「置く」の敬語表現・置くの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年09月25日
尊敬語だとどうなる?
「置く」の尊敬語は「置かれる」と表現し、目上の方の動作の場合にだけ使う敬語だと説明しました。それを踏まえて以下の例文をご覧ください。
「先輩はいつも書類とパソコンをあちらのデスクに置かれています」
「部長は次の会議で使う資料を棚の上に置かれました」
「課長は作成した資料とお茶をそれぞれの席に置かれました」
「お客さま、傘をこちらに置かれますか」
謙譲語だとどうなる?
謙譲語で「置く」を表現すると「置かせていただきます」です。上述しましたが、自分や目下(同等)の人の動作を目上の方に向けて述べる際に用いる敬語です。これらを踏まえて以下の例文をご覧ください。
「先輩、旅行のお土産を先輩の机の上に置かせていただきました」
「頼まれてた資料のコピーができたので、ホッチキスで綴じてデスクに置かせていただいてます。課長もご確認をお願いいたします」
「お客さまのお荷物、こちらに置かせていただいてよろしいでしょうか」
「買ってきた資材は、一時的に意倉庫に置かせていただいてます。来週には移動させる予定です」
丁寧語だとどうなる?
「置く」の丁寧語は「置きます」と表現し、自分の行動などを目下(同等)の人に伝える場合に用いる敬語です。以下、例文をご紹介します。
「先日の会議の資料を机に置きましたので、確認してください」
「買ってきた文具用品は彼の机に置いてます」
「私の荷物はあそこに置きました。今日中に片付けます」
「○○さんへの伝言メモはいつもの所に置いてますので、また読んでおいてください」
「置く」の別の敬語表現は?
答えを先に言うと、「ほぼ該当なし」です。「置く」の単語を別の敬語に変換しようとしても、決まった言い回しの語(「行く」→「参る」など)が存在しないため変換ができません。
「置く」の敬語は、「置く」の単語に「〜(ら)れる」「〜させていただく」「〜ます」を付け加えて表現しています。
ですので、「置く」という単語そのものを用いて敬語表現しているので、これ以外の言葉を使って別の敬語表現をしたいなら「置く」と同義(類語)の単語を用いて表現するしか方法はありません。
「置く」と同義の単語は「配する」「配置」などがあり、「配(配置)される」「配(配置)させていただく」「配(配置)します」と表現することは可能です。これらも敬語としては正しい表現です。
以上のことから答えは「ほぼ該当なし」と述べました。他の言葉で「置く」の敬語を表現したいなら、「置く」と同義・類語の単語を使って表現しましょう。
「置く」と「載せる」の敬語の違いは?
「置く」と「載せる」は似たような意味を持っていますが、厳密に言うと使われ方が違います。
そもそも「載せる」の意味は、「荷物を上に置く」「運送用の物の上や内部に移す」で、「置く」は「物・位置・状態をそのままに留めること」です。
何かの上に物を置く場合は「置く」も「載せる」も同じような意味で使われますが、床に置く場合は「載せる」は使いません。また、車やトラックなどの運送する物に荷物を運ぶ場合は「載せる」を用います。
以上のことから、「置く」とは大きな意味で使うことができ、「載せる」は「置く」という行為の中のより限定した使い方になるということです。つまり、「置く」>「載せる」です。
正しい敬語表現と正しい使い方を!
「置く」の尊敬語は「置かれる」と表し、目上の方の動作について述べる時に使います。謙譲語は「置かせていただく(いただきます)」と表現し、目上の方に向けて、自分(目下・同等の人)の動作について述べる際に用います。
丁寧語の「置きます」は、誰に対して使うこともできますが、ビジネスシーンにおいては自分(目下・同等)の動作を目下(同等)の人に向けて述べる際に用います。
正しい敬語表現をし、正しく使い分けができる人は、周囲からの印象も良くなります。印象が良くなると、仕事が円滑に回るようになるため、敬語は社会人として必須のスキルと言えます。
もしも分からないことがあったら、上司に聞いてみるとか、本を買ってみるなどして勉強することが大切です。
今からでも遅くありません。仕事で好循環を生むためにも、しっかり勉強して、ぜひ周りからの印象UPを狙ってください。
初回公開日:2018年04月09日
記載されている内容は2018年04月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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