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「お伝えする」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現

更新日:2024年10月08日

よくビジネスシーンなどで使われる敬語の「お伝えする」という敬語。意外と正しく使えてない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は「お伝えする」の意味や使い方などについて詳しくご説明しています。会社勤めの方や日本語を正しく使いたい方など、ぜひご覧ください。

敬語でよく使われる「お伝えする」の意味とは?

「伝える」という単語の元々の意味は、「(誰に)〜について知らせる」です。そして、「お伝えする」という言葉は、「伝える」の動詞の謙譲語です。

「謙譲語」は、自分が下にへりくだることで、相手を立てたい場合に使われる敬語で、謙遜の意を表しています。一方「尊敬語」は、謙譲語のように自分を下に置くことなく、高めるべき相手に使われる敬語で、その名前のとおり、相手を敬う気持ちを表しています。

以上のことから、「お伝えする」は、へりくだって伝聞があることを知らせたい場合に使われる謙遜した敬語表現です。

敬語の「お伝えする」の使い方は?

「〜をお伝えします」という敬語表現をよく耳にします。「社長にお伝えします」「鈴木様が来訪されたこと、お伝えしておきます」「〜の件についてお伝えしました」など、普段からさまざまなシーンで使われています。

この「お伝えする」は、伝え先を立てたい時に用いられます。もっと分かりやすく言うと、伝える相手が目上の人の場合に「お伝えする」と表現します。

この「お伝えする」の正しい使い方について詳しくご説明する前に、まずは敬語表現について簡単にご説明します。

敬語の種類は全部で4つに分類されます

敬語は大きく分けて、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に分類されます。

前述しましたが、敬うべき相手・高めるべき相手に尊敬の意を表して表現するのが尊敬語で、自分を下に下げることによって相手を立てる敬語は謙譲語となります。そして、文の末尾に「です」や「ます」がついたものが丁寧語です。

尊敬語は主に目上の方に対して使われます。謙譲語は目上の人だけでなく、立てるべき相手じゃない場合にも使うことができます。

相手が立てるべき人でない場合、尊敬語だと不自然に感じますが、謙譲語を使って自分をへりくだる表現をすると、間接的に相手を立てることになり、不自然さが消えます。

そして謙譲語は、「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に分類されます。ですので、「尊敬語」「丁寧語」と合わせて、実質的に4つに分けられます。それでは、謙譲語ⅠとⅡについて以下でご説明しましょう。

謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの違いは?

謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱはどちらも自分がへりくだった敬語ではありますが、両者は性質が異なります。謙譲語Ⅰは行為や動作が「向かう先」を立てたい場合に、謙譲語Ⅱは自分や身内の話をする際や「聞き手(読み手)」を立てたい場合に使われます。

たとえば、「来週、お医者さまのところへ行きます」を謙譲語で表現したい場合、「お医者さまのところへ参ります」となります。これは「お医者さま」が敬うべき相手になるので、この場合の「参ります」は謙譲語Ⅰです。

一方、「息子が来ました」を謙譲語を使って敬語で表現したい場合、「息子が参りました」となり、この場合の「参りました」は謙譲語Ⅱとなります。前述したように、身内の話を敬語で表現するのは謙譲語Ⅱです。「息子」は身内の人間なので、この場合の「参ります」は謙譲語Ⅱとなります。

「お伝えする」の使い方のポイント

「お伝えする」と敬語で表現したい場合、ポイントは「(誰から)誰に伝えるのか」という点を意識すれば分かりやすいです。

「お伝えする」という敬語は、謙譲語Ⅰに分類されます。謙譲語Ⅰは「向かう先(=相手)」を立てたい場合に用いられ、分かりやすく言うと「目上の人」に向けて使われます。逆の言い方をすると、謙譲語Ⅰは目下の人や同等の人(=身内など)に対しては使いません。

たとえば「お客さまに変更点をお伝えする」「先生にお伝えする」が例文として挙げられますが、「お客さま」「先生」などの敬うべき相手、立てるべき相手がいる場合に、謙譲語Ⅰの「お伝えする」が使われます。

ですが、「息子にお伝えする」「家内にお伝えする」など、「息子」や「家内」は身内です。身内は目下(同等)扱いになります。このような場合には「お伝えする」ではなく「申し伝える」を用います。(詳しくは後述します)

社内ではどのように「お伝えする」を使う?

社内などのビジネスシーンではどうでしょうか。ポイントは「(誰からの話を)誰へ伝えるのか」「伝え先は身内(=自分側)か外か」です。誰を立てるべきなのかに注目すれば分かりやすいです。

伝える先が立てるべき相手、つまり目上の方なら「お伝えします」を、伝える先が目下もしくは同等なら「申し伝えます」という敬語を使います。

それでは、前述でも出てきた「申し伝える」について、以下で詳しくご説明します。

「お伝えする」の別の敬語表現「申し伝える」

「お伝えする」は「〜について知らせる」という意味の謙譲語になりますが、もうひとつの表現として「申し伝える」があります。

「お伝えする」は謙譲語Ⅰになるのに対し、「申し伝える」は謙譲語Ⅱに分類されます。これらの使い分けの簡単な覚え方として「伝え先が目上かどうか」で判断してください。

謙譲語Ⅰは、前述したように、目上の方に対して使われますので、伝え先が自分より目上の方(=立てるべき相手)なら「お伝えする」を用います。逆に、伝え先が目下の人もしくは同等の人ならば「申し伝える」を使います。

伝え先が目下の人なら「申し伝えます」!

次のページ:シーン別「お伝えする」の例文

初回公開日:2018年02月24日

記載されている内容は2018年02月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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