「貴法人」の使い方について詳しく解説|「貴法人」と「御法人」の違いも
更新日:2024年10月10日
「貴法人」という言葉について、あまり目にしたことも耳にしたこともなく、意味も思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか。「貴法人」を「貴」と「法人」に分解してみると、意味や使い方が推察できるのではないでしょうか。
本記事では、「貴法人」という言葉の意味や使い方について解説しています。意味や使い方を誤って、恥ずかしい思いをすることがないように、しっかり理解しておきましょう。
「貴法人」の意味と使い方を理解できていれば、ビジネス場面でも自信をもって使っていけます。
机上で理解するだけでなく、例文も参考にして繰り返し学習することで、自分が使いこなせる言葉として身につけるようにしましょう。
「貴法人」の意味・読み方
「貴法人」は「きほうじん」と読みます。「法人」を敬って使う呼称です。敬語を使う場面で使う組織名に対する敬称で、会話の中ではなく、主に書面で使用します。
履歴書などを書くときに、相手会社のことを「貴社」という敬称を使ったことがある方は多いでしょう。同様に、相手が会社組織ではなくNPOのような「法人」の組織の場合は、「貴法人」と記載します。
法人とは、一定の目的のために人を集めた組織(社団)や財産を集めた組織(財団)などがあり、会社組織と同じように、権利や義務の主体となることが認められています。
「貴法人」の使い方
「貴法人」は、「法人」と名のつく団体に対する敬称として使用しますが、法人組織であっても「貴法人」以外の敬称を使った方が適している組織もあることを知っておきましょう。
「貴法人」以外の敬称をもつ組織であっても、法人である以上「貴法人」を使っても間違いではありません。特定の敬称をもつ組織なのかわからないときは、「貴法人」を使っておきましょう。法人や社団、財団といった名称の組織に対しては「貴法人」を使えます。
「貴法人が運営されている事業について、お聞かせ願いないでしょうか」のように、文章の中で相手を指し示す言葉として使用できます。
「貴法人」とは違う書き方をする場合−法人に属している
法人を名乗る組織の中には、法人名のほかに、世間に良く知られている名称をもっている組織もあります。
たとえば学校法人〇〇学園や税理士法人〇〇事務所などがありますが、話の相手は法人全体ではなく、学校や事務所のように法人に所属している個々の団体であることも多いでしょう。
法人に属している以上「貴法人」を使っても間違いではありませんが、「貴学園」「貴校」「貴事務所」「貴財団」など、個別の敬称を使うことも可能です。
「貴法人」とは違う書き方をする場合−医療法人
医療法人も法人である以上「貴法人」と書いても誤りではありませんが、医療法人に属している病院に対しては「貴院」とした方が、伝わりやすいでしょう。
1つの医療法人に属している病院が複数ある場合は、「貴法人」と「貴院」を使い分けるとわかりやすくなります。法人を対象に話をする場合は「貴法人」が適切で、個々の病院が対象の場合は、「貴院」が適切です。
「貴法人」以外の記載−銀行等の金融機関
銀行は法人組織ではないため「貴法人」を使うのは適切ではありません。多くの銀行が「株式会社」ですが、一般的な会社に対して使う「貴社」も適切ではありません。
銀行に対する敬称としては「貴行(きこう)」が使われます。銀行員も会社員とは呼ばれず「行員」と呼ばれています。銀行の略称として「行(こう)」が用いられていることを覚えておきましょう。
同じ金融機関でも「信用金庫」には「行」の文字が含まれていないので「貴行」は使えません。信用金庫に対しては「貴庫(きこ)」を使います。
「貴法人」以外の記載−その他
法人以外の組織に対する敬称も、組織名の前に「貴」をつけて使用します。
一般企業であれば「貴社」、省庁であれば「貴省(きしょう)」「貴庁(きちょう)」という敬称を使えます。郵便局の場合は「貴局(ききょく)」です。
「貴法人」と「御法人」の違い
法人に対する敬称には、「貴法人」のほかに「御法人(おん・ほうじん)」という言葉もあります。「御法人」も「貴法人」同様に相手の法人に対する敬称であり、指し示す意味は同じですが、使い方は異なるので覚えておきましょう。
「貴法人」が文書で使う敬称であるのに対し、「御法人」は会話の中で使う敬称です。法人に対する敬称に限らず、敬称の使い分けとして「貴」は文書、「御」は会話・話し言葉で使用することを覚えておいてください。
「貴法人」と「貴会」の違い
初回公開日:2017年10月10日
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