「把握お願いします」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年06月26日
自分がどのように思っているかをしっかりと言葉にできなければ相手には伝わりません。伝わらなければ言葉を交わしている意味も無くなってしまいます。勿体ない事になってしまいます。
相手に自分の思っていることを100%伝えることはとても難しい事です。適切な言葉遣いをその場その時で選んでいくだけで人の気持ちは伝わりやすくなります。適切な敬語表現の使いわけを考えて「把握お願いします」を使っていきましょう。
丁寧語
「把握お願いします」を丁寧語で表現する際、どのように相手に伝えれば良いのかを考えていきましょう。丁寧語で相手に伝える際は言葉の初めに「お・ご」を付ける表現でありますが、「把握」という言葉自体「しっかりと理解する」という意味であり、そこに「ご」を付けても「丁寧語表現していれば丁寧語に聞こえるのか」と言うように相手には捉えられてしまう変な言葉の表現にもなります。
「お願いします」はそのまま丁寧語として表現することが可能です。丁寧語で伝える際は「把握お願いします」でも丁寧な言い方であるとは言えます。
尊敬語
「把握お願いします」は丁寧語として敬語ではありますが、尊敬を相手にしているかどうかと問われれば不十分な敬語表現になります。ではどのように敬語表現に直すことができるのでしょうか。尊敬語は相手が主語であるので「ご承知おきください」と言うように「把握」という言葉から選び直して相手に失礼のないように持ち上げるように言い換える必要も出てきます。
「ご確認お願いします」と言うように「把握お願いします」を言いかえる事も相手に知っておいてほしい事柄という事で伝えることができます。相手の力量を下に見るような「もっとしっかり確認してください」というような表現は目上の人に限らずあまり相手には良い思いはされない言葉遣いにもなります。
謙譲語
では謙譲語で「把握お願いします」という言葉はどのように伝えることができるのでしょうか。謙譲語とは相手を持ち上げる言葉遣いではなく、こちら側を謙遜し、下げることで相手の立場が上になることで敬意を示す言葉遣いになります。
「把握お願いします」を謙譲語で表現しますと「把握の程、よろしくお願い申し上げます」と言うようになりますが、「お願いしますからもっと理解してください」と言っているようにも捉え、相手の力量を上げるようにお願いしている様とも捉えることができてしまいます。
「把握お願いします」の別の敬語表現例
ではここで、「把握お願いします」という言葉を用いずに相手に理解を求めるための言葉はどのようなものがあるのかを考えていきましょう。目上の人に対して「しっかり理解してほしい」というような言葉の「把握」は少々失礼に当たり、使う場面もビジネスシーンでは限られやすくなる言葉になります。
言葉のレパートリーを知る事で言葉の引き出しが増え、自分の伝えたい気持ちを相手に伝えやすくもなります。ボキャブラリーを増やし、相手により心を伝えやすくするためにも「把握お願いします」でない他の言葉の敬語表現も考えてみましょう。
「理解の程お願いします」
「把握お願いします」をもっと砕けた言い方に「ご理解の程よろしくお願いします」というような言い方もできます。この場合、相手に「もっと理解してください」や「しっかりと理解してください」というような理解に対しての協調部分はないので相手に労わってほしい場合や知っておいてもらいたい事などがある場合に添えられる言葉にもなります。
目上の方にも「ご理解の程よろしくお願い申し上げます」と言うようにこちらの都合を知ってもらいたい旨を主語に謙譲語として相手に伝えることができます。
「認識お願いします」
「しっかりと理解して頂きたい」と同じような意味合いとして「ご認識の程、よろしくお願いします」というような言い方もできます。この場合、事実的な何かがある事を前提に、相手に踏まえてほしいという旨を伝える意味合いが大きい言葉にもなります。意味まで知らなくても良いですが、その物事がある事の存在を知るという事が「認知」という言葉の意味に当たります。
言葉は似ていますがどの範囲まで知る事なのかが変わってきますので使い分けは必要になってきます。「認識しております」と言った表現であれば「認知」程度の意味合いとして捉われますが、「認識を深める」と言った表現では「把握」と同じような意味合いとして使われます。
「確認」「承知」
「把握」が「しっかりと理解する」という意味であれば「確認」もまた「しっかりと物事を確かめる」といった点で似ている部分にもなります。先程少し触れましたが、「しっかりと理解してほしい」という意味合いで相手に伝わってしまう「把握お願いします」という言葉の代わりに「しっかりと確かめてほしい」という「確認お願いします」では少しニュアンスも異なってきます。
第三者に対しての事柄の際に「把握」ではなく「確認」とする場合が多く、目上の方に対して第三者を挟まない理解してほしい事柄に対しては「承知」を用いて相手に理解を要求することが大切になってくることでしょう。
「把握お願いします」を適切に伝えよう
いかがでしたでしょうか。相手に物事を知ってもらいたいものがある場合、「把握お願いします」という言葉では捉われ方によっては失礼に当たってしまうリスクがあることが理解いただけた事でしょう。
しかし言葉遣いとしては間違った表現ではありません。相手に適切な意味をしっかりと伝えるためにはやはり言葉の使い分けは大切となってきます。不快な思いを相手にさせないためにも言葉の表現にも気をつけて言葉を選んでいけるようにしましょう。
初回公開日:2018年03月28日
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