「差し支え」の意味と使い方・類語・敬語・例文｜ありません
更新日：2024年04月15日
「差し支え」を相手からの応答として使うとき
たとえば、「この日はこの時間に会議があるけど大丈夫」と聞かれて、自分の予定が空いていてそれで良い場合などは、「差し支えない」の「ない」を敬語の丁寧語に変えて、「差し支えありません」と応えます。
「差し支えありません」ではなく、「差し支えないです」という言い回しも聞きます。この言い方も間違った敬語ではないのですが、より丁寧なのは「差し支えありません」です。
これは「差し支えない」の「ない」を敬語に変えていないので、敬語に変えたというには不十分な敬語だからです。
「差し支え」を枕詞として使うとき
「枕詞」とは「前置きのこと」です。「差し支えを枕詞として使う」というのは、具体的にいうと、誰かに頼みごとをするときに使うということです。
「差し支え」を枕詞として使うときには「差し支えなければ」など、「差し支え」という言葉の後を否定形にして、その後で「〜にしてください」と頼みごとを伝えます。
そのため、「差し支えなければ〜してください」や、「差し支えありませんでしたら〜お願いできますか」というように使います。
この使い方で気をつけなくてはいけないのは、「差し支えなければ」で尋ねる頼みごとは、「断られてもいいもの」出なくてはいけないということです。
「差し支えなければ」という言葉は「不都合なことがなければ」と相手の「都合を優先する」言い回しです。「断られては困る頼みごと」には、「差し支えなければ」は使えません。
相手の様子を伺うときにも使える
上と同じように、「差し支えない」の形で、相手の様子を伺うこともできます。たとえばメールで、相手に対して条件を提案する内容を書くときに、「これで相手の方は大丈夫かな」というときには、「こちらで差し支えありませんでしょうか」と尋ねることもできます。
「差し支え」の例文
「差し支え」という言葉は、実際にはどのように使える言葉なのでしょうか。この項では「差し支え」を使ったいくつかの文章をご紹介します。「差し支え」という言葉は使うときの参考にしてみてください。
「差し支えありません」
これは「差し支え」を、敬語で使うときの表現の一つです。「差し支えない」の「ない」を、「ある」に変えて、それを敬語の「ありません」という形で否定しています。
相手が提示した条件や提案について、それで良いかと聞かれたときに使います。ビジネスシーンで「差し支え」という言葉を使うとき、もっともよく使う表現であるといえるでしょう。
「差し支えないでしょうか」
こちらは、自分が相手に何か提案や条件を出したときに、それでいいか、相手に確認するときの表現です。「不都合ではないですか」という意味の文章となっています。
「差し支え」の敬語についてご紹介したときにお伝えしたように、「差し支えないでしょうか」という表現も、「差し支えありませんでしょうか」と言い表した方が、より丁寧な言い回しになります。
「差し支えがなければ」
「都合が悪くなければ」という意味の言葉です。相手の方に何か頼むときに使う表現ですが、この表現は相手の方に判断する余地を与える表現なので、絶対こうしてほしいというときは使えません。
「絶対にこれをしてほしい」というときには、「恐れ入りますが〜してくださいますようお願いします」や、「申し訳ないのですが、〜してくださいませんか」など、別の言葉を使ってお願いしましょう。
「恐れ入りますが」と「差し支えなければ」の違い
「差し支えなければ」と同じように頼みごとをするときの、枕詞として使われる言葉に、「恐れ入りますが」という表現があります。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。
「差し支えなければ」との違いを知るために、まず「恐れ入りますが」の意味を確認しましょう。
「恐れ入りますが」は、「目上の人やお客様への頼み事をすることや迷惑を変えけたことに対して、申し訳ない気持ち」を表す言葉です。平たい言葉で言うなら、「申し訳ないんだけど」と言う意味の言葉です。
こうしてみると「恐れ入りますが」は「申し訳ないんだけど〜」と言う表現ですが、「差し支えなければ」は「都合が悪くなったら〜」と言う表現であり、「差し支えなければ」は相手にある行為を強制しない言葉ですが、「恐れ入りますが」は相手にある行為を強制する言葉であると言えます。
初回公開日：2018年03月20日
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