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「してあげる」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現

更新日:2024年08月23日

皆さんこんにちは、今回は「してあげる」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現と題して、「してあげる」の正しい敬語表現と活用法、またさまざまな場面における「してあげる」の用例についてご紹介します。「してあげる」の方言もご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

「してあげる」の敬語表現

「してあげる」という言葉はそもそも「誰かが誰かに親切心から○○をしてあげる」という人の親切から出た行動を意味していましたが、日常会話で「○○してあげる」と言われれば現代においては、「上から目線」を思わせる不快な印象さえ持たれ兼ねない表現になっています。

これは言葉のニュアンスによって意味合いやイメージが移り変わるもので、特にビジネス用語において「してあげる」という表現はほとんどの場合において使われない言葉となります。

飽くまでも敬語表現として言葉を表現する際には「目上の人に対する敬語表現」や「自発的にへりくだった敬語表現」を使う必要があるため、この「してあげる」という上から目線を想定される言葉はタブーになります。

・させていただく
・差し上げる

この2つの表現は「してあげる」という言葉の敬語表現として認められ、ビジネス上でもプライベートのやり取りでも普通に使われています。

関西弁

関西弁で「してあげる」という言葉を言うときには、関西独特の言い方が見られ、関西人でなければわからない表現などもその内に多く散見されます。

・したる(してやる)
・したるわ(してやるわ)
・しとこか(しておこうか)
・やったろか(やってやろうか)
・行ったるわ(行ってあげるわ)
・あげとこか(あげておこうか)
・あげたろか(あげておこうか)

これらの言葉・表現が関西特有の表現に見られ、この関西弁というのは近畿地方各地をはじめ、西日本の広域に渡って浸透していることもあり、大阪や京都だけでなく、四国地方や九州地方まで分布している場合もあります。

謙譲語

謙譲語というのは「相手と自分の立場や関係性を問わず、話者が自発的にその姿勢や立場を低くして相手への敬意を示す敬語表現」を意味し、この敬語表現はビジネス上のやり取りだけでなく、プライベートでも多くの場面で使われる常用的な敬語表現として認められます。

・○○させていただく
・○○差し上げる
・○○を送らせていただく
・差し出がましいようですが
・お電話を差し上げる
・ご連絡を差し上げる
・お電話をさせていただく
・ご連絡をさせていただく

このように「御(お・ご)」という接頭辞を付けた上で、「○○させていただく」というように自発的にへりくだった表現をする場合に、話者から相手への謙譲語による敬語表現は認められます。

尊敬語

尊敬語というのは「目上の人や立場が上位にある人に対し、話者が一方的に敬意を示す敬語表現」を指し、この敬語表現はもっぱらビジネス上のやり取りで見られる、最も一般的な敬語表現として認められます。

・○○なさる
・○○される
・おられる

これらの相手を立てる表現にはじまり、相手の立場や言動のすべてを敬意をもって言う表現が主な尊敬語表現に認められ、これらは話者の言動への形容よりも、相手の言動に敬意を示す表現として認められます。

「○○してあげる」という表現は尊敬語表現として適当ではないため、「してあげる」という言葉をあえて別の言葉・表現に直す必要があります。このとき、尊敬語も謙譲語も似た表現となりますので、ビジネス上のやり取りにおいても尊敬語と謙譲語の区別はほとんどありません。「○○させていただきます」というへりくだった表現をするのが一般的です。

丁寧語

丁寧語というのは「不特定多数の人々に公示できる丁寧な言葉遣いによる敬語表現」を指し、主に「です・ます口調」で相手に伝えられる当たり障りのない敬語表現として認められています。丁寧語による敬語表現の場合は尊敬語や謙譲語とは違い、相手と話者との立場の高低や関係を比較的問わないでよいため、簡潔な「です・ます調」の敬語表現でかまいません。

・してあげます
・送らせてもらいます
・させていただきます
・してもいいですか
・してあげたいのですが
・ぜひさせてください
・ご都合はよろしいですか
・ご連絡させていただきます

このように、丁寧語の場合は尊敬語や謙譲語が複合されて表現する例も多くあり、特に話者と相手の関係性や立場の高低などを気にせず、不特定多数に受容される丁寧な表現で伝えられます。

土佐弁

土佐弁というのは現在の高知県で使われている方言を意味し、昔からその高知県(またはその周辺地域)で話されていたその地特有の表現の全般を指して言われます。この高知県で使われる土佐弁で「してあげる」という言葉を言うときは、「○○しちゃる(○○してあげる)」や「やっちゃりや(やしてあげて)」という言い方になります。

先述の「ご都合はよろしいですか」や「ぜひさせてください」という丁寧語表現でも見られますが、「してあげる」の敬語表現には「相手の都合を聞いたうえでしてあげる・させてもらう」という形容を持つ場合があります。

土佐弁で言われる「やっちゃりや」や「しちゃる」という言葉を使う場合も、「してあげる」という旨を相手に諭しつつ自分の好意を伝えようとする、暗黙の姿勢がうかがえます。

ビジネス用語上の「してあげる」という表現はタブー

先述でもご紹介しましたが、「してあげる」という上から目線を想定させる表現は、一般的なビジネス上のやり取りでは厳禁となります。この「してあげる」という言葉には「○○をあげる」という上司から部下への姿勢や気持ちがまず見られ、部下が上司に、あるいは先方の会社などに伝える表現としては、甚だ礼儀を失した形容表現となってしまいます。

しかし上司から部下へ何らかの事情や要求を伝える際でも、「○○してあげる」という表現はまず使われず、その場合は「○○せよ」や「○○してください」といった命令形による情報交換がほとんどです。

つまり、「してあげる」という表現そのものが一般的なビジネス用語や敬語表現では使われず、どうしても「してあげる」という気持ちを敬語表現に置き換えたい場合は、まず「してあげる」という言葉そのものを別の言葉に置き換え、表現全体のバランスを図った上で敬語表現にします。

次のページ:「してあげる」の敬語での使い方

初回公開日:2018年03月20日

記載されている内容は2018年03月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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