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「お気遣いなく」の使い方と例文・メール/手紙での書き方

初回公開日:2017年11月11日

更新日:2020年03月03日

記載されている内容は2017年11月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

知っていそうで実はなんとなく理解していることの多い「お気遣いなく」という言葉についてご説明します。大変日本的な奥ゆかしい表現ですが、使い方を誤ると失礼な言葉にもなってしまいます。お気遣いなく」の使い方や注意点、言い換えなどについてご紹介します。

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尊敬語・謙譲語と日本語の定型的な言い回し

学校の国語で敬語を学びますが、実際の場面で聞いたことのないような敬語に出くわしたり、勉強した敬語以外にも独自のマナーや常識があったりと、そのルールの奥の深さに驚かれた方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

日本語はそのルールや規則以外にも、「詫びさび」や「奥ゆかしさ」「謙遜」といった独特の暗黙の了解のようなものが存在します。その複雑さから、日本語は世界の中でも困難な言語のうちのひとつと言っても過言ではないでしょう。

尊敬表現と謙遜表現

日本語では「相手に対しては持ち上げる言葉を使う」「自分に対してはへりくだる言葉を使う」ことが良いとされるマナーがありそれが「尊敬語」と「謙譲語」にあたります。動詞はもちろんの事、名刺などにも反映されています。

【例】
・(尊)ご怜息様⇔(謙)愚息
・(尊)貴社⇔(謙)弊社
・(尊)能文⇔(謙)拙文

シーン別の定型の言い回し

また、実際に思っているかどうかは別として、とあるシーンで決まりきったセリフを添えるというマナーも存在します。

【例】
・つまらないもの(お口汚し)ですが (贈り物を渡すとき)
・不束者ですが (自分の子供などに使う)

「つまらないもの」としつつ実際は吟味して選んでいるし、「ふつつかな娘ですが…」と言いながら自分の子に対して本心ではないことが多いです。そんな言い回しのひとつに「お気遣いなく」という言葉があります。今回はこの「お気遣いなく」というセリフについてその意味や使い方をご紹介していきます。

「お気遣いなく」の意味

き‐づかい〔‐づかひ〕【気遣い】の意味
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお気遣いなく」
2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる気遣いはない」

出典: https://dictionary.goo.ne.jp/jn/52813/meaning/m0u/%E6%B0%... |

「気遣い」は文字どおり相手に気を遣うことで、「お気遣いなく」はこの意をとって「気は使わないでください」「気にしないでください」というのが直接の意味になります。同じ意味ではありますが、使うシチュエーションによって少々ニュアンスは違ってきますので、あいまいにではなく、この機会に意味を理解しておきましょう。

「お気遣いなく」の使い方とポイント

「お気遣いなく」が使われるシチュエーションはそう多くはありません。あまり使う機会がないセリフだからこそ、スマートに使いこなすことができれば、相手にもマナーがしっかりしていると良い印象をもってもらうことができるでしょう。

お願いする時

「お気遣いなく」を使うシーンとして思い浮かぶのが、訪問先などでお茶やお菓子などを出されたときでしょう。日本では迎える側が訪問する側をお茶などでもてなすのが一般常識とされており、これは両者の関係にかかわらず、訪問側の確認を得ずに行われます。

そのため、この時の「お気遣いなく」は、拒絶や断りの意はなく「ありがとうございます」と同等レベルの返しと言えます。「ありがとうございます。これ以上のお気遣いは結構ですよ」といった、相手を思いやる気持ちを短く凝縮した一言です。

先回りしすぎてお茶の準備を始めた段階でこう言ってしまうと、厚かましい印象がありますので、お茶を出された時や聞かれた時など相手からアクションがあったときが、使うタイミングでしょう。

断る意味での使い方

他に「お気遣いなく」は、どういったときに使われるのでしょうか。例えば、おなかがいっぱいなのにお代わりをよそわれそうなときなど、ありがたいけれどさまざまな理由でそれを断る際の、やんわりとした日本語的な表現として使うかたもいるでしょう。

「いりません」や「送らなくてよいです」などはっきりと断ってしまうと、言われたほうは厳しく拒絶された印象を受けます。「結構です」「大丈夫です」などのあいまいな断り文句と同様、「お気遣いなく」もそのような使われ方をします。回りくどく鬱陶しく感じる方もいるかでしょうが、友人や親しい知人を除いては、自然と使えるようにしておきましょう。

「お気遣いなく」は目上に失礼な言い方?

