Search

検索したいワードを入力してください

2018年04月27日

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

みなさんは「監察官」とはご存知ですか。今回は、一度は耳にしたことがある監察官について、監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるにはどうしたら良いのかなどを説明します。また、「警察の監察官」を題材にしたドラマの紹介もしますので、参考にしてください。

監察官の階級

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

ここでは、監察官の階級について紹介します。

監察官とは

まず「監察官」とは、官吏つまり公務員の監督査察を担当する職名です。特に強制力を行使することができる権力的公務など、特に仕事内容の性質上、内部の監察を必要とする官公庁には監察官が置かれています。

監察官の階級

監察官には、「首席監察官」と「監察官」がいますが、監察官自体に階級はありません。

警察の場合、監察官になるためにはある程度の階級になる必要がありますが、その階級になったからと言って監察官になれるわけではありません。

首席監察官が監察業務を掌理する役職で、監察官は首席監察官の命によって監察業務を行う立場の役職と言えます。

監察官室の特徴

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

まず「監査官」が置かれている官庁は、「財務省」「海上保安庁」「北海道開発局」「国土交通省」「防衛省」「自衛隊」「厚生労働省」「社会保険庁」と「警察」です。

財務省であれば、大臣官房秘書課に首席監察官一名と監察官八名が在籍しており、その職務も本省の内部部局および施設など、機関所属職員の含むに関する監察を行うことと財務省組織規則で定められています。つまり、必ずしも「監察官室」が存在するものでもありません。

財務省を例にとれば、監察室は秘書課のことであり、秘書課内の一部の職員が観察に関係する職務を行っているということです。

一方、警察では監察官室が存在する都道府県警察もあります。しかし、そこに在籍している全ての職員が監察官というわけではありませんし、警察不祥事の捜査や服務規程違反などの内部調査だけでなく、警察官に対する表彰に関する職務も行なっていますから暗いイメージの所ではありません。

冠称付きの監察官

「監察官」の中にも冠称がついた監察官がいます。いくつか紹介すると、厚生労働省は「中央労災補償監察官・中央職業安定監察官」、財務省は「国税庁国税局派遣監察官」、自衛隊には「監理監察官」という具合で監察官と前に冠称がついた監察官が存在します。

例えば、厚生労働省の「中央労災補償監察官」は都道府県労働局での災害補償、および労働者災害補償保険にかかる事務の実施状況を監察する事務を行うとされているとおり、ある一定の事務に特化した事務を行う監察官も存在します。

郵政

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

郵政民営化より以前は、郵政省時代から日本郵政公社時代にかけて郵政観察制度があり、その観察制度の目的は、「事業統治」です。

そのため、郵便物や小包が差し出されてから遅滞や過失なく、仕分けや管理がされて受取人に無事に配送されたか否かとか、郵便貯金や簡易保険事業での横領などの不正行為を査察して必要に応じて指導や処分を行います。

この取り締まりに当たる郵政省の職員が「郵政監察官」であり、刑事訴訟法に規定する特別司法警察員として職務を行うことになります。

郵政省と郵便事業庁

昭和23年12月に郵政省設置法が施行され、その第26条に「郵政監察官」が定められていて全国で700名ほどの郵政監察官が活動していました。

当時の郵政監察官は、郵政事業の運行に関する全ての事業についての調査を行い、犯罪の嫌疑があれば自ら捜査をし、さらに必要があれば訴追に協力することを郵政大臣から特命を受けていました。

郵政監察官は、郵政事業に対する犯罪について特別司法警察権が認められていましたので、犯罪を捜査する権限が与えられていましたが、自らが犯人を逮捕することはできず、逮捕する必要があれば逮捕状を裁判所に請求し、警察官に執行させていました。

その後、郵政省は郵政事業庁へと組織が改編されましたが、郵政監察官は郵政省当時のまま引き継がれ、郵政民営化までその業務を行なっていました。

日本郵政公社と郵政民営化

日本郵政公社時代は、日本郵政公社法で「郵政監察官」の規定を設けていました。

それは「郵政事業に関する犯罪、非違および事故に関する調査、および処理などに係る職務に従事する公社の役員、または職員のうちから総務大臣の定める者が、その役員または職員の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議して、指名する者を持って充てる」とされ、特別司法警察員として、郵政事業に対する犯罪捜査に当たっていました。

しかし、郵政民営化に伴って郵政監察制度は廃止され、日本郵政グループ内に監査部門が新設されましたが、刑事訴訟法に定める司法警察権を失ったことで、その権限は縮小しました。

警察

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

警察での監察官は、警察庁、警視庁と道府県警察本部に置かれる常設職です。その業務は、警察不祥事の捜査、服務規程違反などの内部調査、警察内部の取り締まりや監視の他、警察官が起こした交通事故の示談もあります。

首席監察官

首席監察官とは、警察庁、管区警察局および都道府県警察で監察に関する事務を掌理する職のことです。警察庁長官官房首席監察官ともなれば、警察組織の監察部門のトップで総責任者でその階級は上から2番目の「警視監」です。

