「ありがたい」の使い方|目上の人に使える?ビジネスで失礼にならない敬語表現
更新日:2024年09月20日
「気持ちよくありがとうって伝えたい!」
「ありがとうの間違った使い方ってあるの?」
子供のころに親から最初に教わる礼儀の言葉は「ありがとう」ではないでしょうか。
最初に教わり、そして「ごめん」と並んで最も重要な言葉の1つが「ありがとう」です。それ故、昔から様々な「ありがとう」が存在しています。
ただし、目上の人に使っていい「ありがとう」や「ありがたい」と、使ってはいけない「ありがとう」や「ありがたい」があるため、意味をはき違えている場合もあるでしょう。簡単な言葉ですが、意外と奥が深いのです。
当記事では「ありがたい」にスポットを当てて記載しています。当記事を読んで、「ありがたい」を正しく理解し、適切に使えるデキる大人になりましょう。
「ありがたい」の意味
「ありがたい」とは「あることが難しい」からきています。そこから転じて、4つの意味があります。
1つ目は相手に感謝の気持ちを伝える言葉、2つ目は自分の環境や状況が恵まれていることを喜ぶ言葉、3つ目は偶然の幸運を喜ぶ言葉、4つ目が滅多にないことに恵まれ拝みたくなる言葉です。
また、「ありがたいお言葉ですが」などと否定することで、感謝しながらも難しいことであると、相手にやんわりと拒否を伝える言葉にもなります。
「ありがたい」には「有難い」と漢字を当てはめる場合もありますが、その場合は偶然の幸運を喜ぶ言葉と、滅多にないことに恵まれ拝みたくなる言葉として使う場合が正しい使い方です。
あり‐がた・い【有(り)難い】 の解説
[形][文]ありがた・し[ク]《あることがむずかしい、の意から》
1 人の好意などに対して、めったにないことと感謝するさま。「―・い助言」「―・く頂戴する」2 都合よく事が進んでうれしく思うさま。「―・いことに雨がやんだ」「社にとっては―・くない状況だ」
3 またとないくらい尊い。もったいない。「―・い仏様」「―・いお言葉」
4 存在しがたい。珍しい。めったにない。
「―・きもの、舅にほめらるる婿」〈枕・七五〉
5 むずかしい。困難だ。
「前車の轍 (てつ) を見る事は誠に―・き習ひなりけむかし」〈神皇正統記・後醍醐〉
6 世に生きることがむずかしい。生活しにくい。
「世の中は―・く、むつかしげなるものかな」〈源・東屋〉
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%9C%89%E9%9B%A3%E3%8... |
「ありがたい」の使い方・例文
ここまで、簡単に「ありがたい」の意味について細かく挙げてきました。次は「ありがたい」の意味を大雑把にではありますが、3つに絞り、それに適合する例文や言葉の意味を見ていきましょう。
意味だけを読んでも正確に理解したとは言いづらいものです。実際の使い方を見てみましょう。
感謝を表す場合
「このような場を設けていただきありがたい限りです」
感謝の気持ちを表すときは、あまり「ありがたい」は単体では使いません。こうした言い換えや、付属する敬語がつくことがほとんどでしょう。
また、フランクな響きのある「ありがとうございます」と同義の使い方ができる「ありがたい」は、襟を正して畏まった表現です。相手を敬うなど、あらたまった場面で使われることが多いでしょう。
依頼をする場合
「仕事の効率を上げるアイディアをいただけるとありがたく存じます。」
こちらは「ありがたい」単体や、「ありがたい」+敬語で使われることがほとんどではないでしょうか。
ストレートに頼るよりも柔らかく、そして敬ってもらっているという気持ちが起きる言い回しです。相手にアドバイスを求めたり頼みごとをしたりするときなど、日常的に使っている人は多いのではないでしょうか。
依頼を断る場合
「ありがたいお誘いなのですが、少々都合がつかず辞退させていただきます。」
こちらは「ありがたい」+否定形を用いることによって、通常感じる「ありがたい」のイメージとは逆の意味になります。
相手からの申し出を断るとともに、せっかく声をかけてくれたのにという謝罪の気持ちが表れる表現であるため、丁寧に断りたいときに使います。
「ありがたい」の注意点
ここまで「ありがたい」の意味・使い方に触れてきましたが、「ありがたい」を使う上での注意点もあります。
注意点を知らずに使ってしまっては、「ありがたい」という言葉をきちんと理解できたことにはなりません。これから列挙する「ありがたい」の注意点に気をつけて、正しく使えるようになりましょう。
「ありがたい」はお断りのクッション言葉
謝意を伝えるときだけでなく、ビジネスマナーとしてのクッション言葉の役割もあります。つまり、ビジネスマナーに関してだけ言えば、「ありがたい」単体で使うというのはないに等しいのです。
クッション言葉というのは、丁重にお断りするときや異論がある場合に表現を柔らかくする役割の言葉です。クッション言葉単体で使っても、相手にこちらの気持ちや謝意を伝えることはできません。
逆にクッション言葉を上手に使えれば、自分が思っている以上の気持ちや謝意を伝えることもできます。ぜひとも上手く扱えるようになりたい言葉です。
「ありがとうございます」の代わりに多用するのは避ける
初回公開日:2017年10月25日
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