小説の「猿の手」のあらすじ・願い事一覧・作者|最後の願い
更新日:2024年07月30日
小説の「猿の手」のあらすじ
「猿の手」とは原題名が「The Monkey's Paw」という英国の怪奇小説です。Pawという英単語は「(爪のある)動物の手」と言う意味で、最近猫の肉球を「Paw」と訳しているのをしばしば見かけます。しかし、小説の「猿の手」に出てくる「Paw」は干からびたミイラ状態で、かわいらしさ皆無です。
この猿の手は、日本におけるホラーアンソロジー作品の始まりとも言われおり、いろんなアンソロジー作品に収められています。代償を必要とするが、願い事を叶えてくれるというシンプルな話の構成は想像力を刺激します。よって、後世の作品に刺激を与え、形を変えて読み継がれているのでしょう。
なので、この作品は映像作品化もされています。日本で有名どころとして、「世にも奇妙な物語」でしょう。この「猿の手」のあらすじ を簡単に紹介しましょう。
エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談
「猿の手」はいろんな怪奇小説アンソロジーに収められていますが、ここで紹介するアンソロジー作品は、奇才エドワード・ゴーリーが選りすぐった怪奇小説が収められています。古典名作である「猿の手」の他にも、「信号手」も収録されています。嬉しいことに、エドワード・ゴーリーの描き下ろし挿絵付きです。
英作家の怪談古典アンソロジー。原著の出版は1960年前後で、収録短篇はかなり古い作品(発表年が出ていないので自分で調べた)。さすがに語り口は古めかしいが、面白いものはやはり面白い。
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ミイラ
ある雨が降った夜に、年老いた夫婦と一人息子が住む家にとある軍人が訪れます。その軍人はインド帰りで、夫の古い知り合いでした。もてなして酒が入ると、軍人はこれまで経験してきた戦争の話や災害、奇妙な民族の話を聞かせてくれます。その話を聞いていた夫は、昔その軍人が話してくれた「猿の手」の話を思い出します。
軍人は血相を変え、「猿の手」の話をそらそうとしましたが、軍人は妻の好奇心に負け、ポケットから干からびたミイラになった動物の腕を取り出しました。軍人曰く、このミイラは3人の別々の人間が、それぞれ3つの願い事を叶える呪いがかけられていると言います。
息子は軍人にこのミイラに願い事をして、叶ったのかと聞きました。願い事をして叶ったと血の気が失せた顔で告白します。そして、この「猿の手」を最初に手に入れたものは、最後の3番目の願いは自身の死だと言われていると言います。
オチ
軍人は「猿の手」を処分しようと試みましたが、なんだかんだで、老夫婦はその軍人から「猿の手」を譲り受けます。軍人は願うなら、分別のある願いをしてくれと言って、帰ります。さて、老夫婦は何を願おうか悩みます。なぜなら、欲しいものは大体持っているからです。すると、息子が家のローンの残りを払ってほしいと願ったらと勧めます。
家の残りのローンは200ポンドです。老夫婦は200ポンド欲しいと「猿の手」に願いますが、特に願い事が叶った様子はありません。しかし、次の日に最愛の息子が勤め先で事故に遭い、死んでしまいます。会社側は見舞金を支払うと言います。その金額は200ポンドでした。
息子は家から2マイル離れた墓地に埋葬されます。息子の死から10日たった夜に、妻は「猿の手」に息子を生き返らしてほしいと、夫に頼みます。夫は最初、「猿の手」にそんなことを願うのは愚かなことだと主張しますが、根負けします。
結末
息子が生き返ることを願った後、特に何も起こりません。夫は内心、「猿の手」が効力を発揮しなかったことに安心していました。しかし、その夜に玄関のドアからノックの音がします。
喜んで妻はドアを開けようとしますが、夫は息子の死んだ直前の、無残な姿を見ていたため、そのドアの前に立っている息子の姿に怯えた夫は、「猿の手」に最後の願いをお願いします。すると、ノックの音は止み夫が外に出ると、静かな通りを街灯が照らしているだけでした。
小説の「猿の手」のなかでの願い事一覧
3つの願いを叶える「猿の手」は、願いことを叶えてはくれますが、その引き換えに高い代償を支払うようにできています。これは、等価交換と言えるのでしょうが、軍人の話を聞くと「猿の手」に願い事をすると、必ずと言っていいほど不幸になっています。
これは「猿の手」が願いを叶えることができるようになったことに原因があります。今回は「猿の手」が叶えた振り返ってみましょう。
呪い
初回公開日:2018年04月02日
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