この階級は、道府県警察本部長と同じで国家公務員のキャリア官僚警察官のポストです。

そのほか関東管区警察局には「監察部」、中部・近畿・九州の各管区警察局には「総務監察部」、東北・中国・四国の各管区警察局には「総務監察・広域調整部」に、それぞれ首席監察官が置かれ、いずれも階級は「警視長または警視正」です。

管区警察局の首席監察官の階級を見ると、都道府県警察に警察官として採用された、いわゆる叩き上げの警察官でも首席監察官になることができます。

警察庁

警察庁の監察官は、警察庁組織令で「首席監察官」の設定が規定されており、長官官房人事課の監察は22名体制で「警察の中の警察」として活動し、都道府県警察の監察の上部監察として都道府県警察に出張しての監察を行うこともあります。また、管区警察局の監察官は、管内の道府県警察本部に出向いて観察を行うこともあります。

警察庁の監察は直接都道府県警察の監察を行わず、監察業務の重点方針の決定や各監察官を監察することです。

そのほか、警察庁長官や警視総監などの最高幹部の監察は、国家公安委員会が担当することになっています。

警視庁・道府県警察本部

警視庁や道府県警察の監察官は、警務部の監察官室、または監察課に所属していてその階級は全員「警視正」です。警察官を捜査する監察官の役割の特殊性から、署長や副署長経験者が多いです。

公安委員会への報告義務

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

ただ監察をやればいいというわけでなく、その実施状況を管轄する公安委員会に報告することが義務付けられています。また、国家公安委員会や都道府県公安委員会は、監察について必要があればそれぞれの警察庁・各都道府県警察に対して、個別具体的な指示をすることができます。

それに加え警視総監や道府県警察本部長は、所属する警察職員の懲戒事由に係る事案を都道府県公安員会に報告する義務をあります。

これは公安委員会が地域住民を代表する委員会であり、警察を管理する行政委員会だという理由があります。

監察官になるには

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

現代において監察官になるためには、監察官が置かれている官庁の公務員採用試験に合格するしかありません。警察を例にとれば、「警察庁のキャリア官僚」として採用されるのと「都道府県警察の警察官」として採用されるのでは、当然試験の難易度も異なってきます。

無事、監察官制度がある官庁に採用されたとしても「監察官」になれるかは不透明で、財務省では首席監察官と監察官合わせて9名ですから、非常に狭き門であることがわかります。

また、監察官が置かれている部署は、大臣官房秘書課や警察の警務部門といったいわゆる管理部門ですから、管理部門に配属されるには、それだけ勤務成績が優秀である必要があります。

ただ、希望すれば配属されるような部署ではないので、採用された後も相当の努力が必要であることがわかります。

つまり、「監察官」になるには、公務員試験に合格した後も勤務成績が優秀であることが必要ということです。

監察官の仕事内容

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

監察官の仕事内容は、内部を監察することです。つまり、組織の中で不正が行われていないか監察し、不正があれば、その実態を明らかにした上で、当該職員を厳正に処分し組織の自浄作用を促すことです。

業務監察

監察官の仕事は、不正をあぶり出すことではありますが、その一方で普段の業務運営の実態を総合的、かつ具体的に把握するために行う観察を「業務観察」と言います。

通常の業務運営の中で不正の火種がないかをチェックすることで、適正な業務運営を促すことができる監察です。

また、特別な事情、つまり業務上の問題点があると認められる場合には、その問題点を具体的に把握するための監察も行うことになっています。

服務監察

服務監察とは、服務の実態を総合的かつ具体的に把握するための監察です。服務とは、公務員が通常、仕事をする上で守らなければいけない義務や規律のことですので、職員の不祥事を見つけ出す、またはその前兆を把握するための監察と言えます。

また特別な事情、つまり服務上の問題点、つまり職員の不祥事があると認められる場合には、その具体的な問題点を把握するための監察を行います。これは、職員の不祥事をあぶり出し、職員を懲戒処分にすることで、綱紀粛正をはかることで組織防衛を図ることに繋がります。

監察官に関するドラマ

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

監察官を題材にしたドラマは、これまでのいくつかの作品が放送されていますが、その中で最も代表的なドラマをご紹介します。

毒ハブの羽生宗一

監察官を題材としたドラマで最も有名なドラマといえば、2014年からテレビ朝日系の2時間ドラマ枠で放送されている「監察官・羽生宗一」で、これまでに全5作が放送されシリーズ化されているドラマです。

このドラマは、警視庁警務部人事第一課監察官で警察内部から「毒ハブ」と呼ばれ恐れられている羽生宗一(中村梅雀)が、仲間と共に警視庁警務部に届けられた告発状に書かれた内容の真偽を究明するために監察を行うというストーリーになっています。

中村梅雀演じる主人公羽生宗一は、警務部人事第一課に所属する「監察官」で仕事に厳しく冷酷で、一切の妥協や容赦を許さない仕事ぶりから「毒ハブ」の異名を持つ人物です。

監察官は非常にやりがいのある仕事!

監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

監察官について、階級や特徴、仕事内容などをご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。各官公庁に監察官が置かれていますので、今後、監察官の仕事に興味や憧れを抱いた場合には、公務員試験を受験することをおすすめします。

警察組織で言えば、「警察の中の警察」として警察業務全般の監察を行うことで、組織防衛を図っているという仕事内容は、非常にやりがいのある仕事です。

Related