できますか」という敬語表現を使うのは適当ではありません。
お電話番号を「お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」
「電話番号を教えてください」という意味の文章にしては、やけに長いと感じる人もいるでしょう。「お電話番号をお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」という表現はていねいに見えますが、長すぎて使い辛いうえ、敬語としてもくどすぎます。
「お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」という文章の言葉ひとつひとつを見ると、「伺う」は謙譲語、「お+~する」も謙譲語、「させていただく」も謙譲語です。ひとつの文章の中に謙譲語が3つもあるというのは不自然です。また、話の主旨も分かり辛くなってしまうため、「お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」という敬語表現は使わないようにしましょう。
OK例
初回公開日:2018年02月19日
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