御仏前の書き方と見本|夫婦/連名/薄墨/金額/中袋/裏
更新日:2024年10月31日
実は知らないお葬式のマナー
お葬式のときのマナーは、普段生活していて自発的に学ぶ機会はなかなか少ないです。学生時代に学校で学ぶわけでもなく、大人になって誰かから教わるわけでもありません。
いざお葬式に参列する場面に遭遇して初めて「これはどうするのが常識。お香典袋はどんなものがいいの。御霊前と御仏前、どっちが良いの。書き方は。書くのはボールペンと筆どちらが良い。御仏前・御霊前の金額の相場はどのくらい。どんな流れで会葬するの」と色々疑問がわいてきます。
参列する葬儀が「仏教」の場合、一日目の夕方から夜に行われるのが「通夜」、二日目の午前中に行われるのが「葬儀・告別式」です。さらに、故人が亡くなってから数えて七日目かもしくは葬儀当日に繰り上げて行うのが「初七日(しょなのか)」、四十九日目に行うのが「四十九日(しじゅうくにち)」です。
ここでは、それぞれ遺族、親族、友人知人が参列して僧侶による読経と焼香をします。仏教の場合、通夜、葬儀、初七日に参列する際に持っていく御香典袋の表書きは「御霊前」、四十九日以降の法事・法要は「御仏前」をお供えします。「御霊前」は、突然の通夜や葬儀で喪主や喪家の宗教がわからない時に用いることができます。
※ただし、仏教の中でも「浄土真宗」の場合のみ、通夜や葬儀の場で「御仏前」を用います。浄土真宗の教えでは、亡くなると同時に仏になるものであり、仏様の前に供えると考えるためです。
今回は、事前に故人・喪主・喪家の宗教が浄土真宗以外の仏教だとわかっているケースを想定し、御香典袋の表書きが「御仏前」となっているものを用いてご紹介します。
さあ困った!御仏前の書き方は?何から始めればいいの?
御仏前の書き方の前にお金を包む封筒準備!のしって何?
「御仏前」の書き方やお金を用意する際に必要なのが「熨斗袋(のしぶくろ)」と呼ばれる、香典(こうでん)を入れる封筒です。故人にお供えするお金を「香典」と呼び、故人に対する供養の気持ちを表わすもので、線香や花の代わりとして法事・法要の際に持参します。
上にある画像に白地に黒字の「御仏前」の文字と何やら紐の絵が描いてある「香典用の封筒」が熨斗袋です。描かれている紐は「水引き」といい、色は「黒+白」「黄+白」、双銀のパターンがあり、結び方も「結び切り」または「あわじ結び(あわび結び)」の二種類があります。
これらには、組み合わせにより何種類かあり、宗教や法要の内容によって選ぶ必要があります。その種類を少しご紹介します。
御仏前に使う熨斗袋の種類と書き方と使い方は?
熨斗袋の種類、書き方、使い方はこんな感じに分けられます。
・浄土真宗以外の仏教で、通夜・葬儀・告別式・初七日に用いる場合
表書きは「御霊前」か「御香料」、黒白か双銀の水引きで、結び切りまたはあわじ結びの熨斗袋
・浄土真宗で、通夜・葬儀・告別式・初七日に用いる場合
表書きは「御仏前(御沸前「仏」の旧漢字)」、黒白か黄白か双銀の水引きで、結び切りまたはあわじ結びの熨斗袋
仏教以外で神道やキリスト教などの葬儀に用いられるものは「御仏前」ではなく、また別の種類があるため注意して準備します。
御仏前として包むお金の金額はいくら?相場は?
御仏前に包む金額の相場は、故人との関係や付き合いの深さ、また年齢や地域によっても異なります。とはいうものの、一応の目安となる金額は知っておきたいところです。ただし「4」や「9」のつく金額は「死」や「苦」を連想し縁起が良くないため、4,000円や40,000円、9,000円や90,000円などの金額は、御仏前に関わらず祝事でも避けましょう。
御仏前として包む金額の相場を、故人との関係×会葬する本人の年齢の目安ごとにご紹介します。この御仏前の金額はあくまで目安なので、故人への気持ちも考慮して本人が金額を決めれば良いでしょう。
故人との関係×会葬する本人の年齢別の御仏前金額目安はこちら!
