「皆様におかれましては」の意味と使い方・年賀状・お礼状
更新日:2024年10月13日
手紙の書き出しでの「皆様におかれましては」は時候の挨拶に使うことができますが、手紙の結びの「皆様におかれましては」は、「これからもお元気で」とか「これからもよろしく」とか、そういう意味の言葉を加えて使うのがいいでしょう。形式を重んじる手紙ですから、同じ意味の言葉でもできるだけ丁寧な言い方をするように心がけてください。
それでは手紙の結びで「皆様におかれましては」を用いた例文を考えてみます。
「皆様におかれましては、これからもますますご発展なさるようお祈りしております。」
「長々と書いてしまいましたが、皆様方におかれましては今後とも私どもとお付き合いくださるよう、末筆ながらお願い申しあげます。」
「皆様におかれましては」のお礼状での書き方
お礼状は、何に対するお礼であるのかをはっきりさせる必要がありますが、それよりも大事なことは、相手に対するお礼の気持ちをうまく言葉にすることです。ただ「ありがとう」というだけではなく、相手に対する感謝の気持ちのほかに、その相手がこれから健康で幸せにいられるようにとの思いをこめた言葉を後に続けるのがいいでしょう。
「このたび無事に志望校に合格することができました。皆様の手厚いご指導のおかげだと感謝にたえません。皆様におかれましては、ますますのご発展を期待しております。」
「うれしいお品をお送りくださいまして、有難うございます。皆様におかれましては、ますますのご清栄をお祈りいたしております。」
「皆様におかれましては」の季節の挨拶の方法
年賀状やお礼状など、手紙にはそれを書いて送る目的がありますが、ただその目的だけを書いたのでは手紙になりません。「拝啓」や返事をするときに用いる「拝復」から始めて、季節にふさわしい時候の挨拶をする必要があります。時候の挨拶には決まった表現がありますが、その表現を使いながら、相手に対するこまやかな気持ちをこめてください。
ここでは、春夏秋冬の四季にあわせて、「皆様におかれましては」を用いた挨拶の例文を考えてみることにします。手紙の文章に季節感を漂わせることは、日本文化の長い伝統のひとつですから、例文を参考にして自分でもいろいろ考えてみてください。
春の挨拶
春はいろいろな花が咲く季節でもありますが、また新しい年度の始まるときでもあります。卒業式と入学式があり、会社を退職する人とあらたに会社に入社する人が入れ替わるのも春です。「皆様におかれましては」という挨拶も、春にふさわしいものにするといいでしょう。
「春爛漫という言葉がびったりの風景になりましたが、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申しあげます。」
「葉桜の候、皆様におかれましては、卒業式や入学式のあわただしさから、少し心のゆとりが戻ってきたことかと存じます。」
夏の挨拶
さわやかな初夏から梅雨をへて蒸し暑い真夏へと季節は移っていきますが、梅雨にも晴れ間があることですし、真夏は涼しい夜を過ごすこともできますから、夏の挨拶も少し工夫をするといいでしょう。「皆様におかれましては」と夏のさまざまな風物とをうまく組み合わせて挨拶の文章を考えてみてください。
「青葉の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申しあげます。」
「梅雨の晴れ間に紫陽花が美しい花を咲かせる今日この頃、皆様におかれましては相変わらずお元気にお過ごしのことと存じます。」
「盛夏の候、皆様におかれましては、夏の暑さにも負けることなく日々お過ごしのこととお察し申しあげます。」
秋の挨拶
暑い夏も終わり、秋風が吹き始めると月もまた格別に美しくなります。虫の歌声に耳を澄ませつつ、秋の夜長を楽しむ季節が秋です。春の桜に対して、秋は紅葉が鮮やかです。秋はまた収穫の季節でもあり、おいしいものが出そろう季節でもあります。久しく会っていない人に手紙を書いてみるのもいいでしょう。
「秋の夜長、皆様におかれましては、いかがお過ごしのことでしょうか。」
「仲秋の名月を眺めていると、ふと信州の山荘でご一緒した日のことが思い出されてきます。皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことでしょうか。」
冬の挨拶
木の葉が散り、木枯らしが吹き始めると、やがて一年の終わりが近づいてきます。地方によっては大雪に見舞われることもあり、冬ごもりという言葉がふさわしい季節です。春夏秋冬、四季の最後におかれている冬ですが、最後ということはまた新たな始まりでもあります。もちろん、楽しいクリスマスやお正月があるのも冬です。
「初雪のみぎり、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申しあげます。」
「大学構内の銀杏並木もすっかり葉を落としてしまいました。皆様におかれましては、ご研究がますます進展されていることと期待しております。」
「皆様におかれましては」に続く言葉が大切です
おもに手紙の書き出しや結びで用いられる「皆様におかれましては」という表現ですが、単純にいってしまえば「皆様は」という意味ですから、あえてこのような言葉遣いをすることの意味を考えてみてください。「皆様におかれましては」のあとにどういう言葉を続けるのか、それが大切です。
お礼状や季節の挨拶など、いろいろな手紙で「皆様におかれましては」という表現は重宝に使うことができます。メールやLINEで簡単に用件を相手に伝えることにできる時代だからこそ、丁寧な手紙を書いて送るのもおおいに意味のあることではないでしょうか。
初回公開日:2017年12月28日
記載されている内容は2017年12月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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