目上の人に対して「お気遣いなく」を使うのは失礼にあたるのでしょうか。「お気遣いなく」は後に続くはずの動詞が省略された簡略化された文章ですので、本来は上の立場の人に掛ける言葉ではありませんが、口語で使う場合はあまり問題視されません。このような例にはほかにも

・良いお年を(お迎えください)
・お大事に(なさってください)

などのような言葉があります。

「気遣いをする」がもともとの語となりますので、目上にも使える敬語表現にするためには

・「お気遣いなさらないでください」
・「お気遣いないようお願いします」

などが文章では最適です。文頭に「どうぞ」などの言葉を付けると、より柔らかな表現になります。

「お気遣いなく」の類義語と使い分け

決まった言い回しとは言え、謙虚な姿勢が美徳の日本人ですから、「お気遣いなく」と同じような意味合いの言葉はほかにも存在します。言い換えに適した表現や、その使い方をご紹介します。

お構いなく

「お構いなく」も同じくらいによく耳にするセリフです。直接違約すると「構わないでください」=「放っておいてください」のようにも思えますが、「お」が付くことによって相手を思う文章になり、かつ「お気遣いなく」と同じ意味合いのセリフとして定着していますので勘違いをされたり、失礼にあたることはありません。

断るときの使い方として「お気遣いなく」にかぶせて使うことで協調することも可能です。「お気遣いなく、本当にお構いなく」まで言われれば相手も引くことができるでしょうから、歓迎が熱烈すぎて困ったときは同時使用も効果的です。

迎え入れる側が謙遜する表現として「お構いもしませんで」というのも定型です。

お気になさらず

こちらは訪問時などの決まった時ではなく、相手に気を遣ってもらえた時に返す言葉です。「お気遣いなく」や「お構いなく」にくらべて幾分かやんわりとしたニュアンスになります。また、ただ気遣われた時にも使うことはできますが、相手が自分に手間を掛けさせてたり迷惑を掛けたりしたときの謝罪などの返しに対しても自然に使える語句です。

【例】
・「こないだは急な発注でごめんね」⇒「どうかお気になさらないでください」
・「面倒な仕事だけどよろしく」⇒「問題ありませんので、どうぞお気になさらずに」

結構です

申し出を断るときに使います。「いりません」や「やめてください」などよりもやんわりとした言葉で、相手との関係に傷をつけないようなニュアンスで、申し出を拒否することができます。

「結構です」はYESかNOかわかりにくいため、あまり使わないほうが良いとする意見もありますが、前後の文脈や態度などで大抵は判断ができるでしょう。手を前に出したり、首を振るなどのジェスチャーを交えてあげると、わかりやすく丁寧です。

シーン別「お気遣いなく」の使い方と例文

お祝い

「○○とのことでおめでとうございます、今度お祝いさせてください」などの申し出をいただくことがあります。こちらは、この段階では本音なのか社交辞令なのかはまだ判断がつかない段階ですので、それほど一生懸命に返す必要もありません。

「ありがとうございます、どうかお気遣いなく」程度の返答にとどめておきます。相手が本気であれば、後日日程などの打診がありますし、社交辞令であればあなたの「お気遣いなく」を聞いて安心して引いたと考えてください。

お祝いとしてプレゼントなどを渡された場合は、断るのは失礼ですので「お気遣いなく」よりは「お気遣いいただいてしまってすみません、ありがとうございます」などありがたく感じている形に変換しましょう。

