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間違いも多い「ご臨席」の意味・使い方・例文|ご列席との違い

更新日:2024年03月02日

「ご臨席」という言葉の意味を詳しくご存知でしょうか。なんとなく偉い人に使う言葉?というイメージを持っているかもしれません。そこで「ご臨席」という言葉の意味、使い方、例文などをご紹介します。また、出席・列席・参列など似たイメージの言葉との使い分け方も説明します。

ご臨席のもと

「~のもと」は、ここでは、その影響の及ぶところ、という意味で使われています。「もと」は「下」と書きます。ご臨席している人が、その他のすべてのものの上にいるようなニュアンスなので、かなり敬意が強いことが分かります。

この言葉は、天皇陛下に使われるのが一般的です。一般の方へも使われることが多くなった「ご臨席」という言葉ですが、「ご臨席のもと」という表現は一般の方へは中々使われることはありません。

「ご臨席のもと」の例文
・恐れ多くも天皇陛下ご臨席のもと、本会を開催することができました。
・天皇皇后両陛下ご臨席のもと、参議院本会議場で記念式典が執り行われた。

「ご臨席」を使うときの注意点は?

もともとは天皇陛下などに使う言葉

昔から、天皇陛下や皇族に対して「ご臨席」という言葉は使われてきました。しかし、より丁寧な表現をしたい…。より相手を立てたい…。という考えから、一般人にも「ご臨席」が使われるようになりました。最近では、辞書の例文などでも一般の地位が高い人へ使われています。

しかし、「ご臨席」を一般人に使うことを快く思わない人もいます。「ご臨席」はあくまで、天皇家に対してのみ使う表現だ、と考える人もいるので、そのことを知っておきましょう。

軽々しく使わない

これも、もともとは身分の高い人へ使う言葉だからという理由ですが、あまり軽はずみに使いすぎては、言葉の重みが薄れてしまいます。通常は、大臣、知事、大企業の社長などに使われるような言葉です。いくら敬意を表したいからといって、社長、部長、課長、主任など、全員に対して「ご臨席」を使ったりするのは止めましょう。

「ご来席」という言葉は使わないのが無難

「ご来席」は「ご来臨」と「ご臨席」が合体してできた造語です。間違った日本語でしたが、最近では広まりつつあります。

しかし、「臨」には敬う意味合いが含まれていますが、「来」はただ単に来るという意味です。「ご来席」はまだまだ造語の域を出ていませんし、いくら「ご」を付けて一見丁寧にしても、漢字に敬う意味合いが入っていないので、使わないほうが良いでしょう。

「列席」と「参列」の違い

こちらは「ご臨席」と混同しやすいので、二つの言葉の使い分け方もご紹介します。簡単に言うと【列席は招待する側が、参列は出席する側】が使います。

・会の主催者「本日は、ご列席いただきありがとうございます。」
・会の参加者「新郎新婦並びに、ご参列の皆様のご多幸をお祈りします。」

しかし、世間ではこの使い分けよりも、定着している基準があります。【結婚式には列席で、お葬式には参列】というものです。これは辞書などには載っていないのですが、広く認識されており、納得される方も多いでしょう。

正しく美しい日本語を使おう!

「ご臨席」について詳しくご紹介してきました。また、ご臨席を使わないほうが良い場合や、間違った使い方の例も色々あることが分かりました。何となく意味は知っていたけど、細かい使い分けなどは知らなかった…という方も多いのではないでしょうか。

これを機に、ご臨席という言葉をふさわしい場面で使えるように自分のものにしていただいて、正しく美しい日本語を使っていきましょう。

初回公開日:2017年08月31日

記載されている内容は2017年08月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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