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「社長様」とメール・手紙で使っても良いのか・二重敬語なのか

更新日:2024年11月05日

取引先の社長や、自社の社長について、「社長様」という丁寧な表現を使ったことがありませんか?「社長様」という表現は、果たして、日本語として、ビジネス用語として、正しい表現なのでしょうか?本記事では、いろいろなシーンでの「社長」を示す表現について、ご紹介します。

「社長様」とメールで使っても大丈夫?

「社長様」をメールで使いたいケースとは、どのようなケースでしょうか。大企業の平社員であれば、なかなか自社の社長と、メールでやり取りをする状況にはなりません。

小さな家族的な会社であれば、社長は身近な存在で、直接メールのやり取りをすることもあるでしょう。身近な存在の社長であっても、「社長」と呼ぶのは、呼び捨てのように感じ、メールの文書では、少しかしこまって、「社長様」と書いているという人もいるでしょう。

また、営業職であれば、客先の社長と直接交渉するために、メールのやり取りをする状況も考えられます。客先の社長に、最大限の敬意を払いたいという、意思表示として、「社長様」と文中に書くこともあるでしょう。

「社長」は敬称です

「○○社長」と書くのが、呼び捨てのようだと躊躇している人は、「社長」という単語に対する誤解があります。「社長」というのは、単なる役職名ではなく、敬称です。社長のみではなく、他の役職名も日本語としては、敬称の役割を持っています。

つまり、「○○社長様」という言葉は、「○○様様」とか「○○殿様」、「○○さん様」という使い方と同等の、おかしな表現です。

「社長様」をメールで使っても大丈夫かという、問いかけに対する答えは、「大丈夫では、ありません」ということになります。日本語能力を疑われるので、使ってはいけません。「○○社長様におかれましては、」と書いた方が、丁寧に感じられるようですが、正しくは、「○○社長におかれましては、」もしくは、「○○様におかれましては、」と書くべきです。

メールの宛名に書けるの?

メールの本文冒頭には、誰宛のメールか、明確にするために、宛名を書くのが一般的ですが、ここに「○○社長様宛」などと書くのは、間違っています。しかし、「○○社長宛」と書くと、書きっぱなしの、ぶっきらぼうな文章だと、思い込んでいる人が多いのも確かです。

敬意を示すために、どうしても「様」を使いたい場合は、役職名を先に書き、宛名としては、社長の氏名を書きます。「××会社社長(空白)○○様」という様式であれば、社長という肩書きの○○様を示す書き方になります。書き方の順序を変えるだけで、「社長」が単なる肩書きになったり、肩書きを含む敬称になったりすることを、きちんと理解しておきましょう。

手紙を書くとき「社長様」は使えるの?

「社長様」を手紙で使いたいケースは、メールの場合とほぼ同じ状況が考えられます。社長という肩書きを持つ人に、直接出す場合のみならず、文中に社長に関することを書くときに、気を使って「社長様」と書いてしまうことが考えられます。「貴社の社長様におかれましては、」など、目にしたことがある人もいるでしょう。

また、ビジネスシーンというものに慣れていない、就活生が、「先日の面接で、社長様にご質問いただいた」などと、過剰な敬語を使ってしまうケースが考えられます。

「社長様」を文中に使いたいときは

手紙であれ、メールであれ、「社長様」が間違った表現であるのは、同じです。手紙を出す相手に対して、「社長では呼び捨てのようだから」と気を使って「社長様」と書いてしまっては、気遣いが無駄になってしまいます。無駄どころか、余計な一文字ということになります。

「貴社の○○社長におかれましては、」と書けば、十分、社長の○○さんに対する敬意は伝わります。どうしても「様」を敬称として使いたい場合は、メールの宛名の書き方で、ご紹介したように、「社長○○様」と書いてください。例文を書き換えると、「貴社の社長○○様におかれましては、」となります。

「社長様宛」という記述

誰かを経由して、社長に渡すものがあるときは、「○○社長様宛」と手紙の文中や、同封した別文書に、注意書きをすることがあります。今までご紹介したとおり、「社長様」は、敬称を二重に使用していることになり、間違った日本語の扱いとなるので、「○○社長様宛」も、間違った日本語表現ということになります。

この場合も、「社長宛」とだけ書けば、「社長」という敬称も含まれているので、日本語表現として、正解です。「敬称=様」という思いがある人は、「○○様宛」と書くか、「社長○○様宛」と書くようにすれば、正しい日本語なうえ、「様」もしっかり使うことができます。

封筒の表書き

ここまでご紹介した内容からわかるように、当然、封筒の表書きに「○○社長様」と書くのは、間違いです。単に「○○様」とするか、「社長○○様」と書くように、改めましょう。

手紙という媒体は、メールに比べると、少しかしこまった印象になります。会社の中の役職として、「社長」という正式な役職は存在しないので、堅いビジネス文書の場合は、「代表取締役○○様」と書いた方が、より正式な書き方となります。

電話で「社長様」は使えるの?

取引先に電話をかけて、取引先の社長に取り次いで欲しいとき、「社長様はご在席ですか?」という使い方は、正しいのでしょうか。または、電話にでたときに、相手から「○○さん(社長の名前)は、おられるかな?」と聞かれたときに、「社長様は、本日外出しております」という受け答えは、正しいのでしょうか?

いずれも、「正しくない」が解答です。「社長」も「様」も敬称なので、一緒に使用するのは間違いだ、ということは、ここまでご紹介したとおりです。メールや手紙などの文書で使用するときだけでなく、電話や対面で、口頭の場合も、「社長様」が間違った使い方であることに、かわりありません。

電話で「社長」を正しく呼ぶには?

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初回公開日:2017年12月18日

記載されている内容は2017年12月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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