お返し

反対に、贈り物をしたときなどにお返しをしてくれる丁寧な人もいますので、そのような方にお返しはいらない旨を伝える時にも「お気遣いなく」も活用できます。

お祝いに食事会などの際、「今日はありがとう、今度お返しするね」などの会話があった時に「ほんとに?ありがとう」と返してしまうと、相手は「お返ししなくては」と考えてしまいます。相手に気を遣わせたくなければ「お気遣いなく、そのうちにね」など、「お返しはなくてもかまわない」くらいのニュアンスを含んだ返答がスマートです。

お礼・礼状

お礼をするときや礼状を送るときには、相手の気遣いを受けた後ですので基本的には「お気遣いなく」という言葉は不釣り合いでしょう。この場合は「お気遣いありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えるようにしないと、場合によっては「迷惑だったのかな」と感じる相手もいますので注意が必要です。

いつも行くたびにいろいろなものを用意されて申し訳ない、ということであれば「次回はどうぞお構いなく」などやんわりと添える程度にしておきましょう。

お土産

どこかに訪問するときには、状況にもよりますが、手土産を持っていくのが常識というシーンもあります。そのときには「つまらないものですが(お口汚しですが)、お納めください」などの言葉をそえますが、だからと言って断るのは逆に失礼になります。お茶を出していただいた時と同様「お気遣いなく」「お気遣いいりませんのに」と言いながらもありがたく受け取るのが一般的です。

お中元・お歳暮

お中元やお歳暮は相手からの「あなたにはお世話になりました」という気持ちの表れです。そのため、お中元やお歳暮を断るのは大変に失礼な行為になりかねません。持参してもらった場合はお土産同様「お気遣いなく」と遠慮を見せながらもよろこんで受け取りましょう。郵送の場合は到着したら礼状と同じように「お気遣いありがとうございます」との連絡を入れます。

お中元やお歳暮は「気遣い」というよりも「お世話になりました」という意味合いですので遠慮のし過ぎは逆効果です。

お茶

一番使われる機会が多いと思われるのがお茶を出していただくシーンです。先ほど申し上げたとおり、日本では迎える側が訪問する側をお茶などでもてなすのが一般常識とされているので訪問先でお茶が出されて驚くことはないでしょう。

しかし、それを当たり前とするのは失礼ですので、一言「お気遣いなく」というだけでお茶を出すよう指示した人、そして実際に淹れてくれた人の労を労うことができます。「ありがとうございます」「すみません」と言う人も多いですが、より日本的な奥ゆかしい表現ですのでぜひ使ってみてください。

差し入れ

手土産ではなく「差し入れ」は近しい人へ単なる好意でされるものですので、例えば、上司から部下へ、や、先輩から後輩へ、など気を遣いすぎない関係間で行われることが一般的です。

取引先から「差し入れ」といただくときは、相手があなた(あなたの会社)のことに親しみを持ってくれている証拠です。「喜んでほしい」という気持ちから行う人が多いので、畏まって遠慮しすぎるよりは、素直にうれしい気持ちを出したほうが喜ばれるでしょう。

あなたがその集団をまとめる立場(店長や部長など)であった場合は、「お気遣いありがとうございます、みんな喜んでいます」と丁寧にお礼を伝えましょう。

メール・手紙の「お気遣いなく」の書き方と例文

「お気遣いなく」は完全な文章ではないので、メールや手紙などのいわゆるビジネス文書で使用する場合には少々注意が必要です。失礼のないように目上かどうかは関係なく、だれに見られても問題ないように書きましょう。

【例】

・「どうぞお気遣いなさらないよう お願い申し上げます」
・「くれぐれもお気遣いなさいませんよう お願い申し上げます」
・「どうかお気になさらないでください」
・「お気に留められませんようお願い申し上げます」

「お気遣いなく」を使ってスマートに感謝を伝えましょう

さて「お気遣いなく」という、知っていそうで実はなんとなく理解していることの多いマナー言葉についてご説明してまいりました。「お気遣いなく」は使いすぎると相手の親切心に傷をつける言葉と受け止められてしまう恐れもあります。時には相手の親切に素直に甘え、ここぞというタイミングでスマートに「お気遣いなく」を使うようにしましょう。

言葉も大切ですが、まずは相手に感謝が伝わるよう、自分なりの「お気遣いなく」の使い方を確立できると良いでしょう。

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