敬語「お疲れ様でございます」の使い方とは?例文や言い換え表現も解説
更新日:2024年11月10日
午前中には使わない
「お疲れ様でございます」は、前項で触れたように「疲れているであろう相手をねぎらう」敬語であるため、まだ疲れていない朝、午前中からは使わない方が良い、というわけです。
失礼とまではなりませんが、午前中までは「おはようございます」を使う方が良いとされます。
そこまで気にせず、習慣で「お疲れ様です」「お疲れ様でございます」を使ってしまう人が多いと思いますが、こういったことまで気を配るようにすると、できる人という印象を与えることができます。
ビジネスシーンでは社外には使わない
取引先などの社外に対し「お疲れ様でございます」という敬語を使うことはありません。「ねぎらう」という行為は身内にするものであり、社外の人に対して行うのは失礼にあたるという理由からです。
では、代わりにどんな敬語を使えばよいのでしょうか。
それは「お世話になっております」です。電話や、訪問する際でも感謝の意もこめた一言として使うことができます。
葬儀の場面では使わない
葬儀などで「お疲れさまでございます」を使用することは避けられています。
そもそも労働をしている場ではないから当然です。まずは仏教の場合でしたら「ご愁傷様です」とお声がけしましょう。
気遣いの言葉をかけるのであれば、「あまりご無理をされてお疲れが出ませんように」などの声かけが適切です。
二重敬語ではない
「お疲れ様でございます」という言葉が、二重敬語になるのでは、という意見があります。
結論から言いますと、二重敬語ではありません。
「お疲れ様でございます」は、「お疲れ」という名詞+助詞「で」+「ございます」、という丁寧語の組み合わせです。
「ございます」は丁寧語の「です」をより丁寧にしたものであり、二重敬語ではないということになります。
「お疲れ様でございます」の言い換え表現
「お疲れ様でございます」の使い方、使うときの注意点をみてきました。
次に、「お疲れ様でございます」の代わりに使える敬語を考えてみましょう。時と場合によって変わりますが、以下のような言葉が考えられます。
「おはようございます」
前項で触れたように、午前中、特に朝一番でメールを送るといった場合、何も考えず「お疲れ様です」や「お疲れ様でございます」から打ち始めている方は多いのではないでしょうか。
社内の人にメールを送る場合「お疲れ様です」や「お疲れ様でございます」は一種のテンプレートになっており、間違っているとか、失礼にあたるということではありません。
午前中という時間帯は、仕事を開始して間もないのでまだ疲れてはいないだろう、ということで朝の挨拶である「おはようございます」を使うのが自然です。
メールにおいてはもちろん、実際に会ってあいさつする場合でも同様です。
「ご足労おかけしました」
「ご足労おかけしました」は、「わざわざ時間をかけて来ていただきありがとうございました」という意味です。足を運んでくれたことに感謝の気持ちを表す敬語表現です。
社内で使うのであれば「お疲れ様でした」や「お疲れ様でございました」とするところですが、社外の人にいたわりの気持ちを伝えたい時に使える表現です。
いわゆる「クッション言葉」(円滑にコミュニケーションを進めるために使われる言葉)の一つとして、主にメールや電話において使われます。
顧客など社外の人にも使える敬語で、相手に出向いてもらった場合などは、後日「先日はご足労おかけしました」のような言葉を添えてお礼のメールをするとよいでしょう。
「お帰りなさいませ」
上司が出先から帰ってきたとき、「お帰りなさいませ」というのは正しい敬語なのでしょうか?
「お帰りなさいませ」は、「お帰りなさい」に「ませ」という語句を丁寧に、また上品にするはたらきがある言葉を組み合わせたもので、「お帰りなさい」を丁寧に表現したものとなります。
したがって、上司など目上の人に「お帰りなさいませ」と言うのは間違いではありません。
その上司との関係性にもよりますが、「お帰りなさいませ」に続けて「お疲れ様でございます」と言ってもよいでしょう。
「お世話様です」
「お世話様です」という言い回しは、「面倒を見てもらい、お世話になってありがとうございます」という意味で使われます。
良く似た言葉に「お世話になっております」がありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
「お世話様です」は、お世話してくれた人に対してお礼をする言葉ではあるのですが、実は敬語ではないので、ビジネス上で使うのは避けます。
「お世話」に「様」「です」をつけ丁寧な表現にはしているのですが、尊敬の意味は込められていないからです。ビジネスシーンでは基本的に敬語である「お世話になっております」を使います。
「お世話様です」は、例えば荷物を配達してくれる業者の人や、部下や同僚など、フランクな関係の人に「ありがとう」の意味もある挨拶をする場面で使います。
「お疲れ様です。お世話様です」と続けて言うパターンもあります。
「失礼いたします」
初回公開日:2018年03月04日
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