「時下ますます」の意味と使い方・読み方・例文・文例
更新日:2024年09月21日
「時下ますます」の意味と使い方
「時下ますます」という表現に聞き覚えはありますか。普段の会話で使用する事は少ない言葉ですが、ビジネスメールや手紙の挨拶文などで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。今回はこの「時下ますます」という表現について、意味や正しい使い方をご説明していきます。しっかりと覚えて、今後のビジネスシーンに役立ててください。
意味
「時下ますます」とは、「このところ一層、程度を増しているさま」を意味します。
「時下」とは「この頃、目下のところ」という意味を表わし、すべての季節を通じて使う事ができる言葉です。手紙などでは、「新緑の候」や「盛夏の候」といった時候のあいさつを使用することがマナーになっていますが、この時候のあいさつを考えるのも一苦労です。考えたあげくに間違ってしまう可能性もあります。「時下」という表現はそういった意味で非常に便利な言葉になります。
ちなみに、「ますます」は「よりいっそう」という意味になります。
使い方
代表的な使い方は、手紙の挨拶文などで「時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」というような形で使います。ケースごとの使い方については、この後詳しくご説明していきます。
「時下ますます」の例文・文例
「時下ますます」という表現について、実際の例文をいくつかご紹介します。まずは、基本のパターンをご紹介します。
・時下ますますご清祥のことと存じます。
・時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
・時下ますますご多祥の段、お慶び申し上げます。
・時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
いかがでしょうか。手紙などの挨拶文で非常によく見る例文です。
「ご清祥」と「ご清栄」の使い分け
「時下ますます」の表現を使用する際に、合わせて気をつけていただきたいのが、「時下ますます」とたびたび一緒に使用される「ご清祥」と「ご清栄」という2つの言葉の使い分けです。「ご清祥(ごせいしょう)」は、個人の健康を祝う言葉として使用されますが、「ご清栄(ごせいえい)」は、会社や組織の繁栄を祈る言葉となっております。
つまり、個人相手に「ご清栄」という表現を使うことや、会社相手に「ご清祥」という表現を使う事はできません。気をつけてください。ちなみに、「ご健勝」という言葉も、一般的に個人の健康を祝う言葉として使用される言葉ですので、合わせて覚えておいてください。
ビジネス文書における例文
会社相手の場合は、「ご清栄」という言葉を使う事をご説明しました。それではここで、実際にビジネス文書で使える「時下ますます」を用いた例文をご紹介します。
・時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・時下ますますご清栄の段、お慶び申し上げます。また平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
いかがでしょうか。「平素は格別のご高配を賜り」とは、「普段から、特別な心配りを頂きまして」というような意味になります。分かりやすく言うと、「いつもお世話になりありがとうございます」というような意味を表わす表現です。
ビジネス文書においては定型文のように使用されている表現なので、合わせて覚えておく事をおすすめします。改まった手紙やメールなどで頻繁に使用する機会があるはずです。
「時下ますます」の手紙での使い方
皆さまご存知でしょうが、手紙において、最初からすぐに用件を書くのはマナー違反です。まずは、「拝啓」などに代表される「頭語」、その次に「新緑の候」「盛夏の候」「残暑の候」などの季節のあいさつである「時候のあいさつ」、そして相手側の健康や繁栄を祝福する「ご清祥」や「ご清栄」などの「慶賀のあいさつ」が続きます。まずはこの手紙の基本を覚えましょう。
そして「時下ますます」は「時候の挨拶」の部分に使用されます。季節を問わず使用する事ができる非常に便利な表現です。それではここで、手紙における「時下ますます」の使い方をご紹介していきます。
ビジネスレターの場合
重ねてご説明しますが、会社相手の場合には「ご清祥」ではなく「ご清栄」を使用します。会社相手の手紙の例文をご紹介します。
・謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
「謹啓」とは、「拝啓」よりも敬意が高く、目上の方に送る手紙や、改まった手紙を送る際に使用する頭語です。結語は一般的に「謹言」「謹白」「敬白」です。ここで一つ注意点をご紹介します。ビジネスレターは改まった手紙なので、「前略」という頭語は失礼にあたります。使用しないようにしてください。
個人宛の手紙の場合
初回公開日:2017年11月24日
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