「おりません」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年08月12日
「おりません」の意味は?
来客に向かって「今いないんです」と言うのは誤りです。「出掛けちゃってるみたいで本人いないんですけど」も通用しません。「今、いらっしゃらないんです」では謙譲語ではなく、尊敬語が用いられています。「おりません」は「いません」の敬語表現です。
「いません」の敬語表現
仕事の場で「いません」は不適切です。「いません」に限った話ではありませんが、ビジネスシーンにおいては正しい敬語を使うのがマナーです。
単に「いません」を「おりません」に言い換えるだけでも、随分とイメージは異なります。けれども、意味を理解しないままで使ってしまうとトラブルを招きかねません。
「いない」は不在のシチュエーションでのみ使用されるわけではありません。「~て(で)いない」の形でさまざまな言葉への付属が可能です。「いません」を謙譲語で表現すると「おりません」となります。
バイトでは良しとされていた言葉遣いが、ビジネスでは不可となるケースも少なくありません。ビジネスにおける言葉選びは慎重に行いましょう。
「おりません」と「いらっしゃいません」
敬語表現は「いらっしゃいません」を「おられません」に変換すれば正しいとは限りません。教育現場において「いらっしゃいません」が適切となる場合があります。
教員の使う敬語
学校の先生は、お互いを「○○先生」ではなく、「○○教諭」と呼び合うことがあります。ただし、本人の不在を保護者に伝える際などには適切ではありません。その際は、「○○先生はいらっしゃいません」とするのがマナーです。
学校で重要視されるのがウチとソトの意識、区分です。教員や保護者ではなく、生徒を基準に捉えます。「○○先生はおりません」だと先生をウチ扱いすることとなります。生徒と先生を同じ扱いにするわけにはいかないので「いらっしゃいません」と言います。
どの業界にも暗黙のルールは存在します。会社でも学校でも、敬語を使うのはマナーですが、定義は一律ではありません。郷に入っては郷に従う気持ちで臨むことが大切です。
「おりません」の使い方は?
「おりません」は「いない」の謙譲語です。謙譲語とは敬語の種類です。敬語には尊敬語・謙譲語・丁重語・丁寧語・美化語の5つの種類があります。そのうち2つは謙譲語です。「おりません」は比較的、使用用途の多い敬語表現です。
敬語の謙譲語の種類
敬語の謙譲語の種類の数は2つ、一つ目は謙譲語、二つ目は丁重語です。尊敬語とは違って謙譲語も丁重語も、自分の側の事柄について述べる際に使える敬語表現です。
一つ目の謙譲語は、自分側の行いなどについて述べる際に行いの向い先の人物を立てるため、使うのが一般的です。パターンには「行く」を「伺う」にするなどの置き換え型があります。その他、「お(ご)~する」などの定型パターンの存在する敬語の種類です。
二つ目の謙譲語(丁重語)は、自分側の行いなどを丁重に述べることで聞き手に敬意を払う敬語の種類です。パターンには「行く」を「参る」にするなどの置き換え型があります。その他、「いたす」を付けることでも表現可能です。
使い方は不在の伝達だけじゃない
「おりません」単体だと不在の事実のみが伝わることとなります。その際は「申し訳ございませんが~」などクッション言葉と併用して使うのがおすすめです。また、「いない」ならば、どのように対応すればいいか会話をリードするのも大切です。
「おりません」は、「~て(で)おりません」の形で言葉に付属させる使い方をします。~の部分には自分側の行い(動詞)、例えば「存じて」、「伺って」などが入ります。「いない」の意味は「今、ここ(そこ)にいない」だけではありません。「知っていない」、「聞いていない」などを敬語表現する使い方もあります。
それから、天候などを言うときの「寒い日は続いておりません」などは正しい敬語表現です。丁重語の謙譲語の場合には、第三者や事物への敬語表現としての使い方も可能だからです。
「おりません」の例文は?
「おりませんでした」・「おりませんか」・「おりませんため」・「おりませんでしたら」・「おりません」は言葉を続けられる敬語表現です。そして、各々、意味などは同一ではありません。
初回公開日:2018年04月03日
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