御仏前の書き方と見本|夫婦/連名/薄墨/金額/中袋/裏
更新日:2024年10月31日
中袋ってナニ?そもそもどんな意味がある?
一般的に中袋とは、熨斗袋の中にさらにお金を大切に包んでお供えするために使われています。しかし、地域によっては中袋を使うと「袋が二重になり不幸が重なることになるため、縁起が良くない」という考え方もあります。
そのため、御仏前や御霊前には中袋付きの熨斗袋を買って中袋を抜いてしまい、外装だけを使った書き方もあります。中袋を使うかどうかは、地域の習慣によって判断しましょう。また、中袋を使わず外装だけ使う場合は、お金を半紙に包んで入れると良いでしょう。
ここで確認!御仏前に書くときは「薄墨」?それとも「黒墨」?
通夜や葬儀、告別式や初七日で遺族の方にお渡しするのは「御霊前」で「薄墨」を使いますが、四十九日以降の法要にお渡しする「御仏前」には「黒墨」を使います。
薄墨には、訃報に接して悲しみの涙で墨が薄くなったという意味があるため、四十九日以前の法要には「薄墨」を使った書き方が一般的です。ちなみに「薄墨」は、キリスト教の葬儀でも同じ意味をもってよく使われます。今回は「御仏前」なので、「黒墨」で書くのが正解です。
御仏前の「数字」の書き方は普段と違う!どんな書き方?
御仏前などの不祝儀の際の熨斗袋に金額を書く場合、普段用いる漢数字の書き方ではなく、難しい旧漢字を使った書き方が慣例です。
「一」「二」などの書き方では、後から文字に線を書き加えるだけで、簡単に数字の改ざんができてしまうため、数字の改ざんができない工夫という考え方からきています。
●現代漢数字から旧漢字へ変換●
1(一):壱/2(二):弐/3(三):参/5(五):伍/7(七):七(または漆)/8(八):八/100(百):百/1000(千):仟(または阡)/10000(万):萬※「○○円」を「○○圓」と書くこともあります。
こういった御仏前などの不祝儀以外に、結婚式や出産祝いなどのめでたい時に用いられるご祝儀にも使えるので、ぜひ覚えておくと便利です。
出す人によって御仏前の書き方が違うことに注意!
今までは、個人で御香典を包む場合の書き方をご紹介しましたが、夫婦で会葬する予定や夫婦二人ともが故人や喪主・喪家と関わりがあり、連名で香典を包む際など御仏前の書き方が変わってくる場合があります。ここでは、例を挙げてパターン別に御仏前の書き方をご紹介します。
①夫婦で出したい場合の書き方は?
例えば、夫婦でお世話になった大学時代の恩師が亡くなってしまった場合です。通常、家族として故人や喪家と繋がりがある場合は夫の氏名だけでも良いですが、夫婦とも故人にお世話になった場合などは、中央に夫の氏名を書き左に妻の名前のみを添えます。
住所や金額は、先ほど紹介した書き方で丁寧に書きましょう。また、夫婦で出す場合は以下でご紹介しますが、友人や職場の人同士の連名で出す場合とは違い、一人あたりの金額を明細にして添付することはありません。
さらに、夫の出張中に法要が開かれ、妻が夫の代理で会葬する場合の書き方は、持っていく熨斗袋の表に夫の名前を書き、その名前の左下に小さく「内」と書きます。会葬者名簿を書く場合も書き方は一緒で、夫の名前の左下に「内」と書きます。ちなみに、これは通夜・葬儀・告別式・初七日などの「御霊前」でも同じです。
②職場の人と連名で出したい場合の書き方は?
例えば、会社の同僚や取引先の人が亡くなった場合、職場の部署ごとや同僚の有志何人かでまとまって連名で御仏前を包むことがあります。大人数の連名で御仏前を包む場合は、中袋のある外装付きの熨斗袋を使いましょう。四名以上で連名にする場合の例が上の画像です。
書き方としては、熨斗袋外装の表には会社名や「○○高校○年○組 有志一同」「○○大学○○サークルOB・OG有志一同」など、連名にする団体の名前を書きます。そして、中袋の書き方は、表の中央に「金 ○○円」と書き、中袋の中に香典と連名にした人の明細を別紙にして一緒に入れます。
この別紙には、まず右側に熨斗袋表に書いた団体名を書き、目上の人から順に書いていくのが正しい書き方です。この連名の書き方も、通夜・葬儀・告別式・初七日で使えます。
③友人同士の連名で出したい場合の書き方は?
例えば、高校時代の恩師が亡くなった場合や、大学時代の先輩が亡くなったなどの場合、友人や仲間同士が集まって連名で御仏前を包む時、クラスや部活全員ではなく数人単位で包むのであれば、中袋のないタイプの熨斗袋を連名で使った書き方はいかがでしょうか。
連名は、三名までがベストです。四名以上になるのであれば、三名ごとに仲良い人と連名で包むか、もしくは上でご紹介した明細別紙を添付する書き方もあります。
連名で出したら、受付から一人分の金額を聞かれることも?
初回公開日:2017年10月20日
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