状況別の「大丈夫」の使い方を紹介|敬語表現についても詳しく解説
更新日:2024年09月05日
「大丈夫の正しい使い方って?」
「大丈夫を敬語で表現する場合はなんて言えばいい?」
このように、普段何気なく使っている「大丈夫」という言葉について、正しい使い方ができているのかどうか不安に感じているという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、「大丈夫」という言葉の正しい意味や「大丈夫」の敬語表現について紹介します。この記事を読むことで、「大丈夫」という言葉をどのように使えばよいのか把握できるでしょう。
また、「大丈夫」を敬語として使用する例文についても紹介するため、具体的にどのような表現にすれば良いのか参考にできます。
「大丈夫」の使い方について知りたい人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
「大丈夫」の認識はそれで大丈夫?
最初に、「大丈夫」の正しい意味について確認してみましょう。「大丈夫」には大別して三つの意味がありますが、ここでは二つのみ取り上げます。
それぞれの意味の違いを考えながら読んでみてください。
「大丈夫」の正しい意味を知ろう
「大丈夫」には、以下の意味があります。
1.あぶなげがなく安心できるさま。まちがいがないさま(形容動詞)
2.よい結果になることを信じ、それが確かであることを保証するさま(副詞)
まず、1の形容動詞「大丈夫」は、「危険はありませんか?安心していていいですか?」のような問いかけに対する答えとして使用されています。
たとえば「この橋は渡っても大丈夫ですか?」「お体の具合は大丈夫ですか?」などの質問に対し、「大丈夫です。(渡っても危険はありません。)」「大丈夫です。(心配はありません。)」の意味を含んでいます。
次に、2の副詞「大丈夫」は、「よい結果になることを信じる」との意味合いで使われますので、たとえば「どんな困難があっても、あなたなら大丈夫。きっと乗り越えられる。まちがいない。」のように、相手を激励する際などに用います。
「大丈夫」は肯定?否定?
みなさんは、相手にどのような意思を伝えたいときに「大丈夫」を使うでしょうか。
本来は「安心できる」や「確かなさま」を表す場合に使いますが、現代では「可能であるさま」や「要・不要」を示すケースでも使用されるため、肯定にも否定にもとれてしまう曖昧な面があります。
正反対の意思として伝わってしまうことにもありますので、注意が必要です。
「大丈夫」はやわらかい否定表現として変化
現代において「大丈夫」は、否定の意味で使われることが増えてきました。
「大丈夫」という語の本来の意味からすると、適切とはいえないのですが、要・不要を問われたときにきっぱりと「不要です。」と伝えますと、相手に高慢な印象を与えてしまいかねないという日本人の気質をよく表した変化だといえるでしょう。
たとえば、相手からお茶のおかわりを勧められたとしましょう。「もう一杯いかがですか?」と問われ、もう飲みたくないという意思を伝える際に、「もう不要です。」とだけ答えますと、相手に刺々しい印象を与えかねません。
このようなケースでは、「大丈夫」+丁寧語「です」を加えた敬語の「大丈夫です。」に、「十分に堪能いたしました。」と一言添えますと真意が正しく伝わるほか、丁寧な印象を与えられます。
ただし、この使い方は適切とはいいかねますので、やわらかく否定するための手段として捉えるとよいでしょう。
肯定の「大丈夫」にするには?
引き続き、先例を引いてみましょう。
相手から「もう一杯いかがですか?お飲みになれますか?」とお茶のおかわりを勧められ、飲みたいと伝える際、「大丈夫です。」とだけ答えても、相手は「はい、もう一杯飲む余裕があります。」と言っているのか、「いいえ、もう結構です。」なのか判断に迷うことになります。
したがって、敬語表現の「大丈夫です。」に加え、「もう一杯いただけるとうれしいです。」のように一言添えると、相手は肯定の意思として判断することができるでしょう。
「大丈夫」の敬語表現とは?
「大丈夫」には、助動詞「です」をつければ、敬語表現のひとつ、丁寧語として成立しますので、日常的な会話として十分使用できます。
丁寧語は、「判断作用の表明に丁寧さを添える語」ですので、「大丈夫です。」は、文法的には相手が誰であるかを問わず、広く日常的に使える言葉だといえます。
「大丈夫」は上司にも使える?
「大丈夫です。」は、広く一般的に敬語として成立すると説明しました。では、ビジネスシーンにおいて、クライアントや上司を相手とした場合はどうでしょうか。
結論からいえば、避けた方が無難であるといえます。「大丈夫」に「です」を加えたとしても、「大丈夫」という言葉自体が敬語ではないため、相手にどうしても砕けた印象を与えてしまいます。
次項では具体的な言い換えの例、敬語の使い方を説明していきます。
言い換えの例「問題ございません。」
目上の人に「大丈夫である」を伝える際の言葉として、「問題ございません。」があります。たとえば、あなたが就業時間内ではこなせそうにない量の仕事を抱えているとしましょう。
上司から進捗状況を問われたときは、この「1時間ほどお時間をいただければ完了させます。問題ございません。」のように言い換えますと、礼を欠くことなく仕事の完了予定を伝えることが可能です。
また、上司からミーティングについて確認されたとします。「今日のミーティングは15時に第1会議室でよいか?」などの問いには、敬語「差支えございません。」を使いますと、「自分にとって不都合なことはない」旨を、失礼なく正確に伝えられます。
初回公開日:2018年05月27日
記載されている内容は2018年05月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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