Search

検索したいワードを入力してください

2017年10月13日

業務委託契約の解除の通知書/合意書・違約金はかかる?

業務委託契約は、委任契約と請負契約とに大別されます。業務委託契約は法律に明文化されている表現ではないため、あいまいに締結されることも多く、解除時などのトラブルが多いです。正しい業務委託契約の仕方や解除する時の違約金、書式などをご紹介します。

業務委託契約の法的根拠

近年では、仕事を全て自社だけで行うのではなく、業務の一部をアウトソーシングする会社が多くなっています。そのため、委任契約や請負契約を結ぶことも増えてきました。そこで、委任や請負などを含めた業務委託契約が頻繁に使われています。

業務委託契約とは、複数の契約を一括して扱える便利な言葉です。ただし、法律に業務委託契約という表現は存在しません。そのため、契約内容の合意があいまいだと様々なトラブルが発生する可能性があります。その典型的な例が、業務委託契約の解除です。

業務委託契約は工事現場やIT関連のプログラミングなど、多岐にわたっています。そして、必ず業務委任契約の締結を証明する書類を元に契約しましょう。そうしないと、解除する時に問題が起きやすくなるからです。

業務委託契約解除の通知書・合意書

業務委託契約を解除するときには、契約を締結するときと同様に相手に解除を知らせる必要があります。さらには、契約の解除にお互いが合意したことを証明する書類も必要です。解除を知らせる書類が通知書で、解除の合意を示す書類が合意書です。

それぞれの内容

業務委託契約の通知書、合意書それぞれの具体的な内容をご紹介します。

通知書の内容

通知書は、業務委託契約を解除すると相手に知らせるだけの書類です。あまり契約の細かい内容にまで触れる必要はありませんが、解除の期限や内容、そして契約を解除したいという意思は確実に明記しなければなりません。

解除の理由については、必ずしも書かなくても良いですが、今後継続して業務委託契約をする可能性を考えると、書くのがマナーでしょう。

合意書の内容

合意書は、お互いが業務委託契約の解除に合意したことを証明する書類です。通知書の発行後に合意し、双方の署名と押印で業務委託契約の解除が正式に成立します。トラブルがあったときに解除について合意したことを示す大事な書類ですので、確実に保管する必要があります。

書式雛形

次に、業務委託契約の通知書と合意書それぞれの書式雛形をご紹介します。

通知書の書式雛形

日付、自社と相手先の名前と住所を書いた上で、例えば以下のように書きます。

「貴社に業務委託した契約について、○年○月○日付けで解除させていただきので、ここに通知申し上げます。当社の都合で誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。」

合意書の書式雛形

甲及び乙は、○年○月○日に締結された業務委託契約の解除について以下のことに合意した。

一 甲及び乙は、本日付けで原契約の解除に合意したものとする。

一 乙は、原契約の解除に伴い、業務に関わる全ての機材、書類、データを速やかに甲に変換するものとする。

一 残存する業務委託料については、○年○月○日までに精算するものとする。

一 甲及び乙は、合意したことを証するために、本契約書2通を作成し、各自署名及び押印の上、各一通を保管するものとする。

業務委託契約解除の際に違約金はかかる?

業務委託契約の解除には違約金がかかる場合があります。業務委託契約は大きく分けて、民法に規定されている委任契約と、建設業法や下請法に規定されている請負契約があります。そして、そのそれぞれによって違約金の金額が違います。

委任契約の違約金の相場金額

民法643条では、「当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾すること」を委任と定義づけています。そして、委任契約は仕事を依頼した側からでも仕事を受注した側からでもいつでも解除することができます。そのため、お互いにいつでも契約解除されてしまうリスクを負うことになります。

契約解除されないために、契約書に高額の違約金を書くケースもありますが、社会通念上あまりに高額な違約金は民法90条の規定により無効になります。このため、違約金の相場は迷惑料程度のものにとどめられます。

請負契約の違約金の相場金額

請負契約は、委任契約と違い仕事の結果に対して報酬を支払う契約です。例えば工事の場合、途中で工事を放棄したり、完成間近になって契約を解除したら大きな損失を負うことになります。このような場合、違約金は高額になります。また、以下に述べる瑕疵担保責任も問われるなど、より責任が重くなります。

工事のように目に見えるものはまだわかりやすいですが、IT化に伴いプログラミングやシステム開発などの業務委託契約が増えています。それらは可視化されにくく、成果もわかりにくいため違約金についての相場がとても曖昧な現状があります。

業務委託契約解除する際に押さえておきたいポイント

業務委託契約の解除の通知書/合意書・違約金はかかる?

