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ルシファーとサタンの違いは?それぞれの意味もあわせて紹介

更新日:2024年11月03日

ルシファーとサタンの違いについて興味を持っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、ルシファーとサタンの意味、関係性について紹介していきます。同一人物なのか、別人物なのか気になっている方は、それぞれの説についても取り上げているため参考にしてみてください。

「ルシファーってどういう意味の言葉?」
「ルシファーとサタンは別の人物なのか?」
「ルシファーとサタンの関係は?」
このように、ルシファーやサタンという名前を聞いて、それぞれの存在に興味を持った方もいるのではでしょうか。

ルシファーもサタンも、悪魔の名前として物語やゲームに登場することもあるため、1度は名前を聞いたことがある方も多いでしょう。

本記事では、ルシファーとサタンは同一人物なのか、別の人物なのか、意味や違いについてなど詳しく紹介していきます。

この記事を読むことで、ルシファーとサタンについての認識が深まり、それぞれの意味、違い、関係性などを理解することが可能です。ルシファーとサタンが別人物なのか、同一人物なのかも、それぞれの説がどんなものか知ることもできます。

ルシファーやサタンなど、悪魔や聖書に登場する存在に興味を持っている方はぜひ、知識を深めるためにも本記事を参考にしてみてください。

ルシファーとは?

ルシファー(Lucifer)は、地獄に落ちていった天使の名前です。言葉自体には、「光を帯びた者」「光り輝く者」「暁の子」「明けの明星」などの意味もあります。語源はラテン語で、「光」という意味のルークスから来ています。

ルシファーは、もともと上位の天使であり、天使の中でもとりわけ神から寵愛を受けていました。そういった部分で「光を帯びた者」「光り輝く者」など、明るい呼び名があるのでしょう。しかし、後に神と敵対して、天界大戦争を引き起こします。

なぜ神に愛されたルシファーが反旗を翻したのかという点ですが、これは創造した神のミスとも言えるでしょう。神は、自分に自然な愛情を芽生えさせることを目的として天使の中で自由な意思を持った者を作りました。

しかし、ルシファーたちが神に向けたのは愛情ではなく反逆心だったのです。この大戦は、長きに渡って続きましたが、ルシファーと彼に賛同した天使たちが敗北します。

敗戦したルシファーたちは地獄に落ちていきました。このような流れもあり、ルシファーは、「光をもたらす堕ちた天使」と言われています。

ただ、もともとの言葉の意味である光のイメージよりも、地獄の王、堕天使としてのイメージが強い印象はあるでしょう。

サタンとは?

サタン(satan)とは、高位の悪魔の名称です。キリスト教では、神の道から反らせようとした悪の力が擬人化したものと言われています。

サタンの語源はヘブライ語です。サタンという言葉自体は「敵対する者」「反対者」「告発者」などの意味を持っています。アラビア圏では、サタンではなくシャターンと発音され、悪魔全般を表します。

サタンと似た言葉に、太陽系の1つである土星を意味する英語のサターン(saturn)を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

しかし、悪魔サタンと土星のサターンは、綴りも語源も何も関係はありません。土星は古代の農耕神サトゥルヌス(Saturnus)が語源で、悪魔的な要素はないでしょう。英語で、サタン(satan)は「セイトゥン」という発音になるため、読み方も似ていません。

悪の大魔王という意味

キリスト教におけるサタンは、もともとは神のもとで働いていた天使の1人でしたが、後に天界を去って地獄に落ちていきます。その際、多くの悪魔、悪霊を従えていきました。

サタンは、地獄に落ちていった者の筆頭として君臨したことから「悪の大魔王」という意味を持っています。

悪魔はサタン以外にも、ギリシャ神話に登場するメデューサや炎の魔人イフリート、地獄の黙示録に最初に登場する悪魔アバドンなど、さまざまな存在します。その中でもサタンが特に有名ではないでしょうか。

現在のように科学的な証明ができなかった時代では、事故や病気、天災などすべて悪魔の所業と言われたのでしょう。そういった悪を遠ざけるものとして、キリスト教は信仰されていきます。

キリスト教が各地に広まっていくにつれて、悪の大魔王サタンの名も人々が恐れるものとして有名になっていったのでしょう。

この世の悪の根源という意味

サタンは、旧約聖書に登場するアダムとイブを騙したり、その子供のカインにアベルを殺すことを提案したりする悪魔がサタンだったことから、サタンは「この世の悪の根源」という意味も持っています。

キリスト教の教義が成立してゆく段階で、サタンにまつわる話が、さまざまな悪の概念と結びついたこともあり、「人類最初の罪を作った者」「悪の根源」などの認識でサタンの存在は広まっていきました。

このような経緯もあって、サタンは固有名詞というより、悪事として1番もとになっているもの、という認識で捉えられることが多いでしょう。

聖書でのサタンとは?