①祖父母、配偶者の祖父母
本人20代:10,000円
本人30代:10,000円から30,000円
本人40代:30,000円から50,000円
②父母、配偶者の父母
本人20代:30,000円から100,000円
本人30代:50,000円から100,000円
本人40代:100,000円
③兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹
本人20代:30,000円から50,000円
本人30代:30,000円から50,000円
本人40代:100,000円
④おじ、おば
本人20代:10,000円
本人30代:10,000円から30,000円
本人40代:10,000円から30,000円
⑤その他の親族
本人20代:3,000円から10,000円
本人30代:3,000円から20,000円
本人40代:5,000円から30,000円
※全く交流のない親族の場合、葬儀に参列しなかったり御仏前を出さない場合もあります。
⑥友人、知人
本人20代:5,000円
本人30代:5,000円から10,000円
本人40代:5,000円から10,000円
⑦友人、知人の父母
本人20代:3,000円から5,000円
本人30代:3,000円から10,000円
本人40代:3,000円から10,000円
⑧勤務先の上司
本人20代:5,000円
本人30代:5,000円から10,000円
本人40代:5,000円から20,000円
⑨勤務先の上司の家族
本人20代:3,000円から5,000円
本人30代:3,000円から10,000円
本人40代:5,000円から10,000円
⑩勤務先の社員、同僚
本人20代:5,000円
本人30代:5,000円から10,000円
本人40代:10,000円以上
⑪勤務先の社員、同僚の家族
本人20代:3,000円から5,000円
本人30代:3,000円から10,000円
本人40代:5,000円から10,000円
⑫先生、教師、恩師
本人20代:3,000円から5,000円
本人30代:3,000円から10,000円
本人40代:3,000円から10,000円
※教え子同士の連名で出してもOKです。
⑬子供の先生など
本人20代:0円から5,000円
本人30代:0円から5,000円
本人40代:0円から5,000円
⑭隣近所(交流がある場合)
本人20代:3,000円から5,000円
本人30代:3,000円から10,000円
本人40代:3,000円から10,000円
⑮仲人
本人20代:10,000円
本人30代:10,000円
本人40代:10,000円以上
ただし、会社関係や取引先関係の葬儀に個人ではなく会社を代表して会葬する時、つまり御仏前の表書きが会社名になる場合は、上司や総務に御仏前の書き方や金額を確認しておきましょう。
金額以外に気をつけることは?
お札を入れる場合、二枚以上であればお金の向きは揃えましょう。また、こういった不祝儀には地域によってもマナーは異なりますが、新札は用いない方が無難です。どうしても新札しか手持ちがない場合は、いったん二つ折りにしてから入れましょう。逆に汚れたお札や破れたお札、シワだらけのお札も失礼に当たるので注意しましょう。
熨斗袋の正しい書き方!最初に名前を書きましょう
通夜や告別式や初七日などに用いられる「御霊前」には、薄墨を使って名前を書きますが、四十九日以降に用いられる「御仏前」には薄墨ではなく普通の黒墨を使います。
また、ボールペンや万年筆で書いている人もいますが、名前はきちんと筆か筆ペンを使いましょう。住所や金額はよほど上手な人でないと筆で見やすく書くのは難しく、字が潰れてしまうことがあるので、ボールペンでも大丈夫です。
書き方としては、表の「御仏前」の下部中央に見やすく丁寧に縦書きでフルネームを書いたら表書きは完了です。
御仏前の袋の裏には何を書くの?
一般的に御仏前によく用いられる熨斗袋として、中にもう一枚お金を包むための封筒が入っている中袋入りの熨斗袋と、中袋のないタイプの熨斗袋があります。
中袋のないタイプの熨斗袋を使う場合、表に名前を書き、裏の左下に住所や金額を書くことになります。書き方は全て縦書きで、一番左下に金額として「金 ○○円也」、金額の右隣に住所を書きます。また、最初から住所欄や金額欄が設けられているタイプもありますが、書き方は同じです。
初回公開日:2017年10月20日
記載されている内容は2017年10月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。