「ご意向」の意味と使い方・例文と尊敬表現|沿う/お聞かせ
更新日:2024年09月13日
ご意向ってどんな意味?使い方は?
ご意向の意味とは?
ニュースやビジネスシーンなどでよく耳にする言葉に「ご意向」という言葉がありますが、ご意向の意味はご存知でしょうか。ご意向とは「意向」に「ご」という敬語を付けた言葉で、これからどうしたいのかどうするつもなのかという考えのことを表す意味です。
ご意向は主として相手方や目上の人に使います。あることがらについてその人の考えや思惑、心の向かうところや判断などをこれからどのようにするかという考えの方向性を表す言葉です。考えを表す言葉としては、「意思」という言葉よりは少し弱い表現です。「ご意向」の前には誰の考えや思惑なのかを表す言葉が入ります。
ご意向の使い方は?
「ご」という字がついて敬語になっていますので、主に相手側や目上の人に対して使います。「社長のご意向に従う」「ご意向に沿えず申し訳ありません」というふうに使います。「ご」を取って「意向」だと「私どもの意向といたしましては」と使うこともありますが、こちら側の意見を表すときは「所存」を使った方が適切です。
ご意向の例文は?
例文1 ご意向に沿う
「ご意向に沿う」は、相手の気持ちを重視してそれに従うことです。相手方の考えを全て受け止めてそのとおりにするときに使います。使用例としては、「ご意向に沿うようにいたします」「ご意向に沿えるようにいたします」などです。
「ご意向に沿うようにいたします」と言うと相手の希望をほぼ叶えることができますというこちらの意思表示になりますが、「ご意向に沿えるようにいたします」と言うと相手の気持ちを重視して努力します、なるべくできるようにしますという意味になり実現の可能性が少し下がります。
例文2 ご意向をお聞かせ
相手がどうしたいのか、気持ちを聞きたいときに使います。ただし「ご意向をお聞かせください」と言うと「ください」の部分が相手に失礼にあたる場合があります。この場合は「ご意向をお聞かせ願えますでしょうか」「ご意向をお聞かせいただけませんか」と使った方が良いでしょう。
例文3 ご意向にそぐわない
「そぐわない」には似つかわしくない、釣り合わない、不相応、不適当という意味があります。「ご意向にそぐわない」は、相手の意志に反した、相手が満足しない、相手が納得しない、相手の気に入らない、相手が不満を持っているという意味になり、相手の希望や思惑に合っていない場合に使います。
相手の本心や考えがわかっていても叶えられなかった場合には「ご意向にそぐわない結果になり申し訳ございません。」、こちらの提案が相手の希望に合っているかどうか確認したい場合は「ご意向にそぐわないようでしたら」のように使いましょう。
例文4 ご意向を確認
「ご意向を確認する」とは、相手の気持ちを確かめる、見極める、見定める、ことを表します。こちらの提案していることが、相手の考えや気持ちに合っているかどうか確認するときに使います。
一般的には生命保険などの保険契約で交わされる「意向確認書」でよく使われる言葉です。保険契約で、申し込む人のニーズと保険商品の内容が一致しているかどうかを契約の前に改めて契約者と保険会社との間で確認するための書類です。
ご意向の類語や同義語って?
ご意向の類語や同義語にはどんな言葉があるでしょうか。ご意思、お考え、ご高見、ご卓見(たっけん)、ご卓説(たくせつ)、ご高説(こうせつ)、ご意見、心づもり、趣意や胸の内、本心、心向け、心向き、心意、腹づもり、考え方、所見、見解などがご意向の類語・同義語です。
ご高見とは人の優れた意見、ご卓見は物事を正しく見通す優れた意見や見識、ご卓説は優れた意見や論説のことを表す言葉です。またご高説は優れた意見や、意見を言った相手を敬ってその相手の意見を指す言葉となります。「ご意向を承る」は「あなたのすばらしい意見を聞かせていただきます」という最上の敬語です。
ご意向は目上の人に対して使う言葉ですが、神に対して使う思し召しや御心(みこころ)もご意向の類語・同義語です。
ご意向を敬語で使うには?
初回公開日:2017年11月17日
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