続いては、聖書でのサタンについて解説します。一つ前の項目で、旧約聖書においてアダムとイブを騙したと触れましたが、ここではその点においてもう少し詳しく説明していきます。

また、聖書は、旧約聖書と新約聖書があります。旧約聖書は、ユダヤ教とキリスト教の聖典です。イスラエルの民の歴史が書かれています。

新約聖書は、イエス・キリストの死後、キリスト教徒により独自に作られたものです。旧約聖書に書かれている救世主の予言がイエス・キリストであること、彼の生涯の記録と生前の言行などが書かれています。

旧約聖書でのサタンは、人の悪事を神に訴え、神とは敵対する霊的存在として書かれています。人が神の寵愛を受けないように罪を起こすように誘惑し、逆に人から神への信仰心を離そうとして、人と神の仲を引き裂く行動が多いです。

新約聖書でも、サタンはユダの心に取り入ってイエス・キリストを裏切る有名な話が出てきますが、最終的には、イエス・キリストに滅ぼされる存在としてまとめられています。

旧約聖書の創成期にはヘビとして登場する

サタンが旧約聖書の中で登場するのは、創世記です。創世記に綴られている内容では、神はさまざまな生き物を生み出しましたが、獣の中でずるい性質を持ったものが現れます。

これが、ヘビの姿に化けたサタンです。創世記によると、サタンはイブをそそのかすことに成功します。物語は以下のとおりです。

楽園で自由な暮らしをしていたアダムとイブは、神から禁止されていたことがありました。それは、「知識の樹の果実を食べてはいけない」ということです。

サタンはヘビの姿でイブに近づき「本当に神はこの実を食べることを禁止したのか?」と神の言葉に疑いを持つように話しかけます。そして、「知恵の樹の果実を食べれば、神のように善悪を知るようになる」とも言いました。

イブはヘビと話しているうちに、誘惑に負けて実を食べてしまいます。そして、イブはアダムにも、知恵の樹の果実を食べさせてしまいました。

アダムとイブは約束を破ったことで神の怒りを買い、楽園を追放されることになります。永遠の命も失い、人間は死の運命から逃れられなくなったのです。

ヤギの角を持つのはイエスのたとえ話からきている

サタンの姿が描かれている絵を見たことはあるでしょうか。サタンの姿は、しばしばヤギの角のようなものが描かれていることがあります。なぜヤギの角があるのか不思議に思う方もいるでしょう。

サタンがヤギの角を持っている理由は、イエス・キリストの言葉に起因しています。新約聖書に書かれている、マタイによる福音書によると、イエス・キリストは、「自分に従順な者をヒツジ、それ以外の異教徒や悪魔をヤギ」と口にしました。

このたとえ話が新約聖書に記載されたこともあり、信者の間で「異教徒や悪魔の象徴=ヤギの角」「サタン=ヤギ」という認識が発生し、それがキリスト教美術にも影響していったのでしょう。

また、旧約聖書でもイザヤ書で「山羊の魔神」という闇の存在が登場します。これがサタンを表していた可能性も否定できないでしょう。山羊は古くから悪魔と結びつくイメージがあったと言えます。

この世に悪が存在することを説明することが役割

キリスト教は、一神教です。神こそがこの世のすべてを創り上げたという教えがあります。ではなぜ悪の存在であるサタンが存在するのでしょうか。

神がすべてを作りあげたのであれば、悪魔という人間をそそのかす悪い存在のサタンは、生み出す必要はなかったはずです。

しかし、サタンはこの世に悪が存在することを説明する上で必要だったと言われています。聖書の中でも創世記の早い段階で、イブをそそのかす悪魔として登場していて、この時点で悪だとはっきり認識できる内容でしょう。

実際、絶対的な悪の存在がいることで、人々は恐怖心を持ちます。自分の堕落や傲慢な心は悪魔を呼び寄せると思うと、悪い行いをしないように努めるでしょう。

そして、悪魔の脅威から逃れるために、善なる神を信仰するという流れもできていきます。このように、サタンの存在が「この世に悪が存在する」ということを理解しやすくするため、キリスト教の広まりにも影響を与えていったのでしょう。

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初回公開日:2022年09月02日

記載されている内容は2022年09月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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