是正処置とは・是正処置報告書の書き方・是正処置の手順
更新日:2024年09月24日
是正処置って何?
なぜ是正処置が必要か?
たとえばあなたが自動車を買ったとします。まだ慣れない車ですので、メーターもよく確認します。そんな新車のメーター内に、小さなビスが落ちていたら不安になりませんか?
メーターの交換は当然おこなってもらいますが、その発生原因と流出原因を明らかにし、再発を防ぐ対策を実施してもらえなくては、その自動車を信用できません。
つまり、是正処置は不具合の再発防止のために必要な行動になります。
管理水準と不適合の関係
是正処置は、後工程もしくは顧客先にて不適合が発覚された後、検出された不適合に対して対策をとるものです。
ここで言う「不適合」とは製造工程などにある「管理項目」の「管理水準」から外れたものを指します。これら「管理項目」ごとの「管理水準」は、顧客先との取り決めで定められているのがほとんどです。
製品の品質には、良品として認められる「範囲」があります。その「範囲」から外れた製品が自工程から後工程以後に流出した場合、なぜ発生したのかを調査し、その原因を絶つことが「是正処置」です。
是正処置と予防処置の違いって何?
予防処置と是正処置の関係性
先ほども述べましたが、是正処置とは、後工程もしくは顧客先にて不適合が発覚された後、検出された不適合に対して対策をとるものです。
それに対し「予防処置」というものもあります。予防処置とは、不適合を未然に防ぐための処置です。「是正処置」で再発防止のための対策を施し、その方策が他のトラブルや将来発生する可能性があるトラブルに対して効果があると判断される場合、「水平展開」をおこないます。まだ表面化されていない不適合の要因を潰すための「予防」です。
「予防処置」も「是正処置」と同様に、どういう場面で実施するのかという定義を明確化しておくことが重要です。
水平展開と垂直展開
よく混同される用語に、「水平展開(横展開)」と「垂直展開」があります。
「水平展開」とは、今持っている知識や方法を今までと違う場所で活用することです。それに対し「垂直展開」とは、今持っている知識や方法などをより充実させることです。
垂直展開を十分におこなったあと、そこで得たものを水平展開するのが一般的なプロセスです。
是正処置って、そんなに重要?
是正処置と全数検査
不適合の再発を防止するための是正処置がおこなわれなかった場合、何をしなければならないのでしょうか?
それは全数検査(全数選別)です。発生源対策がおこなわれていない以上、不適合の発生リスクは残ります。製品の品質を保証するために必要な措置は流出防止対策としての、全数検査をおこなうのが一般的です。
当然、コストは跳ね上がります。全数検査の期間を短縮するためにも、是正処置を早急におこなう必要があります。
発生源対策と流出防止対策
是正処置(発生源対策)をおこなって、それで全数検査を即座に解除できるかというと、それは性急です。なぜなら、是正処置の内容が正しいかどうかの見極めが必要だからです。
一定期間を定め、是正処置の効果が出ていることを全数検査(流出防止対策)で証明する必要があります。定めた一定期間内に、また不適合が発生した場合は、おこなった是正処置に誤りがあるということなので、是正処置の見直しを実施し、また全数検査で効果確認をおこないます。
不適合がなくなるまでこれらを続けなければ、不適合の再発を招きます。
是正処置の手順ってあるの?
初回公開日:2017年08月08日
記載されている内容は2017年08月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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