業務委託契約を解除する時に、様々な法律に違反しないかどうかを念入りに確認する必要があります。特に、労働基準法や下請法は要チェックです。その他にも労働省からの通達や告知などには注意しましょう。

民法

民法で業務委託契約の解除に関する特に重要な規定は、債務不履行と瑕疵担保責任でしょう。債務不履行は納期が大幅に遅れるなど、業務委託契約通りの仕事がなされないことです。この場合は契約を解除することが民法541条で認められています。

瑕疵担保責任は、品質に問題があった場合です。品物が壊れていたり、欠陥住宅だったり、衛生上問題がある場合などです。プログラムやシステム開発などに瑕疵担保責任があるかどうかは難しい問題ですが、2017年に成立した改正民法では受注側が多少有利になる予定です。

労働基準法

労働基準法では、使用者は労働者に対して法定労働時間や休日・休憩その他の労働者を保護する基準を守らなければなりません。ところが、業務委託契約は別の会社に仕事を発注するので、発注した会社は労働基準法のことを考える必要がなくなります。それを悪用して、実質的には雇用しているのに、業務委託契約として扱うケースも多いです。

もしも実態は雇用契約なのに、業務委託契約として不当に低い賃金や長時間労働を強いられているのであれば、労働基準法違反に問われることがあります。同様に、業務委託契約の解除と称して解雇された場合も、不当解雇になる可能性があります。

下請法

下請法には、親事業者の禁止行為が11項目定められています。下請代金を受領後60日以内に支払わない支払い遅延などです。業務委託契約の解除に関わる内容で、例えば受領拒否があります。これは、下請事業者が契約通りに納品した製品やサービスを、親事業者の都合で受け取らないことです。

その他にも多くの禁止行為がありますが、これらに違反した場合は公正取引委員会の調査を受け、罰金が科されることになります。通常の業務委託契約の解除ではなく違法行為と扱われますので、事業者は注意しなければなりません。

相手との今後のつき合い

業務委託契約の解除ができるケースでも、相手との継続的な業務委託などを行うのであれば、安易に解除しない方が良いでしょう。理由もなく簡単に契約解除されたら、相手も次回は別の会社と業務委託契約をすることにもなりかねません。優秀な委託先を失わないように注意しましょう。

同様の理由で、違約金についてもあまり厳密に請求するよりも、相手の都合も考えて違約金を減額するなどすると、次回以降の契約も良好に行うことができるでしょう。ただし、あまりに商品の納期が頻繁に遅れたり、欠陥品の納入が多いなどの場合は、きちんと違約金を請求した上で解除するなど、メリハリはつけるようにすべきです。

過去の判例

業務委託契約の性質として、一方的に解除されてしまうと受注側はいきなり収入がゼロにナルリスクがあるため、簡単に解除できないように思われがちですが、実際には解除が認められた最高裁判例も存在します。

最高裁昭和58年9月20日判決によると、委任契約の税理士が業務委託契約を解除され訴訟を起こしたものの、解除が認められました。この辺りの判断は、判例によってかなり個別具体的に差があります。

業務委託契約の解除は慎重に

業務委託契約は、便利に使える反面、様々なトラブルが起きやすい契約でもあります。特に契約の解除に関わるトラブルは後を絶ちません。契約内容があいまいなまま締結したり、契約書を作成しないケースも多いと考えられています。

解除などのトラブルを避けるために、事前に契約内容や仕事の成果、納期、報酬、違約金の規定、損害賠償について、解除に関する規定などの取り決めを慎重に行うべきです。

Latests