「急ぐ」の敬語表現・急ぐの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日：2024年06月22日
「急ぐ」を敬語表現にすると？
「急ぐ」は、使う頻度が少ない言葉ではありません。ビジネスシーンなどの敬語を要する状況でも「急ぐ」様子を示したい時はありますので、敬語にする時にはどのような表現になるのかを学んでおきましょう。
急いでおられる
「急ぐ」に、「おる」+「られる」の「おられる」を組み合わせた敬語表現です。「おる」は「いる」の謙譲語表現で、「られる」は「している」などの動作を示す語の尊敬語表現にあたります。
謙譲語である「おる」と尊敬語の「られる」が組み合わさると、敬語の分類としては「謙譲語兼尊敬語」のようになりますが、「おる」は「おられる」の形になった時、「られる」の存在が主体となります。つまり、「おる」は「おられる」として使う時には「られる」が持つ敬語としての意味が強くなるということです。
よって、「急いでおられる」は「尊敬語」になります。使い方に関しては、簡単に言えば「（目上の人・立てるべき人が）急ぐ様子」を尊敬語で表す時に「急いでおられる」を使います。もっと分かりやすく言えば、「急いでおられる」は「（目上の人・立てるべき人が）急いでいる」という言葉を尊敬語にしたものになります。
急いでおります
「急ぐ」に、「おる」+「ます」の「おります」を組み合わせた敬語表現です。「おる」については「急いでおられる」の項目でお伝えしたとおり、「いる」の謙譲語としての扱われます。「ます」は丁寧表現の1つで、「です」と同様の扱いをします。したがって「おります」は、謙譲語と丁寧語の組み合わせということになります。
丁寧表現「です・ます」は、尊敬語や謙譲語といった他の敬語分類と組み合わせて使用されることが多いです。その場合（尊敬語+丁寧語・謙譲語+丁寧語の文の時）は、丁寧語よりも尊敬語・謙譲語の意味が強くなりますので、「急いでおります」の敬語分類は謙譲語にあたります。自分が「急ぐ（急いでいる）」時に使う敬語表現です。
急いでいます
「急ぐ」に、「いる」+「ます」の「います」を組み合わせたものです。「ます」は「急いでおります」の項目でお伝えしたとおり、「です」と同じ使い方をする丁寧語表現になります。つまり、「急いでいます」の敬語分類は丁寧語にあたります。
「急いでいます」は、自分が急いでいる状況・自分側の人が急いでいる状況を表す時に使います。相手が急いでいる様子を丁寧語で表したい時には、「急いでいるようです」などの形でそのことを表します。お客様や取引先など、社外の存在にあたる目上の人・立てるべき人に対してはあまり使いませんが、社内において同じような仕事をしている目上の人（上司）には「急いでいます」を含めた丁寧語表現がよく用いられます。
お急ぎ
「お急ぎ」は、「急ぐ」と同様の意味を持つ「急ぎ」+丁寧表現の接頭辞「お」を組み合わせた敬語表現になります。「お急ぎ」だけで用いられることはごく稀で、「お急ぎでしょうか・お急ぎください・お急ぎ願います」などのように、「お急ぎ」に別の言葉を組み合わせた形で（語+語で構成した文にして）使用されます。「お急ぎ」の敬語分類は、接頭辞「お」が丁寧表現になるため、丁寧語になります。
「急ぐ」を敬語表現にした時の使い方！
敬語表現にして「急ぐ」を示す時には、敬語の種類ごとにある使い方を知っておく必要があります。敬語の種類、各敬語表現の使い方などをお伝えしていきます。
敬語の種類
敬語と言っても、種類がいくつか存在しています。「急ぐ」の敬語表現の中で登場した尊敬語・謙譲語・丁寧語が、敬語分類および種類になります。「急ぐ」の尊敬語は「急いでおれらる」、謙譲語は「急いでおります」、丁寧語は「急いでいます・お急ぎ」でした。
敬語はとにかく使えば良いというわけではなく、各種類ごとに使い方というものが存在しています。つまり、丁寧な表現だからと言ってただ使用するだけでは、逆に失礼になってしまうこともあるということです。敬語の各種類にある使い方を、以下の項目で確認しておきましょう。
使い方（尊敬語・謙譲語）
尊敬語は、目上の人・立てるべき相手に使います。謙譲語も目上・立てるべき相手に使いますが、この2つの敬語分類には違いがあります。まず、尊敬語は「目上・立てるべき相手のことを表す時」に使用する敬語表現です。一方の謙譲語は、「目上・立てるべき相手に対して自分ことを表す時」に使用します。違いを抜き出してみると、「相手ことを表す」と「自分のことを表す」が違う点になります。
つまり、「急ぐ」の尊敬語にあたる「急いでおれらる」は「目上の人・立てるべき相手が急ぐ様子」を表す時に使います。そして、「急ぐ」の謙譲語にあたる「急いでおります」は「目上の人・立てるべき相手に対して自分が急ぐ様子」を表す時に使うことが正しい使い方となります。
使い方（丁寧語）
初回公開日：2018年02月28日
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