「聞いてくれてありがとう」の敬語表現・使い方・別の敬語表現例
更新日:2024年07月15日
メールでの使い方
目上の方や上司に話を聞いてもらい、後ほどメールで「聞いてくれてありがとう」とお礼を伝える場合の敬語表現はどのようなものがあるのでしょうか。
口語ではそのまま「お聞きくださりありがとうございます」や「お聞きいただきありがとうございました」でも通用しますが、メールであれば聞いてもらった内容を入れるとより相手に伝わりやすいです。
「この間は私の悩みを親身に聞いてくださりありがとうございました」「先日は私の企画案をお聞きいただき心より感謝申し上げます」など何について聞いてもらったのかを具体的に述べることで、何に対して「聞いてくれてありがとう」と言っているのかが明確になり、より感謝の気持ちが相手に伝わりやすいです。
「聞いてくれてありがとう」を敬語で使うときの例文
「聞いてくれてありがとう」と敬語で伝えるときの状況として口語で伝える場合や、ビジネスやメールで使うときの例文を紹介しましたが、ビジネスのプレゼンでは「聞いてくれてありがとう」はどのような敬語表現がふさわしいのでしょうか。
プレゼン
仕事でプレゼンをする機会があるとき、内容を発表した後に聞いてくれた人達に対して「聞いてくれてありがとう」とお礼を伝えて締めくくることが多いですが、「聞いてくれてありがとう」の敬語である「お聞きくださりありがとうございます」や「お聞きいただきありがとうございました」よりも適した表現があります。
聞いてくれたことに対して敬意を表す表現の「ご清聴ありがとうございました」を使うことが多いです。
せっかくプレゼンでいい内容を発表しても最後の表現を間違うとその場の空気が悪くなりかねないので、締めくくりのあいさつとして「ご清聴ありがとうございました」のフレーズは覚えておきましょう。
「聞いてくれてありがとう」の別の敬語は?
プレゼンのときにも登場した「ご清聴ありがとうございました」は「聞いてくれてありがとう」と同じ意味を表します。
「ご清聴」と「ご静聴」は「ごせいちょう」と同じ読み方なのですが、意味が全く違うのでその違いをしっかり理解しておきましょう。
ご清聴
「ご清聴」とは他人が自分の話を聞いてくれたことを敬っていう表現になります。私の話をきいてくれて感謝しますという相手に敬意を払った表現になり「聞いてくれてありがとう」の敬語に当たります。
「ご清聴ありがとうございました」は日常的には使いませんが、主にプレゼンや研究の発表、結婚式のスピーチなどの締めの言葉として用います。
ご静聴
「ご静聴」とは読んで字のごとく話を静かに聞くことを意味します。「ご清聴」と間違いやすいので意味をきちんと理解しておきましょう。
「聞いてくれてありがとう」という意味の敬語で「ご静聴ありがとうございます」と使った場合は「私の話を静かに聞いてくれてありがとう」と相手に対して偉そうな印象を与えかねませんし適切ではないです。
またプレゼンが始まる際に、ザワザワした開場で「ご静聴願います」と言うのは、静かにして話を聞く姿勢を取ってくださいという意味になるのでプレゼンを発表する当事者が使う言い回しではありません。
プレゼン発表者ではなく司会者や進行役がこの表現を使います。プレゼンする本人が「ご静聴願います」と伝えると、私の話を静かに聞いてくださいという失礼にもなりかねない印象を与えるので気をつけましょう。
拝聴の使い方
「ご清聴」や「ご静聴」とくれば「拝聴」という「聴く」という漢字が入った言葉があります。「拝聴」の「拝」という漢字にはその漢字そのものが相手に敬意を払った意味を含んでいるので「ありがたく聞く」「謹んで聞く」という「聞く」の敬語である謙譲語になります。
「聞いてくれてありがとう」を敬語で表そうとして「拝聴いただきありがとうございます」と誤って使うと、本来自分がへりくだる謙譲語を相手に対して使用していることになるので誤った敬語表現になり失礼に当たります。
さらに丁寧に伝えようとして「拝聴させていただく」と表現するのも間違った言い回しになります。「拝聴」は聞くの謙譲語であり「させていただく」は「もらう」の謙譲語なので、二重敬語に当たります。また「ご拝聴」と「ご」を頭に付けるのことも二重敬語になるので誤りです。
初回公開日:2018年03月08日
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