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「おりません」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現

更新日:2024年08月12日

ビジネスでは「不在」を伝えるのに「いません」ではなく、「おりません」を使います。「いらっしゃいません」は尊敬語、「おりません」は謙譲語、どちらも敬語表現です。また、「いません」は不在時以外は「~て(で)いません」などと用いられます。

「取り扱っておりませんため」

例えば「自社では取り扱っておりませんため対応できかねます」と使うことがあります。謙譲語の「おりません」は、丁重語としての使い方だと第三者や事物にも適応させられます。取り扱う物やサービスについて丁重に述べています。

もちろん、お断りの場面や文面においてはクッション言葉を忘れないようにします。「大変恐れ入りますが、自社では取り扱っておりませんため対応できかねます」などです。要は相手を不快に感じさせないのが大切です。

「おりませんため」は使い方を誤ると言い訳に聞こえてしまうので注意が必要です。そして、フォーマルとインフォーマルとで敬語表現を使い分けるのもマナーです。敬語ではない表現を避けるだけではなく、状況に即した敬語表現を心掛けましょう。

「私どもは伺っておりませんでした」

「あなた方はご存知でしたか」との質問に「いいえ、私どもは伺っておりませんでした」と返答することがあります。「伺う」は「聞く」の謙譲語です。「伺う+おりません+でした」で「私たちは聞いて(言付けられて)いなかった」となります。

伺う以外にも、「承っていなかった」、「存じ上げていなかった」などの使い方をします。「おりません」は「いません」の敬語表現です。過去の事実について質問された場合などでは「~していなかった」を「~しておりませんでした」に変換します。

「いません」と「いませんでした」は、適当に選んでよいわけではありません。同じように「おりません」と「おりませんでした」も適切な使い分けが必要です。現在は「おりません」、過去ならば「おりませんでした」が「いない」の敬語表現です。

「おりませんでしたら」などは?

敬語表現には共通認識があります。そして、「おりませんでしたら」は、「~て(で)おりませんでしたら」の形で詫びの言葉に続けることの多い敬語表現です。次に続く言葉を予測できれば対応もスムーズになり得ます。

「届いておりませんでしたら申し訳ございません」は催促メールでよく使われます。目下の人が目上の人にメールの返信を促す際には「こちらの手違い」でなどと付け加えます。ここで重要なのは「手違い」が実在するか、ではなく、相手を不快にさせないことです。

とはいえ、敬語が正しく使えていないとマナーを守れていないこととなります。あまり言いたくない場面などでは、一層丁寧かつ正確な敬語と言葉遣いを心掛けましょう。

「メールアドレスを変更しておりませんか」は?

メールアドレスを「変更しておりませんか」は間違った敬語の使い方です。「おりません」は敬語の謙譲語ですが、ここでは敬語の尊敬語を使用するのが適切です。「変更なさっていませんか」や「変更されていませんか」が、正しい敬語の使い方です。

「いませんか」を謙譲語に変えるのではなく、「する」に着目するのがポイントです。「変更する」の「する」は尊敬語だと「される」や「なさる」と表現できます。また、「いませんか」を尊敬語の「いらっしゃいませんか」に変える必要もありません。

「構築しておりませんか」、「アップグレードしておりませんか」なども誤例です。前に付くのが尊敬語ならば「いません」の敬語表現は「おりません」ではありません。「おりません」は「いません」の謙譲語だからです。

「おりません」の別の敬語表現例は?

「おりません」は単体では不在を意味しますが、別の敬語表現への言い換えが可能です。ビジネスマナーに限られた話ではなく、言葉の引き出しは多いに越したことはありません。

「席を外しております」や「不在でございます」

同じ意味合いを有していても、敬語表現が違えば相手の捉え方は異なります。「おりません」の別の言葉で表現すれば「席を外しております」や「不在でございます」となります。

また、一般的には否定的な言葉遣いよりも、肯定的な言い方の方が快く受け取られます。「おりません」という言葉を避けて会話をするのは容易なことではありませんが、ポジティブなイメージを印象付けたい場合には別の表現を選択する方が賢明です。

しかも、「席を外しております」や「不在でございます」ならば用件が一言で伝わります。「おりません」はビジネスシーンにおいて使い勝手の良い敬語表現です。だからこそ、不在の伝達を肯定的な敬語表現へと置き換えてみるのも良いでしょう。

敬語の「存じる」と「存じ上げる」の違い

似たような敬語表現は何となくではなく、意味を考えて使い分けることが大切です。「存じる」にも「存じ上げる」にも否定形が存在します。「存じておりません」と「存じ上げておりません」です。「上げ」が含まれるだけで意味が異なるので注意が必要です。

「上げる」の意味は「持ち上げる」

「上げ」は「持ち上げ」の上げです。つまり、「立てる」べき対象が存在することを意味します。物やサービスを立てる必要はありませんが、ビジネスでは目上の人は立てて敬うのがマナーです。そして、敬語表現をしっかりと使い分けるのもビジネスマナーです。

例えば相手の会社は物やサービスに該当します。そのため、「存じておりません」を用います。社長のご家族などは人物なので「存じ上げておりません」が正解です。「存じておりません」は物やサービスに、「存じあげておりません」は人に対して用いられる敬語表現です。

これらは使い分けられていない人の多い敬語表現です。ですが、ビジネスの基本的なマナーなのでしっかりと覚えておくと良いでしょう。

敬語を正しく使おう

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初回公開日:2018年04月03日

記載されている内容は2018年04月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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