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監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるには

更新日:2023年12月08日

みなさんは「監察官」とはご存知ですか。今回は、一度は耳にしたことがある監察官について、監察官の階級・監察官室の特徴・仕事の内容・監察官になるにはどうしたら良いのかなどを説明します。また、「警察の監察官」を題材にしたドラマの紹介もしますので、参考にしてください。

首席監察官とは、警察庁、管区警察局および都道府県警察で監察に関する事務を掌理する職のことです。警察庁長官官房首席監察官ともなれば、警察組織の監察部門ので総責任者でその階級は上から2番目の「警視監」です。

この階級は、道府県警察本部長と同じで国家公務員のキャリア官僚警察官のポストです。

そのほか関東管区警察局には「監察部」、中部・近畿・九州の各管区警察局には「総務監察部」、東北・中国・四国の各管区警察局には「総務監察・広域調整部」に、それぞれ首席監察官が置かれ、いずれも階級は「警視長または警視正」です。

管区警察局の首席監察官の階級を見ると、都道府県警察に警察官として採用された、いわゆる叩き上げの警察官でも首席監察官になることができます。

警察庁

警察庁の監察官は、警察庁組織令で「首席監察官」の設定が規定されており、長官官房人事課の監察は22名体制で「警察の中の警察」として活動し、都道府県警察の監察の上部監察として都道府県警察に出張しての監察を行うこともあります。また、管区警察局の監察官は、管内の道府県警察本部に出向いて観察を行うこともあります。

警察庁の監察は直接都道府県警察の監察を行わず、監察業務の重点方針の決定や各監察官を監察することです。

そのほか、警察庁長官や警視総監などの最高幹部の監察は、国家公安委員会が担当することになっています。

警視庁・道府県警察本部

警視庁や道府県警察の監察官は、警務部の監察官室、または監察課に所属していてその階級は全員「警視正」です。警察官を捜査する監察官の役割の特殊性から、署長や副署長経験者が多いです。

公安委員会への報告義務

ただ監察をやればいいというわけでなく、その実施状況を管轄する公安委員会に報告することが義務付けられています。また、国家公安委員会や都道府県公安委員会は、監察について必要があればそれぞれの警察庁・各都道府県警察に対して、個別具体的な指示をすることができます。

それに加え警視総監や道府県警察本部長は、所属する警察職員の懲戒事由に係る事案を都道府県公安員会に報告する義務があります。

これは公安委員会が地域住民を代表する委員会であり、警察を管理する行政委員会だという理由があります。

監察官になるには

現代において監察官になるためには、監察官が置かれている官庁の公務員採用試験に合格するしかありません。警察を例にとれば、「警察庁のキャリア官僚」として採用されるのと「都道府県警察の警察官」として採用されるのでは、当然試験の難易度も異なってきます。

無事、監察官制度がある官庁に採用されたとしても「監察官」になれるかは不透明で、財務省では首席監察官と監察官合わせて9名ですから、非常に狭き門であることがわかります。

また、監察官が置かれている部署は、大臣官房秘書課や警察の警務部門といったいわゆる管理部門ですから、管理部門に配属されるには、それだけ勤務成績が優秀である必要があります。

ただ、希望すれば配属されるような部署ではないので、採用された後も相当の努力が必要であることがわかります。

つまり、「監察官」になるには、公務員試験に合格した後も勤務成績が優秀であることが必要ということです。

監察官の仕事内容

監察官の仕事内容は、内部を監察することです。つまり、組織の中で不正が行われていないか監察し、不正があれば、その実態を明らかにした上で、当該職員を厳正に処分し組織の自浄作用を促すことです。

業務監察

監察官の仕事は、不正をあぶり出すことではありますが、その一方で普段の業務運営の実態を総合的、かつ具体的に把握するために行う観察を「業務観察」と言います。

通常の業務運営の中で不正の火種がないかをチェックすることで、適正な業務運営を促すことができる監察です。

また、特別な事情、つまり業務上の問題点があると認められる場合には、その問題点を具体的に把握するための監察も行うことになっています。

服務監察

服務監察とは、服務の実態を総合的かつ具体的に把握するための監察です。服務とは、公務員が通常、仕事をする上で守らなければいけない義務や規律のことですので、職員の不祥事を見つけ出す、またはその前兆を把握するための監察と言えます。

また特別な事情、つまり服務上の問題点、つまり職員の不祥事があると認められる場合には、その具体的な問題点を把握するための監察を行います。これは、職員の不祥事をあぶり出し、職員を懲戒処分にすることで、綱紀粛正をはかることで組織防衛を図ることに繋がります。

監察官に関するドラマ

監察官を題材にしたドラマは、これまでのいくつかの作品が放送されていますが、その中で最も代表的なドラマをご紹介します。

毒ハブの羽生宗一

監察官を題材としたドラマで最も有名なドラマといえば、2014年からテレビ朝日系の2時間ドラマ枠で放送されている「監察官・羽生宗一」で、これまでに全5作が放送されシリーズ化されているドラマです。

このドラマは、警視庁警務部人事第一課監察官で警察内部から「毒ハブ」と呼ばれ恐れられている羽生宗一(中村梅雀)が、仲間と共に警視庁警務部に届けられた告発状に書かれた内容の真偽を究明するために監察を行うというストーリーになっています。

中村梅雀演じる主人公羽生宗一は、警務部人事第一課に所属する「監察官」で仕事に厳しく冷酷で、一切の妥協や容赦を許さない仕事ぶりから「毒ハブ」の異名を持つ人物です。

監察官は非常にやりがいのある仕事!

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初回公開日:2018年04月26日

記載されている内容は2018年04月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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