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改善提案のネタの集め方|事務/工場/営業/品質・書き方や事例

更新日:2024年11月14日

改善提案は、トヨタ自動車の生産方式が、生産性向上を目的として生み出され成功したことから企業に広がり始めました。海外でも「Kaizen」と表現され導入されています。一方で改善提案が出にくいなどの課題もあります。そこで、改善提案のネタなどをご紹介します。

改善提案とは?

日本が誇る大企業であるトヨタ自動車の「トヨタ生産方式」が、生産力の向上を目的として生み出され成功したことは有名です。その成功によって、改善提案はわが国の多くの企業で導入されるとともに、海外においても「Kaizen」と表現されて広がりを見せています。まずは、改善提案とはどういうものなのかを見ていきましょう。

改善提案の内容は?

改善提案の内容は、生産設備の改良や、制作など業務効率の向上、作業安全性の確保など生産に係る範囲全てにわたっています。特徴として、改善提案は上からの命令で実行するのではなく、現場の人間が自らアイデアを出して変えていくことにあります。

改善は一度行えば終わりではなく、改善を繰り返していく持続性・継続性が重視されています。日本の製造業が国外へ進出した際に、日本から派遣されたトレーナーが現地従業員に指導したり、マサチューセッツ工科大学における日本の製造業の強さの研究などを通じて、国外にも広がりました。

改善提案の目的は?

では、改善提案はどのような目的で実施されるのでしょうか。先述したように、改善提案の大きな特徴は、「上からの命令で実行するのではなく、現場の人間が自らアイデアを出して変えていくこと」にあります。

改善提案の究極の目的は、言うまでもなく「自分の会社の計測的な繁栄」ということです。しかしながら、改善提案の特徴から推して考えると、第一義的には、「現場で働く人間の作業がより安全に、効率的に行うことができるようにすること」にあって、引いては、それが会社全体の利益に繋がるという発想に基づくものと言えます。

このように、当初は現場重視、現場目線で始まった改善提案ですが、時間の経過とともに、その姿が変容しているのではないでしょうか。

改善提案制度が形骸化している!

官公庁も含めて、多くの企業や組織で改善提案制度が設けられています。うまく機能している組織もあるでしょうが、多くの組織が低調傾向にあります。制度があるから運用しなければならないと、義務感で実施している組織も多いでしょう。その原因はどこにあるのでしょうか。

改善提案しても実行されない!

多くの組織で取り入れられている改善提案制度ですが、改善提案の応募件数が低調であるところが大半です。その一番大きな原因は、せっかく改善提案が出されても、様々な理由から実行されないというところにあります。

意欲に満ちている新人の頃は、改善提案の募集があると一所懸命に考え、応募する傾向にあります。しかし、できない理由を並び立てられて、結局実行されないという経験をしてしまうと、次から応募しようという気になるはずがありません。最悪の場合、会社へのロイヤリティが、著しく低下することにも繋がりかねません。

上からの命令になっている!

改善提案とは、そもそも「現場目線」から始まった制度でした。ところが、年月の経過とともに、下からの改善提案に対するニーズがさほど高くなくても、上からの命令で形式を整えることが目的になってしまっているケースが少なくありません。

改善提案が出てきたとしても、あらかじめ、上役受けしそうな内容の改善提案が多く、表彰はされるものの、現場での実行はされないという本末転倒の現象が生じています。そのことを敏感に感じている人は、決して改善提案など出そうとはしないでしょう。

改善提案制度を機能させるためには?

それでは、低調傾向にある提案改善制度を機能させるためにはどうすればよいのでしょうか。

テーマを絞りこむ!

「何でもいいから、ともかく改善提案を提出せよ」というような上意下達式の運用では、良い改善提案は期待できません。構成員の意識や気持ちを集中させるために、組織のビジョンやミッションなどに基づいたテーマの方向付けと絞り込みが必要です。

そして、改善提案の評価基準や審査のプロセスを明確にするとともに可視化して、構成員が改善提案を出そうというインセンティブを高めるよう工夫する必要があります。

他部署への提案は工夫を!

改善提案が行き詰る大きな原因の一つが、他部署への提案の取り扱いです。大きな組織になればなるほど、セクショナリズムが発生しやすくなります。どの部署も、他の部署からの改善提案を快く感じません。「事情も分からない者が、内の仕事に口を出すな」という気持ちが生じるからです。

とはいえ、組織全体からすれば、できるだけこのようなセクショナリズムは無くしたいと考えています。そこで必要となるのは、「他部署への提案はサポート提案に限定する」という工夫です。サポート提案とは、「○○部署に対してこのようなサポートができます」という改善提案です。

このサポート提案を行う前提には、「うちの部署はこんなことに困っている、課題がある」という情報を組織内で共有している必要があります。サポート提案がうまく機能すれば、組織内のコミュニケーションの円滑化という二次的な効果も生まれるでしょう。

身近な改善提案を実行し、成果をみえる化する!

改善提案制度に対する構成員のモチベーションは、実行されることで最大化されます。そこで必要となるのは、ともかく、一番身近な自部門の改善提案を実行することです。

自部門の仕事の改善を推進するポイントが二つあります。一つは「テーマを限定せず、気付いたことは何でもOK」にすることです。大きな改善よりも小さな改善の方が実行しやすく、実行されることでモチベーションが高まるという好循環ももたらします。

二つ目は、「改善提案の効果を組織全体に知らせること」です。一つの部門での成功事例は他の部門にも刺激を与え、組織全体に改善のインセンティブが広がることに繋がります。組織として大きな財産になるでしょう。

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初回公開日:2018年04月07日

記載されている内容は2018年04月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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