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「力を入れる」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2023年11月14日

敬語で「力を入れる」を表現する際、普段の会話ではあまり使わない言葉です。謙譲語や尊敬語ではなかなか表現はしないのではないでしょうか。敬語は意識して使用することで身につくことなので、表現の仕方を覚えることから始めてみてましょう。

「力を入れる」を敬語で表現するには

「私は最近、英語の勉強に力を入れています」「A社は若者向けの新製品の開発に力を入れている」など、「力を入れる、力を入れている」という言葉は日常でもよく使われています。会話でも使われますし、ニュースサイトなどで文章の形で目にすることも多い言葉です。

敬語表現の駆使を求められるビジネスシーンでも、この言葉を使うべきシチュエーションはたくさんあることでしょう。しかしながら、「力を入れる」をどう変化させると適切な敬語表現になるのかを考える機会は少ないのではないでしょうか。

ここでは、どんな時にどんな種類の敬語を使うかを改めて確認しながら、「力を入れる」をどう敬語表現するか考えていきましょう。

相手を立てる「尊敬語」

会話の相手が誰であるのか、文の主語が誰であるのか、敬語を正しく使うためには文法はもとよりシチュエーションの把握が肝要です。ビジネスにおいて、目上の人やお客様を相手に話すときに敬語は必須ですが、主語(行動する人)が相手の場合は「尊敬語」を使います。

基本となる動詞に「お~なる」をつける形式、まったく別の言い方になる別語形式、動詞に「れる・られる」をつける形式があります。

「会う」は「お会いになる」、「言う」は「おっしゃる」、「満喫する」は「満喫される」といった具合に変化させることで、相手を立てる敬語表現になります。

自分がへりくだる「謙譲語」

逆に主語(行動する人)が自分の場合は、へりくだった表現をすることで相対的に相手に敬意を表すのが「謙譲語」です。自分だけでなく、自分の身内や持ち物について話すときも「謙譲語」を使います。

「誘う」は「お誘いする」、「言う」は「申し上げる」(別語表現)、そのほか「私ども」の「ども」や「愚息」「小宅」も謙譲語に入るとされています。

以上を踏まえて、「力を入れる」をどう敬語として表現できるか考えていきます。

「力を入れる」の敬語での使い方は?

まず、「力(チカラ)」とは、どんな意味の言葉でしょうか。たった一文字の「力」という言葉に以下のようにたくさんの意味がこめられているとは、あらためて言葉の深みを感じます。「お金の力で」「力が抜ける」「力のある選手」など、ふだん何気なく使っていても、「力」に含まれた意味合いは少しずつ違います。

「力を入れる」の意味は、「一生懸命になって努力する、骨を折る」という意味です。この場合の「力」は「努力・骨折り」の意味を持っているということがわかります。

1.人や動物にもともと備わっている、自ら動き、または他の物を動かす働き。体力。
2.物事をするときに助けとなるもの。助力。
3.ききめ。効果。効力。
4.学問・芸術などの能力。力量。実力。
5.影響力。権力。
6.腕力。暴力。
7.気力。迫力。
8.努力。骨折り。
9.資力。財力。
10.物体の静止あるいは運動している状態に変化を起こさせたり、物体に変形を生じさせたりする作用。

出典: https://dictionary.goo.ne.jp/jn/141231/meaning/m0u/ |

敬語の種類によって「力を入れる」はどう変わる?

尊敬語と謙譲語について前述しましたが、「力を入れる」の尊敬語、謙譲語というのはそれぞれ存在するのでしょうか。「言う」が「おっしゃる」や「申し上げる」になるような別語は「力を入れる」にはありません。

力を入れている人が相手なら尊敬語、自分なら謙譲語を使って表現しますが、具体的な使い方を説明していきます。

「力を入れる」敬語としての使い方

尊敬語と謙譲語のほかにもうひとつ、敬語には「丁寧語」があります。主語が何かに関係なく、物事を丁寧にあるいは美化して表す言葉です。「です」「ます」「お茶」「お弁当」などのように用います。

「力を入れる」を会話や文章で使うとき、丁寧語として使うのはとても簡単です。「○○は○○に力を入れています」と、末尾を「ます」「います」とするだけで、聞き手に敬意を払った敬語として十分です。

尊敬語としての使い方

熱心に努力している相手の動作を「力を入れる」を使って表現するときは尊敬語として使う必要があります。別語表現はありませんので、「お~なる」「~れる・られる」を使ってみましょう。

「力をお入れになる」「力を入れられる」という表現ができます。「力を入れている」の「いる」を変化させて「力を入れておられる」「力を入れていらっしゃる」も適切な言い方です。

「お~なる」をつけるとき、「お力をお入れになる」としてしまうと、間違いとは言い切れませんが少々くどいですし、動詞を尊敬語にできている上に「力」にまで「お」をつけるのは過剰ですので避けたほうがよいでしょう。

謙譲語としての使い方

自分が骨を折って努力していることを相手に伝えるときは謙譲語を使います。別語表現がありませんので「お~する」を使ってみたいところですが、「力をお入れする」では力を注ぐ先に敬意を払っているような印象になりしっくりきません。

ここは「力を入れている」と変化させて、「いる」を謙譲語「おる」に変化させて末尾を丁寧語にして、「力を入れております」としてみましょう。この表現なら自分の行動を下げて相手に敬意を払う謙譲語として適切です。

これから「力を入れていく」つもりなら「いく」を謙譲語にして「力を入れて参ります」、「力を入れてきた」過去についてなら「きた」を謙譲語にして「力を入れて参りました」とするとよいでしょう。

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初回公開日:2018年05月08日

記載されている内容は2018年05月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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