喘ぐ夜は使い方に注意しよう!
「月に吠える」とは萩原朔太郎という昔の詩人の詩集のタイトルですが、もし「月に喘ぐ夜」としたならば、男らしい野心や、野望、理想といった心情よりは、より官能的なタイトルになったであろうことは間違いありません。
すでに下ネタで解説してきましたが、「喘ぐ」と「夜」が組み合わされれば、現代的な意味では下ネタ的な意味がどうしても生じてしまいます。このような意味は現時点では辞書に載っていないものの、使い方には気を付ける必要があるでしょう。
このため、病院などでは「喘ぐような呼吸」であったとしても「苦しそうな呼吸」や「呼吸が辛そう」などの表現を使った方がいいでしょう。
喘ぐように生きるのもまた良し!
今回は「喘ぐ」の使い方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。呼吸の様子を表す意味や、それが転じて生活の状態や、経済的な状態を表す表現として「喘ぐ」という言葉が使われていることが分かったことでしょう。また、慣用的には下ネタの意味もあることもご紹介しました。
しかし、息も絶え絶えや、息をきらすなど、生命力が低下している状態を指すのが「喘ぐ」の本来の意味です。ただし、なぜか、生命力を表す表現としても「喘ぐ」が使われているのが不思議と感じたのではないでしょうか。
「風前の灯(ともしび)」という言葉があります。人間、追い詰められた絶体絶命の状況でこそ、命の尊さが分かり、濃密に今を生きることができるということもあるのではないでしょうか。そうであるなら、喘ぎ喘ぎ生きるということは素晴らしいことと言えるでしょう。