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人生に役立つ漢文の名言|努力や人間関係などに関する言葉を紹介

更新日:2024年10月13日

最近、漢文に触れたことはありますか。本記事では、『論語』や『三国志』などの漢文を用いて、人生に役立つ名言を紹介しています。漢文について興味を持たれた方、古代中国から現代に伝わる名言を知りたい方はこの記事を読んでみてください。

「君去らば春山誰と共にか遊ばん」と読みます。出典は劉商の『送王永』という漢詩で、劉商の友人である王永を見送る詩です。

漢文は「君(王永)が去ってしまったら、春の山へは誰と遊びに行ったらいいのだろうか」と訳すことができます。この文から劉商と王永はよく春の山で遊んでいたことが伺え、直接別れが辛いとは言っていないのに、名残惜しさが感じられる名言です。

国破山河在

先に続き、こちらも漢詩からの紹介です。漢文は「国破れて山河在り」と読みます。出典は杜甫の『春望』です。

戦乱で都が破壊しつくされる一方で、自然の山や河の景色は変わらないという意味です。作者の杜甫はこの時戦乱に巻き込まれており、敵に軟禁されている時にこの詩を詠んだとされています。

この後には「家書 萬金に抵る」とあることから、会えない家族の安否を心配しているのでしょう。戦による時世のありさまに対して無常観を感じていることが読み取れます。

一見、意味が分からない漢文でも、当時の時代背景などを照らし合わせてみると、作者がどのような気持ちで書き記したのか読み取ることができます。

勝負に関する漢文の名言

最後のテーマは勝負です。試験やプレゼンなど、人生では自らを奮い立たせて立ち向かわないといけない時があります。そんな時、名言が側にあると心強いのではないでしょうか。

ここでは歴史書などから勝負に関する名言を2つ紹介します。どちらの名言も時代背景と共に紹介しているため、説得力があります。

此誠危急存亡之秋也

「水魚の交わり」に続き、こちらの名言も『三国志』が好きな方は見覚えがあるのではないでしょうか。出典は諸葛亮の『前出師表』です。

「此(これ)誠に危急(ききゅう)存亡(そんぼう)の秋(とき)なり」と読み、生きるか死ぬかの瀬戸際であるという意味の名言になります。

この『出師の表』が書かれた時、君主である劉備は亡くなっており、息子である劉禅が跡を継いでいました。この時、蜀は戦乱続きで疲弊状態にあったものの、劉禅はまだ若いこともあり危機感を抱いていません。

これに対して、諸葛亮は「危急存亡の秋」という言葉を使い、劉禅への訓戒の意を持ってこの上奏文を奉ったとされています。

臥薪嘗胆

最後の漢文は「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」になります。出典は歴史書である『十八史略』で、盛大な復讐物語によって誕生した名言です。

『十八史略』によると、春秋時代、呉という国の王であった興梠(こうりょ)という人物は、越の王句践(こうせん)に殺されます。

興梠の息子である夫差(ふさ)は、復讐を果たすまで薪の上で寝ることにより、その痛みで復讐心を燃やし続けます。その結果、3年後に句践を降伏させたのです。

降伏して生き延びた句践は呉を打ち倒す為、国力を回復することにします。その際、苦い肝を舐め続けて夫差への復讐心を燃やし続けました。最終的に句践は呉を攻め、夫差を自決に追い込みました。

固い薪の上で寝るという意味の「臥薪」と、苦い肝をなめる「嘗胆」が語源となり、臥薪嘗胆が誕生しました。この名言は先述の夫差と句践のように、「目的のために、歯を食いしばって血のにじむような努力を続けること」という意味です。

漢文の名言を読み解き人生に役立てよう

いかがでしたか。漢文に触れたのが学生時代以来という方でも、よく知っている名言があったのではないでしょうか。このように、漢文は現代でもなお名言やことわざとして私たちの生活に溶け込んでいます。

漢文の名言は短いながらも説得力があるため、日常生活での会話だけでなく、仕事や勉強への決意表明など大事な時にも使うことができます。もし心が動かされた名言があったなら、メモをしていつでも見返せるようにすると良いでしょう。

また、漢文に興味が湧いたという方は『後漢書』や『春秋』といった中国古典文学に触れてみると良いでしょう。ここに紹介した名言以外の新たな名言と出会える可能性もあります。

初回公開日:2022年07月28日

記載されている内容は2022年07月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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