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「力を入れる」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2024年04月27日

敬語で「力を入れる」を表現する際、普段の会話ではあまり使わない言葉です。謙譲語や尊敬語ではなかなか表現はしないのではないでしょうか。敬語は意識して使用することで身につくことなので、表現の仕方を覚えることから始めてみてましょう。

メールで使うときに気をつけることは?

ビジネスシーンでは必須の敬語ですが、会話はもちろんメールなど文書で使う場合も適切な敬語がきちんと使えることが望ましいです。特にメールなど文章で伝える場合は、何度も読み返されることを想定してきちんとした敬語で綴りましょう。

「力を入れる」を敬語で文章にする場合、これまでみてきた尊敬語と謙譲語の使い分けがしっかりできていれば問題はないでしょう。ただし、書き言葉で間違いやすい「い抜け」言葉にならないよう気をつけたいところです。

「い抜け」とは、「食べてる」「生きてる」など、正しくは「食べている」「生きている」とすべき言葉から「い」が抜けてしまうことを言います。会話の中では違和感なく伝わりますが、幼稚な印象を与えかねませんので、ビジネスメールでは御法度と言えるでしょう。

「力を入れています」を「力を入れてます」にしてしまわないよう、気をつけましょう。

ビジネスシーンで「力を入れる」のはどんな時か?

「力を入れる」とは「一生懸命になって努力する、熱心に努力する、骨を折る」ことを意味しています。一人ひとりが一社員として業務に「力を入れる」姿は頼もしい限りです。敬語表現を意識しながら、具体的に考えてみましょう。

相手の会社が特に力を入れている業務や活動を話題にするときは、「近頃、御社が力を入れていらっしゃる環境対策が素晴らしいですね」「こちらの病院では、患者さんに寄り添った医療に力を入れられているのですね」のように使うとよいでしょう。尊敬語である「いらっしゃる」「されている」を組み合わせるのがポイントです。

自社が力を入れる事業について語りたいなら、「わが社ではより使いやすい商品の開発に力を入れております」など、謙譲語「おる」「おります」を組み合わせるとよいでしょう。

「力を入れる」を敬語表現した例

ビジネスシーンで「力を入れる」のがどんな時かを想像しながら、具体的な使用例を考えてみましょう。日常会話でもよく使われる表現ですが、「誰が」「何に」力を入れているのかを意識することで、適切な敬語表現が自然にできるようになります。

自分の頑張りを表現するときは

自分や自社が努力をしていることを相手に伝える場合の具体例を紹介します。

・私たちはより環境にやさしい製品の開発に力を入れております
・わが社では社員の英語教育に力を入れており、グローバル化時代にふさわしい人材育成に努めております
・楽しい時間を過ごしていただける空間づくりに力を入れて参ります

いずれも、自分の行動を一段下げて表現する謙譲語を用いています。そうすることで相手に対する敬意を表せます。「力を入れさせていただいております」という言い方を耳にすることもありますが、「~させていただく」には相手の承認をもらって行動する意味合いがあるので、自分の頑張りに相手の承認が不要な場合はあまり適切ではありません。

「力を入れる」という表現には、一点に集中して本気を出して頑張るというニュアンスが含まれますので、何に力を入れるのか対象をはっきりさせて使うのが効果的です。

他人の努力を表現するときは

相手の行動や他社の活動を話題にしたり褒めたりする場合の具体例を紹介します。

・こちらのレストランでは、新鮮で安全な食材選びに力を入れられているのですね
・課長は最近、健康のために運動に力を入れていらっしゃると伺いました
・御社が力を入れられている自社製品のリサイクル活動にたいへん感銘を受けました

いずれも、尊敬語「~られる」「~いらっしゃる」を用いています。「お力をお入れになっていらっしゃる」など尊敬語の多用は避け、中心になる動詞だけを敬語にすることを意識すると、すっきりとした敬語表現になります。

「力を入れる」を別の言葉で言い換えると?

ここまで「力を入れる」という言葉を、できるだけそのまま敬語として使う方法を考えてきました。しかしながら他にも、「集中して熱心に努力する」ことを表現する言葉があります。語彙として蓄えておけば、さまざまなシーンで応用できますので、ぜひ覚えておきましょう。

「力を注ぐ」との違いはある?

「力を入れる」の類語に「力を注ぐ」という言葉があります。意味としての違いはほどんとなく、どちらも一生懸命になって努力することを表しています。ほとんどの場合、「力を入れる」を「力を注ぐ」に言い換えても問題はないでしょう。

・人材育成に力を入れています
・人材育成に力を注いでいます

どちらも人材育成という特定の事柄に重点を置いて取り組んでいることが伝わります。あえて言えば「注ぐ」という言葉は、継続的なたゆまぬ努力というニュアンスを含んでいるといえるでしょう。

また、「注力する」という使い方もできます。敬語としては「注力なさる」「注力しておる」「注力いたす」と変化させて使います。

努力を敬語にした言葉

「力を入れる」の「力」は「努力・骨折り」を意味していることを踏まえて考えてきましたが、「努力」のより丁寧な表現はたくさんあります。「力を入れる」という言葉をストレートに使わなくても、同じ意味合いのことを上司など目上の人に伝える場合にたいへん便利です。

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初回公開日:2018年05月08日

記載されている内容は2018年05月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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