第一次世界大戦で使用された武器とは?銃器の種類や不採用だったものも解説
更新日:2024年06月09日
世界大戦と聞くと第二次世界大戦をイメージする人が多く、第一次世界大戦についてはその詳細をあまり理解していないという方も多いのではないでしょうか。
日本領土が直接攻撃されたわけではないので、日本人の被害状況も第二次世界大戦と比較すると確かに少ないです。しかしながら、第一次世界大戦でも約300人の日本人兵士が犠牲になっています。
本記事では、そんな第一次世界大戦が起こった原因と経過、そして当時の武器について解説しています。
学生時代の歴史の授業で習った人も多いでしょうが、当時使用されていた武器や開発されていた武器について知ることで、より具体的に当時の戦況を理解することができます。
「第一次世界大戦はどのような戦争だったの?」「第一次世界大戦ではどんな戦い方をしていたの?」と気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
第一次世界大戦が起こった原因
過去の戦争を見てみると、原因として文化の違いや世界経済の悪化といったさまざまな原因が挙げられます。第一次世界大戦における一番大きなきっかけとなったのは、サラエボ事件と呼ばれる出来事です。
19世紀末のヨーロッパでは、多くの国がアジアやアフリカの地に植民地をもっており、領土拡大を進めていくなかで土地の取り合いになることが多く、ヨーロッパの国同士の対立も多発していました。
また、サラエボが位置する当時のバルカン半島では、オスマン帝国が衰退したことで独立を目指した民族同士の対立も発生し、いつ戦争が起こってもおかしくないという状況にありました。
そんな状況下で起こってしまった事件がサラエボ事件です。
1914年、オーストリア皇太子夫妻がサラエボ(現:ボスニアヘルツェコビナ)の地でセルビア人に暗殺されてしまいます。
この事件をきっかけに、オーストリアがセルビアに対して宣戦布告しました。それを受けたロシアは、オーストリアの動きに対抗して総動員令を発令します。
もともとセルビアはロシアの支援を受けて独立した国なので、今回もセルビアを援助するかたちになりました。
このロシアの動きを見ていたドイツが今度はロシアに対して宣戦布告し、さらにはロシアと同盟を組んでいたフランスとも戦闘状態に入ってしまいました。
また、ベルギーは中立の立場をとる国でしたが、ここにドイツが侵攻したことを理由に、イギリスがドイツに対して宣戦布告します。
このように、サラエボ事件を最初のきっかけに、ヨーロッパ各国を巻き込んだ世界大戦へと進んでしまいました。
第一次世界大戦の経過
1914年に始まった第一次世界大戦ですが、その後1918年までの約4年間にわたってヨーロッパの国々で戦争が継続しました。
ドイツ・オーストリア・オスマン帝国を中心とした同盟国側と、イギリス・フランス・ロシアを中心とした連合国(協商国)側それぞれの国が軍事力・技術力を動員した総力戦となります。
当時、イギリスと日英同盟を結んでいた日本は、開戦当初には中立の立場を表明していました。しかしながら、イギリスとの関係性や国益を理由に開戦から約4か月後の1914年にはドイツへ宣戦布告し、連合国側として参戦することになります。
塹壕戦が主な戦い方であったことにより長期化した第一次世界大戦でしたが、1917年にアメリカが連合国側として参戦したことで戦況は大きく変わることになります。
ドイツが行っていた無制限潜水艦作戦という攻撃により撃沈してしまったイギリスの大型客船ルシタニア号のなかに、乗客であったアメリカ人が含まれていたのです。
この事件をきっかけにアメリカがドイツに宣戦布告し、連合国として第一次世界大戦に参戦しました。
その結果、1918年11月に連合国側の勝利というかたちで終焉を迎えることとなりました。
第一世界大戦中に世界で使用された武器とは?
約4年間も続いた第一次世界大戦ですが、機関銃・毒ガス・ 戦車・飛行機など、当時の最新技術を駆使した武器が多く使われました。
戦場で最初に活躍した武器が機関銃です。従来の銃に比べてトリガーを引き続ければ弾丸を継続して発射できる機関銃は、兵士たちの大きな脅威となりました。
その結果、機関銃からの攻撃を恐れた両軍の兵士たちは、銃砲撃から身を守るために陣地の周りに穴を掘って隠れるという塹壕戦を選択することになり、戦争は長期化することとなります。
そして、この塹壕戦をなんとか攻略出来ないものかとイギリスで開発されたのが戦車です。
現代の戦争でも使用されているイメージの強い戦車ですが、最初に登場したのが第一次世界大戦です。
戦車は機関銃からの攻撃に耐えられるだけでなく、塹壕を超えることのできる兵器として第一次世界大戦が終焉を迎える1年前頃に初めて戦場に本格投入されました。
また、敵陣の偵察を目的として導入されていた飛行機に対しても機関銃・爆弾が搭載され、徐々に兵器として使用されるようになっていきます。
さらに、ドイツ軍によって毒ガスが使用されると、それに報復するかたちで協商国側(イギリス軍・フランス軍)も使用し、両陣営が大きな犠牲者を出す結果となりました。
第一次世界大戦中に世界で使用された武器の特徴
第一次世界大戦では、機関銃や重砲のような火力の強い武器が多く使用されていました。
機関銃とは、引き金を引いているあいだ連続して弾薬を発射し続けることができる銃のことであり、重砲とは口径の大きな大砲のようなもののことです。
これらの武器が使用されるようになった背景には、1904年~1905年に開戦された日露戦争による教訓が大きく関係しています。
日露戦争では、日本軍による銃弾や砲弾の破片に対抗するために設置されたロシア軍のマキシム機関銃が、突撃を仕掛ける日本軍兵士に大損害を生じさせました。損害を受けた日本軍側でも、秋山好古という人物が機関銃を使用することで世界屈指の騎馬隊とも言われるロシア側の騎馬隊に勝利し、日露戦争での日本の勝利に大きく貢献したのです。
この秋山好古という人物は、自らが騎馬隊の団長であったにもかかわらず馬に乗ることをやめ、機関銃で騎馬隊を迎え撃つという選択をしたことで、当時世界屈指の騎兵隊と言われていたロシアの騎馬隊を撃破しました。
機関銃の重要性を目の当たりにした世界の国々は、第一次世界大戦でも重機関銃や重砲といった火力の強い武器を大量に投入するようになったのです。
また、第一次世界大戦開戦後も早期に戦争を終わらせるために、多くの武器が開発され戦場に投入されていきました。
第一次世界大戦で使用された銃器
ここまで解説したように、第一次世界大戦では火力の強い機関銃や重砲が使用されていました。各国が対戦国に勝利するために、当時としては最新の武器と戦略を用いて、戦いに挑んでいたことが伺えます。
時代と共に進化していった銃器を使用することで塹壕戦という新たな戦い方が生まれ、戦争が長期化してしまったことは、当時の人々にとっては想定外だった可能性があります。
また、第一次世界大戦では機関銃や重砲だけでなく、ライフル銃や挙銃も活躍しました。
100年以上前に開戦した第一次世界大戦ですが、当時使用されていた銃器の中にはモデルチェンジを繰り返しながら、現在まで使用されている銃器も多数存在しています。
それらの銃は、現代でも繰り広げられている戦争や内紛で使用されているだけでなく、猟銃や競技用の銃として親しまれているのです。
ここでは、第一次世界大戦時に使用されていた銃器の特徴や開発経緯について解説します。
初回公開日:2022年09月22日
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