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【立場別】越権行為の例・処罰例|法律/上司/看護師/解雇

更新日:2024年02月16日

越権行為というとどのような印象を受けるでしょうか。非常に怖いことのようなイメージです。部下が上司に越権行為をするだけでなく、最近よく聞くパワハラなども上司からの越権行為です。越権行為を正しく認知し、日常生活が脅かされることの内容に対処していきましょう。

越権行為への処罰例

民法第110条に、権限外の行為の表見代理の条文があります。代理人が、権限外の行為をしたときに、代理人はその行為について責任を負わなくてはならないと書いています。ただ、正当な理由がある場合は過失とはいえないとも記されています。

しかし、「権限外の行為」であるか無いか、「正当な理由」があったかどうかを法律で判断することは非常に難しいとされています。職場などでは反省文などで対応する例もあります。実際の処罰例について挙げます。

法律での処罰例

本来弁護士しか行うことができない法律事務を、司法書士が行って弁護士法違反として刑事罰を受けた例があります。H28年、司法書士法人新宿事務所に対して、140万円を超える過払い金の案件を扱ったとして東京法務局が懲戒請求を申し立てました。これは、最終的に「代理できない営業の範囲である」つまり、越権行為が認められ違法とされました。

越権行為として解雇を言い渡された例

業務改善等についてチームメンバーへ提案や人事について提案をした方がいます。ただ、長年の経験があったため上司は通さず自分の判断で行ってしまいました。結果、上司より越権行為で解雇を言い渡されてしまいました。その上司より長年の経験があり、職場内を熟知していたため行ったことですが、職場内の業務全体や人事に関わることは上司の決めることです。

越権行為であると解雇を言い渡されましたが、解雇に関しては不当であると争っていく姿勢でいます。

立場別越権行為の例

あらゆる職種別にも特徴的な越権行為があります。

看護師の越権行為

看護師は、医師やコメディカル、患者や家族という関わりの中の中心にいます。医療チームの中で越権行為を最もしやすい職種と言えます。医師に対しては医師の下すべき医療行為の判断を看護師がしてしまう、患者に関しては患者の病気だけでなくプライベートな内容に口を挟んでしまうなどです。

ただ、医師に対しては、医師不在時の緊急事態に対応せざるを得なかったり、患者に対しては日常生活から派生する病気を看ることも多いため、どうしてもプライベートなことに口を挟まずには進まないという事情もあります。

病気や生命に関わる仕事ですので、相互関係が良好に信頼関係を保っていれば大きな問題になりにくいのですが、そこが弱いとトラブルになることもあり難しい問題です。

株主の越権行為

筆頭株主であっても、経営権の実態を担うことはできません。代表取締役の役職でもないのに、実際の代表取締役が決済すべきことを決済してしまったりすることは、越権行為になります。実際には株主が経営の細部にまで口を出したり、決定までしてしまう例が日本では多々あります。

それに対して、どう対応するかというと法律ではなかなかすっきり解決できないというのが実情です。社員や幹部、その他の株主や顧客、取引銀行などをすべて巻き込んで状況を改善していくしかないというのが現状ですが、長く時間がかかります。そうなると、どちらかが退任するしかないという状況にもなり、越権行為に対して非常に問題がこじれる可能性も多々あります。

介護士の越権行為

介護士の越権行為としては、医療行為をしてしまうことや利用者へのプライベートなことへの口を挟むこと、また利用者の尊厳を傷つけるようなことが挙げられます。

介護士の医療行為に関しては、高齢化社会へ向けて徐々に行える範囲が増えています。実情に合うように改定されていますが、やはり医療の知識が無ければできないことがあります。それらを、経験や日常の知恵などでやってしまうことは越権行為です。

また、最近介護士による利用者への暴言などが騒がれていますが、利用者はきちんとお金を払って福祉サービスを利用しているのであり、介護士の方が指示する側ではありません。しかし、この境界線を理解できない、ごく一部の介護士による越権行為があるのも事実です。

秘書の越権行為

秘書は非常に繊細な仕事です。適切なサポートをしなければ気が利かないと言われてしまいますし、やりすぎれば越権行為といわれてしまいます。心得ておくことは、上司の代わりや代理にはなれないということです。上司や社長の雑務を代行するのが秘書であって、上司の決裁や稟議のサインの代行などはできません。

いつもどおりのことであっても、社長や上司の判断を仰ぐまでは、勝手に決済してはいけません。また、スケジュール管理などに関しても、あくまでも調整や管理に徹し、スケジュールを決めることに口は出せません。秘書という仕事の奥深い所でしょう。

越権行為で泣かないために

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初回公開日:2018年05月08日

記載されている内容は2018年05月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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