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「お伝えする」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現

更新日:2024年04月26日

よくビジネスシーンなどで使われる敬語の「お伝えする」という敬語。意外と正しく使えてない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は「お伝えする」の意味や使い方などについて詳しくご説明しています。会社勤めの方や日本語を正しく使いたい方など、ぜひご覧ください。

たとえば、お客さまからあなたの部下へ伝言があったとしましょう。「この前契約した内容について確認したいので、担当の○○さんに伝えといてちょうだい」とお客さまから言われた場合、あなたがすべき返事は「はい、〇〇に申し伝えます」です。

これは伝え先が「〇〇さん(部下)」で、あなたと同じ会社の人間です。たとえ上司や社長など目上の人であっても、同じ会社の人間は「身内」と同じように扱います。伝え先が部下で「お客さま」より目下になるので、謙譲語Ⅱの「申し伝える」が正しい敬語です。

その他にも、社長から「〇〇くんて君の後輩だったよね。前回の企画を練り直すよう伝えといてくれないか」と言われた場合、「はい、〇〇に申し伝えます」が正しい謙譲語の使い方になります。これも同様に、伝え先が後輩の「〇〇くん」で「社長」よりも目下となるため、謙譲語Ⅱの「申し伝える」を用います。

シーン別「お伝えする」の例文

それでは実際によく使われている「お伝えする」について、ビジネスシーンでの例文をご紹介します。

ビジネスシーンにおいても使われ方は同じです。伝え先が「立てるべき相手、目上の人」なら「お伝えする」、伝え先が「目下もしくは同等、身内」なら「申し伝える」となります。

これらのポイントに注意して、以下の3つの例をご覧ください。

取引先から上司へ

取引先からあなたの上司へ、伝言を受けたとします。この場合は「はい、上司の○○に申し伝えます」が正しい敬語表現となります。

立てるべき相手について考えみたら分かりやすいです。この場合、伝え先である「上司」は「同等、身内」になりますので、謙譲語Ⅱの「申し伝える」を用います。

「上司」は目上の人ではありますが、同じ会社で働く仲間ですので「同等、身内」という扱いです。「お伝えします」は上述したように謙譲語Ⅰなので、「上司の○○にお伝えします」を取引先の前で使ってしまうと、「上司」を立ててる言い方になってしまい、間接的に「取引先」を下げてることになります。

以上のことから、このケースで立てないといけないのは「取引先」ですので、伝え先の「上司」を立てるのではなく、「取引先」を立てるために「申し伝えます」を用います。

先輩(平社員)から本社の部長へ

では、先輩から本社の部長への伝言があった場合は、どのような敬語を使ったらいいのでしょうか。「伝える先=部長」が一番目上の人(たてるべき相手)になるので、「お伝えする」が正しい敬語表現になります。

まずは、誰を立てるのかを考えてみましょう。「先輩」も「部長」もあなたより目上の人になりますが、「先輩」と「部長」を比べてみると「部長」のほうがより目上です。つまり、一番に立てなくてはならないのが「部長」です。

このケースで「部長へ申し伝えます」を使うと、「部長」より目下の「先輩」を立てることになり、間接的に部長を下げてしまう表現となってしまいます。「部長」を一番に高めたいので「お伝えします」を使いましょう。

自分の会社からお客様へ

最後に会社側からお客様へ伝聞がある場合です。

この場合も、誰を一番に立てるべきなのかについて考えてみますと、伝え先である「お客さま」を一番に立てなくてはなりません。伝える先を立てたい場合は「お伝えする」を用いますので、このケースも「お伝えする」が正解です。

「規約の変更内容をお客様へ申し伝えます」などと言ってしまうと、立てるべきお客さまを下げてる発言となってしまいますので、誰を一番に立てなくはいけないのか注意して下さい。

伝える先が誰なのかによってきちんと使い分けよう!

「お伝えする」は「伝える」の謙譲語です。

謙譲語とは、自分を下に置いて相手を間接的に立てる敬語です。謙譲語には「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に分類され、「お伝えする」は謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱでは「申し伝える」と表現されます。

これらの使い分けは、伝え先が目上の人の場合は謙譲語Ⅰの「お伝えします」を、伝え先が目下(もしくは同等、身内)の人の場合には謙譲語Ⅱの「申し伝えます」を用います。なので、伝え先が目上なのか目下なのかに着目して、正しく使い分けるようにしましょう。

「お伝えします」はビジネスシーンでよく使われる敬語表現です。取引先の方や上司、お客さまなどが不快な思いをすることがないように、しっかりと使い分けするよう意識しましょう。

初回公開日:2018年02月24日

記載されている内容は2018年02月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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