「先般」の正しい意味とは?使い方や例文・注意点などを解説
更新日:2024年11月11日
「先般」「先日」「このあいだ」、いずれの表現も、いつのことか日付は明白ではないけれど、少し前のことに対して使われます。ビジネスシーンで日付が明らかなときは、「先般」を使わず具体的な日付を出すことをおすすめします。
何度も打ち合わせを重ねているプロジェクトで、「先般の打ち合わせ内容について」といわれても、直近の打ち合わせのことなのか、何回か前の打ち合わせのことなのか、相手はすぐに理解できません。「〇月〇日の内容について質問があります」のように、日付を明確にしましょう。
「先般」の言い換え表現
「先般」には言い換えに使える類語がたくさんあります。ここでは、「先般」の類語の中から5つの言葉について言い換え表現を紹介します。「先般」の言い換え表現を覚え、場面や状況、環境に応じた言葉を使っていきましょう。
「この前」
「先般」には「このあいだ」という意味があるため、「このあいだ」とも「この前」とも言い換えが可能です。日常会話の中では「先般」を使うよりも「この前」といった方が親しみのある話し方になります。
「先般のパーティーは大変楽しめせていただきました」は顧客や取引先向けに使う文章で、近しい間柄であれば「この前のパーティーはとても楽しめた」になります。
「先だって」
「先だって」は「さんだって」とも「さきだって」とも読まれる、「先般」の類語です。「先だって」は日常会話でも使われますが、砕けた表現ではありません。「この前」や「このあいだ」を使うよりも大人びた表現になります。
「先般」を使ったのでは堅くなりすぎてしまうような場では「先だって」を使うとよいでしょう。「先だってのパーティーは大変楽しめせていただきました」のように使えます。
「以前」
「以前」は、「いぜん」と読み、「その時よりも前」「今より前の時点」の意味です。「以前」も「先般」同様に、少し前の過去を示しているため、「先般」の類語として言い換えに使えます。
「以前行われた、会議にてあるプロジェクトが決定いたしました」は「以前」を「先般」に言い換えても違和感はありません。ただし、「以前」は固定した時点よりも前のことを意味し、先般は「このあいだ」という漠然としたポイントを示しているため、ニュアンスが異なります。
「先日」
「先日」とは「せんじつ」と読み、「近い過去のある日」「このあいだ」という意味で使われます。「先日」は非常に「先般」に似た言葉です。「先般」を「先日」に置き換えても違和感はありません。
普段は「先般」よりも「先日」という言葉を用いる人のほうが多いでしょう。ただし、「先日」と「先般」は非常に似た意味を持つ類語ですが、全く同義で使えるというわけではありません。「先般」が文語的であるのに対し、「先日」というのはどちらかというと口語的です。
「先日行われた、会議にてあるプロジェクトが決定いたしました」は、「先日」を「先般」に置き換えても違和感はありませんが、一般的には「先日」が使われることの方が多いでしょう。
「過日」
「過日」は「かじつ」と読み、「過ぎ去ったある日」「せんだって」「先日」の意味で使われます。意味の一部に「先日」が含まれているように、「先日」の類語として言い換えに使うこともできます。
「過日お目にかかりました山田です」は、「過日」を「先日」に言い換えても同じ意味です。
「先般」の対義語
「先般」の対義語としてよく使われているのは「今般」です。「今般」の読み方は「こんぱん」で、「このたび」「今回」「今度」という意味で使われます。
「先般」がある時点よりも前のことを表現する言葉であるのに対し、「今般」は現在を中心とした直近について語る言葉です。「先般の移転」と「今般の移転」では、先般の方が時間経過を感じられ、今般についてはつい最近の出来事であることを伝えられます。
「先般」の英語表現
日本語で「先般」としている部分をどう英訳したらよいのか、迷ったときにはもっと簡単な日本語で考えてみると、適切な英語表現を見つけやすくなります。「このあいだ」「以前」などの言葉に置き換えて考えてみましょう。
「先般」で数日前程度を表現している場合は、「the other day」「some time ago」「a few days ago」などの表現が使えます。もう少し長い期間を示したい場合は、「not long ago」「a while ago」などを使ってみましょう。
初回公開日:2017年12月06日
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