人生に役立つ漢文の名言|努力や人間関係などに関する言葉を紹介
更新日:2024年10月13日
路雖近、不行不至
「道は邇(ちか)しと雖(いえど)も、行かざれば至らず」と読みます。出典は『荀子』の修身編です。
どんなに近い道のりでも、自ら進まなければ到達しないという意味です。先に紹介した名言の「千里之行、始於足下」と意味は似ています。
『荀子』ではこの後に「どんなに小さなことでも行わなければ完成しない」と続いています。小さな課題であっても手を付けない限りは解決しません。この漢文の名言を胸に、後回しにしたり、手を抜いたりすることの無いように、しっかりと向き合いましょう。
人間関係に関する漢文の名言
漢文では人間関係に関する名言も多数あります。ビジネスにおける人間関係で役に立つ名言もありますし、夫婦仲に関する名言は結婚式でのスピーチなどにも使うことができるでしょう。
今回は『論語』などの漢文から3つ紹介します。
妻子好合如鼓琴瑟
「妻子、好合し、琴瑟を鼓するが如し」と読みます。出典は『詩経』の小雅・常棣編です。
琴と瑟の音が調和するかのように仲が良いことを意味する名言になります。瑟とは古代中国で使われていた25弦の琴のことです。
この漢文では妻子について喩えられていますが、この詩句に基づいた「琴瑟相和」という四字熟語では夫婦仲が良いという意味になります。また、「琴瑟相和」の対義語には「琴瑟不調」があります。
巧言令色鮮し仁
「巧言(こうげん)令色(れいしょく)鮮(すくな)し仁」と読みます。出典は『論語』です。
「巧言」とは口先巧みに言葉を述べること、「令色」は愛想が良い、「鮮し」は滅多にいないという意味です。これらを組み合わせると、口先だけで顔つきだけ良い人間には誠実な人がいないということになります。
この名言によると、おべっかだけを使う上辺だけの人間には人格者にはなり得ません。さらに、『論語』では「人格者は愛想が無く口が重い」と説いています。
孤之有孔明 猶魚之有水也
この名言は『三国志』が好きな方なら見覚えがあるのではないでしょうか。「孤の孔明有るは、猶ほ魚の水有るがごとし」と読みます。出典は『三国志』蜀志 諸葛亮伝です。
「私に孔明がいるのは、魚に水があるようなものだ」と訳します。この故事は「水魚の交わり」として、切っても切れない親密な関係を表す時に使われています。
漢文上では君主と臣下の関係で使われていますが、夫婦関係や友人関係など幅広く使うことができます。
別れに関する漢文の名言
出会いもあれば別れもあります。古代中国の人々はどのように別れを惜しんだのでしょうか。
『春望』などの漢詩から別れに関する漢文の名言を紹介しています。意味に加えて時代背景なども調べてみると良いでしょう。それぞれの漢文が別れに対する名残惜しさや無常さを伝えてくれるでしょう。
君去春山誰共遊
初回公開日:2022年07月28日
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