「参考」の適切な使い方と例文5つ|「ご参考ください」は誤り
更新日:2024年11月30日
「参考」とは
みなさんは「参考」という言葉を正しく使用できていますか。
よく使用する表現ですが、実はその表現方法が間違っていることもあります。今回は意外に間違えやすい「参考」という言葉の適切な使用方法をご紹介していきます。本記事を読んでご参考にしてください。
「参考」の意味
「参考」とは何かをしようとするときに、他人の意見や他の事例・資料などを引き合わせてみて、自分の考えを決める手がかりにすること、またそのための材料、という意味です。
「この資料を参考にする」「上司の考えを参考にする」など、よく聞く言葉です。
「参照」との違い
「参照」との違いですが、 どちらも「考えをまとめたり、何かを決めたりする時に調べること」という意味があります。では、どこがちがうのでしょうか。
「参考」は「何かを決める時に他人の意見や事例、資料などを手掛かりにすること」で、「参照」は「複数のものを照らし合わせて参考にすること」を表します。
「参照」とは基本的には「目に見える」情報を対象とした言葉ですので、「上司の考えを参照する」とは言いません。
「参考」の適切な使い方と例文
参考の意味が分かったところで、次に「参考」の使用例や、より丁寧な言い回しを例文とともに説明していきます。
「参考」の正しい使用例を見て、実際に使用できるようにイメージを深めていきましょう。
参考になさってください
「参考になさってください」という表現の仕方がありますが、「参考にしてください」をより丁寧にした言い回しです。
ただし「参考になさってください」は、やや強制的な印象を与えてしまうこともありますので、上司や目上の方には使用しないほうがよいでしょう。目上の方に対しては、下記にあげる「参考になれば」などの表現をおすすめします。
参考になればと思い
「参考になればと思い」は、「この資料が役に立てば嬉しいと思って」という意味に解釈できます。
「少しでも参考になればと思い、この資料を添付いたします」のように使用しましょう。とても丁寧な言い回しで、相手にも良い印象を与えることができます。
参考になれば幸い
「参考になれば幸いです」は、「参考にしてもらえたら嬉しいです」という意味です。
文末に使われている「幸いです」は、「こうしてもらえるとうれしい、ありがたい」という気持ちを表す謙譲語で、よりへりくだった言い方になります。
また、「幸いです」は強制的なお願いではなく、するかしないかは相手にゆだねるような印象ですので、より柔らかい言い回しであるといえるでしょう。
ご参考頂ければ
「ご参考頂ければ」という言い方は「〜してもらう」という言葉を「お(ご)〜いただく」とする謙譲語を使用しています。
謙譲語とは自分を下に見せることで、相手への尊敬の気持ちを伝えることのできる表現です。「ご参考いただければ」は謙譲語を使用して丁寧な言い方になっていることがわかります。
ご参考までに
「ご参考までに」という表現もよく聞く言葉ですが、どのようなときに使用するのでしょうか。「ご参考までに」は先に提示した資料などの補佐的な情報を提示する際や、判断材料のひとつとして、という意味でよく使われます。
「ご参考までに」の「までに」に謙遜の意味が含まれていますが、より丁寧な言い方をしたい場合には、「ご参考までに資料を添付しました」などと、言葉を付け加えるとより丁寧な印象を与えることができます。
初回公開日:2017年09月10日
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