「譲る」の敬語表現・譲るの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年10月02日
「譲る」の意味や類語
日常生活において誰かに何かを譲ってもらえたり、逆に自分の何かを譲る経験をすることは誰にでもあり得ることです。その譲るという行動を敬語で表現するときはどう表すのか皆さまはご存知ですか。今回はこの「譲る」という言葉の意味や類語、敬語表現方法について考えます。
まず「譲る」とは「ゆずる」と読み、「自分の物・権利・地位などを他人に与える。譲渡する」「他人優先にする」「自分の主張を抑え、他人の主張を通させる」「欲しい人に物を売る」といったさまざまな意味があります。類語として譲渡・手放す・引き渡す・明け渡す・受け渡すなどがあります。どの言葉も自分ではなく他人優先にする意味があります。
「譲る」の敬語表現
意味や類語がわかったところで早速敬語表現について考えていきましょう。「譲る」というのは人の行動を表す言葉です。それは自分に限られたことではなく、相手の行動に対しても使うことができます。
ではどのようにして自分や相手の行動を敬語として使い分けることができるのでしょうか。間違った認識をしてしまわないように、まずは敬語の種類やそれらの定義などを見直していきましょう。しっかり見直しをすることで、他の言葉の敬語表現にも役立てるはずですのでこれを機にしっかり覚えましょう。
尊敬語
敬語は大きく分けて3種類あります。誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「尊敬語」は3つの内のひとつです。尊敬語の表現方法はとてもわかりやすく、相手の言葉や行動を高めて述べることで敬意を示すことができます。相手の行動を示す形式として「お・ご~になる」というものがあります。
例えば「見る」の尊敬語は「ご覧になる」、「(服を)着る」は「お召しになる」というように、言葉そのものが変化するものもあります。
「譲る」の場合は「お譲りになる」という形になります。この表現を使う場合は目上の方が自分以外の誰かに事物を譲っているシーンに限ります。自分に対して譲ってもらった場合は尊敬語を用いるべきではありません。
謙譲語
次に謙譲語についてです。先ほどの尊敬語とは逆に、相手ではなく自分や自分の身内・組織について述べる敬語です。自分側の言動をへりくだって言うことで相手を必然的に高め、敬意を示すという表現方法です。尊敬語の使い方と逆に覚えてしまわないよう気を付けましょう。
例として「見る」は「拝見する」、「聞く」は「伺う」などこちらも言葉そのものを変化させて伝えることが多いです。「譲る」の謙譲語は「お譲りします」で結構でしょう。そのままで十分へりくだった表現となっています。
丁寧語
最後の3つ目は丁寧語です。物事に対して丁寧な言葉遣いで表現することで成り立つ敬語です。これは上記の2つと違い、敬意を示す相手の存在は問われません。敬語の中ではカジュアルな表現ですので、同じ目線相手や目下の人には使うことはできますが、目上の人には使わないように気を付けましょう。失礼に当たってしまう場合がありますので注意が必要です。
丁寧語の定義としては、文末に「~です」「~ます」とつけることです。ですので「譲る」の丁寧語表現は「譲ります」が正しいことが言えます。
「譲る」の敬語での使い方
敬語の種類や意味、定義などのおさらいをしましたがお分かりいただけましたでしょうか。それらを理解したうえで次に「譲る」の敬語での使い方について考えていきます。敬語の意味をしっかり理解していれば難しいことではありませんし、使い分けも自然と身についていきます。実際のビジネスシーンでも活用できるよう一緒に考えていきましょう。
敬語の種類
まずは敬語の種類を簡単にまとめましょう。敬語は大きく3つの種類に分けることができます。1つ目は相手の言動を高めて述べることで、その相手に敬意を示すことのできる尊敬語です。2つ目は自分や自分の組織・身内をへりくだって言い、相手を必然的に高め敬意を示すことのできる謙譲語。そして3つ目が物事を丁寧に述べることだけで成り立つ丁寧語です。
これら3つの敬語については覚えていて損はありません。というよりも、これらを覚えておけば他の言葉を表現する際に困惑することはなく、実際のビジネスシーンに役立つはずです。今社会人の方も、これから社会に出るという方もぜひ忘れないようにしてください。
使い方
今回のテーマである「譲る」という言葉は、先ほども述べましたが自分の行動に対してだけでなく相手の行動に対しても使うことのできる言葉です。
尊敬語では「お譲りになる」と相手の行動について、謙譲語では「お譲りします」と自分の行動について、丁寧語では謙譲語と同じように「お譲りします」と自分の行動について表せます。また丁寧語に限っては「譲っています」といった表現をすると第三者の行動についても使うことができます。
状況やそれを伝える相手と自分の立場・関係性を考えればどのような敬語を使うべきかわかるはずですので、うまく使い分けられるように慣れるまでは意識しましょう。
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初回公開日:2018年03月04日
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