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是正処置とは・是正処置報告書の書き方・是正処置の手順

初回公開日:2017年08月08日

更新日:2020年05月26日

記載されている内容は2017年08月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

顧客先に対して不適合を発生させると「是正処置報告書」が必要になります。そもそも是正処置や予防処置って何?水平展開と垂直展開の違いは?3現主義と5ゲン主義って何?面倒に感じる「なぜなぜ分析」についても分かりやすく解説しました。

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是正処置って何?

なぜ是正処置が必要か?

たとえばあなたが自動車を買ったとします。まだ慣れない車ですので、メーターもよく確認します。そんな新車のメーター内に、小さなビスが落ちていたら不安になりませんか?

メーターの交換は当然おこなってもらいますが、その発生原因と流出原因を明らかにし、再発を防ぐ対策を実施してもらえなくては、その自動車を信用できません。

つまり、是正処置は不具合の再発防止のために必要な行動になります。

管理水準と不適合の関係

是正処置は、後工程もしくは顧客先にて不適合が発覚された後、検出された不適合に対して対策をとるものです。

ここで言う「不適合」とは製造工程などにある「管理項目」の「管理水準」から外れたものを指します。これら「管理項目」ごとの「管理水準」は、顧客先との取り決めで定められているのがほとんどです。

製品の品質には、良品として認められる「範囲」があります。その「範囲」から外れた製品が自工程から後工程以後に流出した場合、なぜ発生したのかを調査し、その原因を絶つことが「是正処置」です。

是正処置と予防処置の違いって何?

予防処置と是正処置の関係性

先ほども述べましたが、是正処置とは、後工程もしくは顧客先にて不適合が発覚された後、検出された不適合に対して対策をとるものです。

それに対し「予防処置」というものもあります。予防処置とは、不適合を未然に防ぐための処置です。「是正処置」で再発防止のための対策を施し、その方策が他のトラブルや将来発生する可能性があるトラブルに対して効果があると判断される場合、「水平展開」をおこないます。まだ表面化されていない不適合の要因を潰すための「予防」です。

「予防処置」も「是正処置」と同様に、どういう場面で実施するのかという定義を明確化しておくことが重要です。

水平展開と垂直展開

よく混同される用語に、「水平展開(横展開)」と「垂直展開」があります。

「水平展開」とは、今持っている知識や方法を今までと違う場所で活用することです。それに対し「垂直展開」とは、今持っている知識や方法などをより充実させることです。

垂直展開を十分におこなったあと、そこで得たものを水平展開するのが一般的なプロセスです。

是正処置って、そんなに重要?

是正処置と全数検査

不適合の再発を防止するための是正処置がおこなわれなかった場合、何をしなければならないのでしょうか?

それは全数検査(全数選別)です。発生源対策がおこなわれていない以上、不適合の発生リスクは残ります。製品の品質を保証するために必要な措置は流出防止対策としての、全数検査をおこなうのが一般的です。

当然、コストは跳ね上がります。全数検査の期間を短縮するためにも、是正処置を早急におこなう必要があります。

発生源対策と流出防止対策

是正処置(発生源対策)をおこなって、それで全数検査を即座に解除できるかというと、それは性急です。なぜなら、是正処置の内容が正しいかどうかの見極めが必要だからです。

一定期間を定め、是正処置の効果が出ていることを全数検査(流出防止対策)で証明する必要があります。定めた一定期間内に、また不適合が発生した場合は、おこなった是正処置に誤りがあるということなので、是正処置の見直しを実施し、また全数検査で効果確認をおこないます。

不適合がなくなるまでこれらを続けなければ、不適合の再発を招きます。

是正処置の手順ってあるの?

