「忘れる」の敬語表現の例文4つ・相手別の使い方|失念とは
更新日:2024年07月26日
「忘れる」は敬語表現できるのか
「忘れる」という言葉は、日常生活の中で私たちが普通に使っている言葉です。ビジネスシーンでもよく使われますから、「忘れる」の敬語表現も心得ておくべきです。あなたは普段、「忘れる」の敬語表現、うまく使えていますか。
「忘れる」の敬語表現はビジネスでもよく使われる
「忘れる」という言葉は、ビジネスでも頻繁に登場します。ビジネスシーンで使う限りは、単に「忘れる」「忘れた」の表現では済まされません。上司や取引先の人には、敬語を使う必要があります。
言葉には、尊敬語、謙譲語、丁寧語といった敬語がありますが、「忘れる」も例外ではありません。「お忘れになる」「失念する」「忘れました」と、ビジネスシーンでは、話す相手に合わせて、「忘れる」の敬語表現が頻繁に使われます。
「忘れる」の敬語表現の例文4つ
「忘れる」の敬語表現は、大きく分けると3パターンあります。丁寧語として「忘れます」、尊敬語として「お忘れになる」、謙譲語として「失念する」の3種類があり、ビジネスシーでもよく使われます。以下、「忘れる」の敬語表現をどのように用いるのか、具体例を挙げて説明していきましょう。
敬語1:失念しておりました
「失念」とは「忘れる」の謙譲語です。自分を下げることによって相手を敬う気持ちを表現できる言葉ですから、「失念」を使うと真摯な気持ちが伝わりやすくなります。
例えば、上司から依頼された資料を準備し忘れていたとき、「失念しておりました。申し訳ございません」などと言います。「忘れていました」よりもフォーマルで、申し訳なさが相手により伝わります。「失念」は、社会人なら絶対に使い方を心得ておきたい言葉です。
敬語2:失念してしまいまして
例えば、取引先とのミーティングの日時や場所をメモした紙をうっかり紛失し、詳細がわからなくなってしまったときは、相手に再確認する必要があります。このようなとき、「失念してしまいまして」の表現を使うといいでしょう。
「明日のお打ち合わせの場所を失念してしまいまして、申し訳ございませんが、もう一度ご確認させていただいてよろしいでしょうか」などと言います。
敬語3:お忘れになる
「お忘れになる」は「忘れる」の尊敬語ですから、「忘れる」行動を取ってしまったのが自分より目上の人の場合に使います。例えば、上司が書類の準備を忘れていたようなとき、そのことを別の人に伝えるのに、「部長が書類の準備をお忘れになった」といった表現をします。
ただし、同じことを社外の人に伝えるときには、「部長が書類を準備するのを失念しておりました」などと謙譲語で伝えなくてはなりません。
敬語4:○○しそびれていました
「失念」は、ビジネスではとても便利な言葉です。とはいえ、乱用していると「またか」と信頼を失ってしまいますから、あまりに軽々しく使い過ぎないことも大切です。
「ちょっとし忘れていた」といった局面に遭遇したとき、「失念しておりました」でも構わないのですが、そこまで大したことではないときには、「○○しそびれておりました」と言うのもひとつの手です。「忘れていた」よりポジティブで、相手の心象も違ってきます。
【相手別】「忘れる」の敬語の使い方2つ
「忘れる」に限らず、日本語はひとつの言葉に尊敬語や謙譲語などの敬語が存在し、しかも、相手によっても使い方が異なりますから、なかなか厄介です。ここでは、相手別に「忘れる」の敬語の使い方例を紹介します。
相手1:上司
例えば、課長が外出中に課長宛に電話がかかってきて、自分が受けて要件を聞いたとします。ところが課長に報告し忘れていたとき、「申し訳ございません。すっかり失念しておりました」などと言って謝ります。
課長宛の電話を受けたのが部長で、課長への報告を忘れていることを部長に指摘するなら、「お忘れになっていらっしゃいませんか」となりますし、課長にその旨を伝えるなら、部長がお忘れになっていて」といった表現をします。
初回公開日:2018年02月22日
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