「おやつ」の敬語表現・おやつの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年09月29日
「おやつ」の敬語表現は?
仕事や家事で一息ついたときのリフレッシュに、また、小学校から帰ってきた子供たちの楽しみは、夕飯までの空腹を満たす間食の「おやつ」ではないでしょうか。
「おやつ」は、午後の3時ごろにお茶を飲みながらお菓子を食べたり、一休みしたり、寛いだりする特に欠かせないものです。
特に、上司などの上下関係で常に配慮と緊張を強いられるストレスが溜まりやすい職場では、一息ついたときに「おやつ」をとる習慣は、とても貴重な息抜きの時間です。
「おやつ」という言葉には、同じような意味で違う言い方がいくつかありますが、敬語表現では「お三時(おさんじ)」といいます。
「おやつ」に比べたら、「お三時」という言葉はあまり耳にしたことがない方のほうが多いでしょう。今回は、「おやつ」の敬語表現での使い方や、別の表現での例などをご紹介します。
「おやつ」の元は「中食」だった
昔は、1日の食事は朝食と夕食の2回だけで、「おやつ」の習慣というのは、浸透していませんでした。今よりも山や森、川などが身近で、自然に根差した生活では日が暮れるのが早く、仕事を切り上げるしかありません。
当然働く時間も短くなります。電気のない時代では、灯かりは植物の油が燃料のとても貴重なものでした。そのような状況で早々に休むしかなく、食事も朝と夕方の2回で足りていたのでしょう。
そうはいっても、畑や田んぼの農作業は肉体労働で、農民には2食はきついものがありました。今の時間にして午後2時を回ったころに、現在の「おやつ」にあたる中食(ちゅうじき)や間食(かんじき)、小昼(こひる、こびると言う地域もある)という軽い食事を摂って一息入れていました。
「おやつ」の由来
「未の八つ」は今の午後2時に当たり、この時刻、お寺で修行をしていた僧に修行を始めるよと太鼓を敲いて音で知らせていました。
丁寧語を添えて「御八つの太鼓」と呼んでいたお寺の習慣を取り入れて、「八つどき」を「おやつ」と一般の人々が呼ぶようになりました。現代では、午前10時と午後3時が「おやつ」の時間とされるようになりました。
「おやつ」の敬語での使い方は?
「おやつ」の敬語表現は「お三時(おさんじ)」です。たとえばビジネスで、営業で取引先などを訪問した際に、ちょうど3時のおやつの時間だったら、ちょっとしたお菓子がお茶と一緒に出てくることもあるでしょう。
応対している先方の上司の人が、「お三時ですのでどうぞお召し上がりください」などと勧めます。自社を訪問して来たお客様や、年齢や立場が上の相手に、尊敬語を交えて丁寧語である敬語「お三時」を使います。
敬語の種類
敬語とは、会話の相手や、手紙などで話題にしている人物に対して話し手、または書き手が敬意(相手に配慮した丁寧な気持ち)を表した言葉の表現です。
敬意とは、相手が自分より職業的立場や年齢などが上の人物を、丁重に扱うなどし、接する言葉遣いや態度に尊敬の気持ちを表わすことです。敬語表現は通常、尊敬語、謙譲語、丁寧語に分類されます。
おやつの敬語表現「お三時」は、好ましく品のいい印象を与える、美しい表現の丁寧語にあたります。
尊敬語
「尊敬語」は、会話の相手や、第三者と話題にしている人物に対する敬いの気持ちを表わすために、相手、またはその人の言動、関係する物などを言うときの敬語表現です。
「お帰りになる」「おっしゃる」「おいでになる」などの敬語動詞や、敬意表現として加える接頭語「お」「ご」「み」「おん」(お休み、お料理、お電話、ご主人様)、助動詞「れる」「られる」、補助動詞「お~になる」で、「お書きになる」「来られる」「お話になられる」「お休みになる」などです。
謙譲語
「謙譲語」は、直接会話をしている相手や、第三者と会話や手紙などの中で話題にする人物に対して、敬意の表れとして、その人に何かしらの関係がある自分の言動や自分側の物事を謙遜して表現する敬語をいいます。
謙遜とは、自分の地位や身分などの立場を低く下げて、相手に対して失礼などないように言葉遣いや態度を差し控えることをいいます。
「申し上げる」「いただく」などや、補助動詞「お~する」の「お持ちします」「お預かりします」などです。
丁寧語
会話などの聞く側に対する敬いの気持ちから、丁寧に言う敬語をいいます。「ます」「です」などの文末に言う助動詞、「帰ります」・「出かけます」・「知っています」・「僕です」などや、古語の補助動詞「侍り」などです。
また他には、単語に「お」や「ご」を添えて品よく美しい、心の込めた表現での言葉をいい、「お三時」・「お花」・「お水」・「ご希望」・「ご自宅」などです。
使い方
「おやつ」や「お三時」の表現を使用する場面は色々あります。たとえば、赴任先の新しい職場でお世話になる部長夫婦の家に、新しい土地での生活をスタートさせた夫婦が招かれたとします。
職場の上司夫婦の家に招待されて、地方独特の方言や風習、観光名所などを教えてもらい、会話が弾んでいる最中にちょうど午後も3時を回り、部長婦人が気を利かせてその土地の郷土菓子などを新しいお茶と共に運んできます。
「お三時をどうぞお召し上がりください」、「お三時にいたしましょう。お口に合うかわかりませんが、これはここの(この地域の)郷土菓子で」、「お三時の時間なのでお菓子をどうぞ」などと勧められるでしょう。
それに対して部下夫婦は「ありがとうございます。頂きます(頂戴します)」と感謝の言葉を述べてから「おやつ」を食べます。
初回公開日:2018年02月27日
記載されている内容は2018年02月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。