3現主義

是正処置の第一歩は「現場」で「現物」を手に取り「現実」を把握すること(3現主義)です。不適合の発生原因について、絶対に「だろう」と決め付けないようにしましょう。

応急処置として実施する不適合品の回収も、3現主義に添っておこないます。ここでも「だろう」が敵です。必ず「現場」で「現物」を手に取り「現実」を把握し回収しましょう。

よく似た言葉に「5ゲン主義」というものがあります。

先ほどの「現場」「現物」「現実」に「原理」「原則」を加えます。

「現場」で「現物」を手に取り「現実」を把握し、『原理』にのっとって『原則』を作ることを目的とします。現状の把握と応急処置を終えたら「5ゲン主義」に移行するのが通常です。

なぜなぜ分析

是正処置でよく用いられる手法に「なぜなぜ分析」があります。「なぜ?」という問いを繰り返すことで真因にたどり着くというものです。

例題として、最初のメーターパネルの例に戻り「なぜなぜ分析」をおこなってみます。

なぜメーター内にビスが入れたのか?→密封前にビスが落下できた
なぜ密封前にビスが落下できるのか?→ビス供給装置からメーター内に落下できる
なぜメーター内に落下できるのか?→ビス供給装置が組み付け作業場上にある
なぜビス供給装置が組み付け作業場上にあるのか?→先月保全部署を交え改善した
なぜ改善したのか?→生産性の向上を目指した

この分析結果をまとめると「生産性向上のため改善し、ビス供給装置を組み付け作業場上に移動したため、密封前のメーター内にビスが落下できる状態になっていた」と分析ができます。

このように「なぜ?」を5回程度繰り返すと、真因にたどり着くことが可能となります。

是正処置での再発防止方法って、どうするの?

是正処置に至る思考

先ほどの「なぜなぜ分析」の結果で考えてみます。

結果として改善が裏目に出て不適合を発生させておりますので、元の状態に戻すのも1つの是正処置です。ですが、生産性は改善前より低下します。ビス供給装置を組み付け作業場上に残したままの是正処置は不可能でしょうか?

たとえば供給装置をフルカバーしてしまい、ビスが落下できなくするのも是正処置でしょう。作業場を囲い込み、ビスに限らず異物の進入を防止するのも是正処置です。

それに対し、メーターパネル内を全数目視確認し、ビスを発見したら開封し取り出したり、メーターパネルを廃棄するのは是正処置ではなく、ただの流出防止対策です。

是正処置の規模や範囲、掛けられる予算は様々ですが、顧客先が求めるのは、あくまでも適合品ですので、それが保障できるように是正処置をおこないましょう。

不適合の再発防止

是正処置については先ほど考えました。では、これで不適合はなくなるでしょうか?

今回の事例ですと「工程内での改善後の処置」に問題が残っています。「改善実施後は、製品品質に影響がある場合も考慮し、一定期間の効果確認選別を実施する」というルール制定で同様の不適合の再発を防止する必要があります。

不適合の再発は信頼を著しく損なうため、仕組み改善も大切です。

是正処置報告書の書き方

是正処置報告書の記入ポイント

是正処置報告書は、顧客先が用いるフォーマットを使用します。

顧客先で発見された不適合に対する、一般的な記入の流れを説明します。

①発見された不適合の内容を記入します
②いつ顧客先で発見された不適合であるかを記入します
③顧客先からの不適合連絡を受けてからおこなった、全数検査結果を記入します
④不適合が発生した工程をフロー図等を用いて明確にします
⑤発生原因の追究を「なぜなぜ分析」等を用いておこない、結論を導きます
⑥是正処置の内容と、実施期限を明らかにします
⑦是正処置完了後、効果確認する期間を記します

ほとんどの是正処置報告書はこの内容を明確に出来れば完成します。「なぜなぜ分析」に慣れてしまえば、意外と簡単です。

是正処置報告書にお客様が求めること

是正処置報告書の作成は、決して顧客先の嫌がらせではありません。

情報を共有し、不適合の芽を摘むためにおこないます。ですので、事実以外のことは省き、客観的にまとめます。「作業者が不注意だった」「休憩中、誰かが触った」「新人だった」などという言い訳は是正処置報告書には必要ありません。

また、顧客先だけでなく、会社としても今後改善策として必要になるときもあります。何がダメだったか、しっかりと頭にいれておくことも大事です。

顧客先とのコミュニケーションツールとして是正処置報告書を有意義に使いましょう。

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